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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第四章 二人の世界
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近隣の国について

サンガルの脅威は無くなったが、

ヨークは肥沃な土地でどこの国からも羨ましく思われる良い国土を持つ。

北のククルコット共和国、南のモンクン首長国、アマノイ公国、ムリッポ王国

東の大森林の向こうにはニーホ帝国があるらしい。

らしいと言うのは、ククルコット共和国製作の地図に書いてある名前で

ヨーク王国の地図には載っていない。

大森林があまりにでかいのと、大森林とヨーク王国の間に絶壁があるため、一度も交流が無い。

一応、絶壁の上に物見小屋が建っているが、見渡す限り森のみで、人を見かけた事が一度も無いという。


前世みたいに衛星があるわけでもテレビがあるわけでもない。

この世界の大きさも、ヨーク王国の広ささえ分からない。

地図に描かれてはいるが、実際どんなに距離があるのか実感出来ない。


ここ公爵領は、一年を通して比較的温暖な気候だ。

一応、四季はあるが、雪が降るような寒い時期は少ない。

夏も茹だるような暑さは滅多にない。

北にある山の向こうはここより寒いと商人に聞いた。

ここから北東に行くと、山と山の間が道になっていて山向こうへ行けるが、

山間の道自体が、かなり高所を通る。

道も狭いため、馬車一台がギリギリといった所だ。

歩きで行き来する者や、馬車がすれ違えないため、道の所々に退避所が作ってある。


国境は山の真ん中ではあるが、流石にそのような所に関所を設けられないため

お互い国から山に入る所に関所を設けてある。

山の向こうは、ククルコット共和国だ。

山を行軍するのは、お互い益が無いので、戦争もしなければ、同盟国でもない。

ただの隣国。それだけである。


南のモンクン首相国、アマノイ公国は、ヨーク王国に隣接する国でヨーク王国に比べて国土は小さい。

この2国は同盟国だ。貿易も良好で、行き来する人も多い。

その南にあるのがムリッポ王国。

この国は、時折同盟国に戦を仕掛けてこようとするので、

ヨークの騎士で牽制するように派兵している。

サンガルと開戦の話が上がった際、アマノイ公国の国境近くに武力を集めていたと後から聞いた。

早くに終戦していなかったら、モンクン首相国、アマノイ公国を巻き込んだ戦争に発展していただろう。

今後も仕掛けてくるとしたらこの国だろう。

だからこそ、隠密部隊は必要なのである。

あちらもこのヨーク王国へ密偵を入れて探らせているだろうからお互い様なのだが、

どちらが有益な情報を得る事が出来るかで、戦での勝敗にも関わってくる。


地図がムリッポ王都までしか無いため、ムリッポ王国の広さや、その南に何があるのか分からない。

地球全体を把握出来ていた前世に比べて、あまりにも心許ない。

せめて、ムリッポ王国の全体の広さくらいは把握しておきたい所だ。


今現在、ムリッポ王国に潜ませている密偵は10名。

そこへ俺が選んだ密偵を20名追加で行かせて、引き継ぎをさせて今の密偵をここへ戻す。

これまできちんと役目を果たせていたか、否か。

どこまで情報を得ているのかも聞きたい。

あと、追加で行かせた半分はムリッポ王国の広さを馬で確認する事。

その東西南に何があるのか調べる事を命令した。

詳細な地図があれば持って帰る事も含める。


て言うか、なぜ地図が無いのかが不思議でならない。

敵対国なんだから、もっと情報を集めるだろう?普通は。

戦略とか無いのか?あーそういや軍師っぽい人ヨークで見かけないよな。

公爵領にもいないし。サンガルにもいなかったよな。

まあ、いたらあんな事にはならなかったはずだし。

うちは、騎士団長がそういうのも兼任してる感じだが・・・

今までこの国が侵略されず、平穏無事なのは幸運だったからか?

これは検証が必要だな。

俺の存在が、その幸運を打ち消してしまわなければいいが。


グレイが行った戦争は、サンガルだけでなく、ムリッポ王国との戦争も行ったと聞いた。

その時は、ヨーク王国内ではなく、モンクン首相国やアマノイ公国が戦場になったと。

この2国が落とされたら、次はヨーク王国となるので、こちらも必死に戦うことになる。


はあ、ムリッポ王国の王族は、どんな奴らなんだ?

戦いを仕掛けないと倒れる病かなんかなのか?

サンガルみたいに自給自足が出来ないほど作物が育たないのか?

それとも単に領土を拡大したいだけなのか?

戦う理由を知らないと交渉も何も出来たもんじゃない。

そういった事も含めて、情報を得る事は重要なのだ。


やはり一度、行ってみるか。


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