未来の左江内 光眼
左江内 光眼は綺麗な水が道路を満たしているのに気づき、わあッと一階に駆け下りようとした――が、侵入者が首根っこを掴む。
「アレに触れたら一瞬で溶ける」
「ええ〜〜っ、あんなに綺麗なのに? もしかしてっ! 工場廃液?!」
「違う。アレはああいうモノなんだ。そうしてこの世界にインフラはない」
「ええ??」
さっきから言っている意味が理解できない。まるでつまらない世界から来た人みたいな物言いだ。
「四ツ目ちゃん? くん? はあっちの世界から来たの?」
「くんでもちゃんでもどっちでもいい。ないから。あっちの世界からは……遠い昔な」
ズリズリと部屋に引きずられながらも、銀の束ねた髪を見やる。日本にはこのような髪色の人はいない。
「じゃあ、街案内して!」
「するかよ、バーカ。お前はずっとこの部屋に引き込もってろ」
鍵を閉められ、なぜだが開かなくなってしまった。「何した?!」
「閉じ込めたんだ」
「どうして?! ボクはご飯とおトイレしないと生きてられないんだよ?!」
「俺は数百年以上していない」
「そ、それは四ツ目ちゃんがファンタジーの世界の住人だからだって」
言いかけて、自分自身の思考回路に気が付かされた。どこかでこれは絵空事だと思いこんでいる。
「じゃあ、お前もファンタジーの住人だから衣食住は関係ない。そうやってクローゼットに潜り込んでも無駄だ」
クローゼットの隅には世界の穴は存在していなかった。
「俺は未来の左江内 光眼だ、と言ったらお前はどうする?」
インフラをアンフラと誤字していました(笑)
少し笑いました。




