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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第三章 青年時代〜サンガル
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想定外の出来事

アツイ様?何がどうなって、ここに銃が山積みになってるんですか?


ブクブクが無くなって、戻ってきたアイスとジャックも目が点になって

発した言葉がこれだ。


売る物もスープも無くなり、既にサンガル人はこの広場にいない。


俺だって聞きたい。

まさか、こんな事になるとは、

まじで、想定外なんですけど?


「あー、あははは、な!」


「笑って誤魔化さないで下さい。で?タール、教えなさい!」


「ええ?えーと、アツイ様がスープを作って、サンガルの人にあげようという話になりまして。

そしたら、スープのお礼に銃を置いてったんです。

俺もビックリですよー。あ、あとみんな兵士を辞めるって言ってましたよ。」


「は?なんだそれは。じゃあもう、この街に兵士はいないのか?」


「さあー、それは分からないけど、数はかなり減ったんじゃないか?」


「ここにある銃、少なく見ても300はあるよな。」


「確か、会議で聞いたのは、500人くらい居るって話だったよな。」


「じゃあ、200はまだいるのか。それくらいなら、後続の騎士団だけでなんとかなるかな。」


「あのー、兵士の中に、国から何も連絡が来ないって言ってた人がいました。」


「ラック!それもっと他に何か言ってなかったか?」


「えーと、連絡だけじゃなくて、物資も食糧も途絶えていて、餓死にしそうだったって。」


「あー、なあ、それって他でもタダでスープ配れば、同じ状態なるんじゃないか?

ここに集まった兵士はほぼ全員銃を置いてったぞ?

て事は、他の兵士が来そうな場所に変えて、やってみたらどうだろうか。」


「あー、それいい案ですね。じゃあ、一旦戻りますか?」


「そうですね。もう荷馬車にあった食料は全て無くなったし。」


「俺は、このままサンガル王都へ行きたい。

開戦をするっていったサンガル王が、なぜ動かないのか気になる。

不思議だったんだ。すぐ攻めてくると思ってたのに、何もしてこない。

何かあったんだとするなら、俺は・・・」


俺は?なんだ?同郷だから同情してるのか?俺が?

なんか分からないが、なんだか嫌な予感がする。

胸がざわつく。


「スッキリしたいだけかもしれない。」


なぜかジャックに、髪をグシャグシャにされた。


解せぬ。


「そうですね。ですが、アツイ様。

このまま、サンガル王都へ行く事は出来ません。

荷を全て売ってしまったのと

ここからサンガル王都まで、馬で4日の道のりです。

ヨーク王国では、食料はいつでも手に入りましたが、

サンガルではそうは行きません。

荒野を4日です。それも戦時中の敵国です。

充分な準備が必要となります。」


「そうだな。ごめん、俺が焦っちまった。

急いては事を仕損じるって言うもんな。」


「なんですか?その言い回し。

ですが、とても納得できる言葉ですね。」


「そ、そうか?あはははー」


「?、では、この後の動きを共有しましょう。

みんなで一旦、ダイバオに戻り、事の次第を守備隊や騎士団に伝えます。

そして、私達と同じ様に騎士達に商人に扮装させて、

色んな場所で先程と同じ事をしてもらいます。

ロガン、ラックには一緒に守備隊や騎士団と共に行動をお願いしたい。

商人がどのように人を集めるかなど、騎士達は知りもしませんから。

指導をお願いします。」


「承った。」


「ラック、スープを渡す際、対価は銃だとはっきり言いなさい。

今の状況なら交換してくれるはずです。

これで戦わずしてここを無力化できます。」


「はい。分かりました。」


「我々は、再度ダイバオで準備を整え、サンガル王都へ向かいます。

馬車ではなく、馬で行きます。馬車は馬の倍かかりますからね。

往復8日、滞在2日と考えて

食料は携帯食糧を一人10日ほど必要でしょう。

もしかすると、サンガル全体がここのような状況かもしれませんので、

魔道具をフル活用しましょう。

皆さん、それで宜しいですね。」


「わかった!」

「了解した。」


「では、ダイバオへ戻りましょう。」



※※※※※※※※※


「うわあー、ここが国境の街? 僕、王都以外の街って初めてだよー!

ここにアツイ様がいるんだね?早く会いたいよ!」


「サムイ様、今、アツイ様がどこにいるか聞いて参りますので、

もうしばらくこの部屋でお待ちください。」


「んー、早くしてね!」


「はい。」


パタン


「ツヴァイ、これで全員ですか?」


「はい、あとはヨルン団長だけです。

まだ到着しておりません。」


ボソッ (あいつ、逃げるんじゃないだろうな)


「まあいい、それより馬は借りれたか?」


「はい。人数分借りれました。

サムイ様は馬に乗れないので、ジーク隊長乗せて行くという事でよろしかったですか?」


「ああ、それでいい。」


バタバタ

「ジーク隊長ー!アツイ様の居るところ分かりましたー!」


「どこだ!」


「サンガルの国境の街サザンですー!」


「!!、橋をもう渡ってしまわれたのか!急ぎ馬に乗れる準備をしろ!

サザンを出てしまうと、見失ってしまう。

最悪の場合、サンガル王都まで行くかも知れない!

野営の荷物も必要だ!

時間がかかるようなら、最低限の荷物を用意して

他のは後から送ってもらう様に手配しろ!

先行して、馬でアツイ様のところへ行くぞ!

団長には書き置きをしていく!急げ!」


「「 は! 」」


はあ、アツイ様に会うのはあと一年後だと思っていたのに、

こんな想定外の事が起こるとは・・・

俺の命も今日が最後かもしれないな。

神よ、どうか我らをお導き下さい。

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