身体から注射針
新学期が始まり、学生生活に慣れてきたはずのクラスはお通夜のような空気になっていた。
伊藤がフナムシを穴という穴から出し……数分で死んでからというもの、数名、奇妙な死に方をしてしまった者もいる。
左江内 光眼のようにユニコーンの角が突き刺さったまま、生きている人もいれば――発狂して踊りだしたまま消えた担任もいる。
明日は我が身か。
クラスでは黙々と予習をしながら、次の体育が不安で仕方なかった。
身体がおかしな状態になりやしないか。
それだけ。
「あ、ギッ!? イデッ」
いきなり奇声がしてハッと皆は声の発信源を見やる。
「田中くん?!」
「田中っ」
伊藤と仲が良かったクラスメイト……田中。あれから落ち込みが激しく、大会にも支障がでる程の精神的疲労を抱えていた。
その田中の皮膚から大量の注射針と注射が飛び出している。
「あ、いだ、い! いでえよおおっ!!!」
「田中くんが! 保健係っ、なんとかして」
「なんとかしてって……身体が針だらけだと……」
「担架、担架!」
クラスが騒然となり、光眼はさして気にならず落書きをしていた。すると目の前の席にいたオカルトマニアで、嫌煙されていた男子がニタニタと渦中を見ている。
「ドーピングが祟ったな、ハハッ。いい気味だ」
(ドーピング? へー、そういうのあるんだ。まー、ボクには関係ないけど)
落書きには下手くそな目玉が書かれていた。
注射が苦手です。が、最近は克服してきたような気もします。




