キュルキュル 目玉
左江内 光眼は運転手が苔人間になってしまった――暴走救急車に跳ねられてしまい、地面に転がっていた。
「いたぁ〜〜い」
ご生憎、肉塊にはならなかった。が、全身打撲で起き上がれない。
地図で見つけた街の真ん中にある小さな、小さな神社。
名前は一億眼神社。どういう意味があるか、光眼にはあまり関心がなかった。
それで、神社があるという人んちの門を潜ろうとしたら……このザマである。
「キュルキュル」
どこからか鳥ともつかぬ、金属音のような不気味な音がしている。
「キュルキュル、キュルキュル、キュルキュルキュルキュルキュルキュル」
「なに……まさか神社からしてる?」
寝そべりながら廃墟化している豪邸の門を見やると、さすがの『電波女』も固まった。
巨大な目玉がこちらをみつめてキュルキュルと鳴いている。
「ひい」
目は豪邸を隠してしまう程の大きさで、黒目がシッカリとこちらを凝視している。キュルキュルと鳴きながら。
「やっと現れたな。光眼」
新たな声がして、満身創痍の身体を蹴り飛ばされ吐血する。「お前がやった罪を償え」
ソイツは冷たい声色でさらに蹴ってきた。
「いだい! いたいよ」
「何が痛いだよ。ユニコーンの角つけやがっていうセリフかよ」
ハッと顔を上げると、目玉を背にした自分自身に似通った人物が不機嫌そうな表情で佇んでいた。
「ドッペルゲンガー?!?」




