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手のひらに邪眼

「よしっ、と」

 左江内 光眼は油性マーカーで額ではなく……右手に雑な目玉を一つ描いた。




 冷静に考えて額に眼なんて名前通りになってしまうし、四ツ目があんまりに笑うのでナシにした。

 そこで厨二病の鉄板、手に落書きにしたのだ。

「さあ、光眼の第三の眼よ! 目覚めよ! そうして光を放て!」


 格好良く口上を唱え、窓にむけて腕を伸ばし――ビームを放った。凄まじい威力だったのか、ガラスが派手な音を立て飛び散る。



「本当に光放っちゃった! イメージと違うけど」

 ビームは発射しつづけて、近場から悲鳴が上がっている。隣家を貫通してしまったのだろうか。


「やべえ、止まんないな? どうしよー! ぎゃははは!」


 意識と目玉は連動していないのか、いくら念じてもビームは止まらない。下手にふさげば自分も危ないかもしれない。


「えっと、包帯……ない、そうだ! かっこよくハンカチでまこう!」


 封じられし目玉。

 ヤケクソになりながらも近場にあったハンカチで目を封印した。ビームは収まったのか……とりあえず普通に過ごせるようになった。


「なんか壮大になったけどまあ、いいや、それに」

 あれだけびくともしなかった窓も破壊し、外に出られるようになっている。




(でかした。光眼ちゃん)

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