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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第三章 青年時代〜サンガル
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神殿騎士団の断罪

サンガルの国境の街からダイバオに戻るため、橋をカポカポ馬車で移動していると

ダイバオの方から何か叫んでいる声が聞こえてきた。


なんだ?と馬車を止めて、橋の上に降りた。


馬に乗った騎士らしき人達の隊列がこっちへ向かっていた。

二人乗りの馬の一人が大きく手を振って大きな声を出していたが、

途中で降りて、こっちへ走ってくる。


「アツイ様ーーー!!アツイ様ーー!!僕ですーー!サムイですーー!

とーーーっても会いたかったですーー!」


タッタッタッタ、ドーーン

サムイは、まるでタックルする様にアツイに抱きついた。


「サムイ??なんでお前がここにいるんだ!神殿にいるんじゃなかったのか?」


「王様がアツイ様がここにいるって教えてくれたのー!

国境に行くのも、アツイ様に会うのも、契約違反にならないってー!

だからね!僕来たんだよー!会いたかったーー!」


抱きついた勢いで、押し倒し、

ブッチュウウウウ

とサムイはアツイにキスをした。

身体を撫で回し、匂いを嗅ぐ。

「クンクン、スーハー、あ、ああ、アツイ様の香りだあー!

ああー、アツイ様の身体!はあはあはあ、僕、もう我慢できないよー」


サムイは自分のをアツイに擦りつけるように腰を振り出した。


うちの騎士達がドン引きしているのが見える。


「お、お前、こんな感じだったか??

まあ、前からちょっと頭お花畑だったけどよ。

それにしても・・・ジャック!」


「はい!」


「サムイって前からこんな感じだったか?」


「いえ!こんな破廉恥なお方ではなかったのですが・・・」


「ってことは・・・。神殿の奴ら!いるかー?」


「はっ!ここに!」

と、ずらっと10人ほど並んで頭を下げている。


「これ、どういう事か説明できるか?」


「はっ!」

全員が土下座をした。

その1人が喋り出す。


「申し訳ありません!

サムイ様の要望をお聞きしているうちに、どんどんエスカレートしまして!

ここにいる全員、サムイ様の手がついた者です。

どんな処分も覚悟しております!

本当に申し訳ございません!」


「ん?サムイの要望でお手付き? おい、サムイ、こいつらに何かされたんじゃないのか?」


「ええー?なんの事?そんな事より、ねえー、アツイ様。僕を愛してよ。

僕ね。アツイ様にいっぱい気持ちいい事してあげられるよ?

色々教えてもらったんだー。だから今度はアツイ様に教えてあげるー」

とまた、ブチュウウとキスされる。


「うおおおい、ちょーとまて、一体何を教えて貰った?」

と神殿の奴らをジトーと見る。


「はっ!申し訳ございません。

アツイ様を想うあまり、月に一度、我らをお呼びになり、欲を発散されておりました。

その際、色々とこちらもその、我慢出来ず、申し訳ございません!」


「はあ?欲ねえ。サムイ、お前なんかそういうスキル持ってるのか?」


「うん、内緒だけどアツイなら教えてあげるよー。

僕ね、隠しスキルに、愛欲と被虐性愛があるんだー。」


まじかあ。あ、ジャックが衝撃受けてら。


「はあ、そっか。そりゃあ、大変だったな。

お前、その腰振るの止まんないの?」


「んうんー、もう無理ー、出そうー、」


「え!ちょーっと待て!こんな所で??あーーくそっ

ジャック!後ろ向いて、サムイを隠せ!」


「は!」


俺もマントを出来るだけ広げた。


「ふー、とりあえず、これで外からは見られないな。

サムイ、お前もう少し、羞恥心ってのを」


「アツイ様ーチュウしてー」


「はあああ。」


アツイは、サムイの口にこれでもかと自分の舌を突っ込んだ。


ぴゅうーー


サムイがマントにおしっこを出した。


まあ、マントは防汚機能付いてるからいいんだよ。別に。


サムイはしたからか、少し落ち着いたようで

「アツイ様、ごめんなさい。お洋服汚しちゃった。クスン」


「あーいい、いい、すぐ綺麗になるからな。

とにかく、落ち着いた所で、詳しい話を聞きたいんだが、

今あまり時間が取れなくてな。」


「サンガルと戦争しちゃうの?」


「ああ、もう水面下で始まってるんだ。お前もここに来たんなら、死ぬなよ。」


「うん。僕、傷治せるから大丈夫だよ。もし誰か怪我したら僕に言ってね。」


「聞いてはいたが、お前のスキルはホントすごいな。なんかあったら頼むわ。」


「うん!アツイ様に褒められちゃった!嬉しいー!」


「あー、うん。そだな。

あー、サムイ、ちょっと目ー瞑って、耳塞いでろ」


「えーー、もー、わかったー」

サムイは目をぎゅっと瞑って、耳も両手で塞いだ。


「ジャック、こいつ、なんでこんなに幼稚な物言いなんだ?前からか?」


「いえ、ここまででは無かったです。神殿に行くまではしっかりとした受け答えをされていました。」


「てーと、やっぱり神殿のせいか?サムイは俺より2つ上だったよな。

俺が、こないだ15になったから16か17だろ?

成人一つ前にはどう見ても見えねえ。どういう事だよ。おい!」


「は!その辺りは私共もよく分かっておりません。

確かに来た当初は、普通だったかと。

もしかすると・・・我々のせいかもしれません!

申し訳ございません!」


「はあーもう謝罪はいい。お前らのせいかもっていう事は、

こいつを犯したって事で合ってるか?」


ガチャガチャ、シャラン

ジャックが、物凄い恐い顔で剣を抜いた。


「は、はい!その通りです。

斬首覚悟でございます。」


額を地面につけて、腕で自分を抱き込み首を差し出す。


ああ、ジャックの手が震えてる。はあ。


「ここにいる奴全員、なのか?」


「あ、いえ・・」


「俺ひとりだ。」


神殿騎士団の服を着た男が、後方から馬から降りてやってきた。


「遅くなってすまん。今断罪中か?

神殿騎士団団長のヨルンだ。

この度は、サムイ様の事で全員謝罪させて頂くが、

サムイ様を犯したのは、俺一人だ。

だから、斬首刑にするなら俺一人で我慢してくれないか。」


「俺は別に断罪したい訳じゃない。

なぜ、ああなったかを知りたいだけだ。

心当たりはあるのか?」


「あーそうだな、アツイ様を想う度に愛欲が溢れて溜まり、

アツイ様と思って、俺達に縋り付いてこられた。

犯したら、アツイ様のだ、嬉しいと喜ばれた。

かなり、精神も病んできていると感じたので、

アツイ様に会いに行かれたらと勧めたのだが、

頑なに18までは行けないと。

真面目にも程があるが、その縛りのせいで

どんどん精神が退行していった様に思う。

まあ、毎日を神殿内で過ごし、沢山の人に癒しを施し、

文句も言わずに、聖人のごとく生活していれば、

おかしくなっても不思議じゃないだろう?

人間、そんなに強くはないからな。

だからと言って、俺達に非がないとは言わない。

強引にでも外へ連れ出し、アツイ様のところへ会わせにいっていれば

もう少しまともだったかも知れないからな。

だから、その責は俺が取ろう。

好きにしてくれ。」


ヨルンが、ドサっと座り込む。


「はあー。わかった。では、神殿騎士団団長ヨルン。

今からお前は俺の配下になれ。

死んだと思って、働けよ。以上だ。」


「は?」


「ジャック、お前の気持ちを無下にする訳じゃないが、この辺で手打ちにしてくれ。

すまないな。」


「いえ、アツイ様がそれでよろしいのであれば、何も言う事はありません。」


「ははは、いいも悪いも、今はそんな時間すら無いに等しい。」


サムイのところへ行き、手の上から手を重ねた。

「もう耳も目も塞がなくていい。」


「うん!あれ?アツイ様、僕と一緒の眼鏡・・・もしかしてスキル遮断してる?

そんなの要らないよう。僕が居るんだからー!」


「ああ、そうだったな。」

サムイもアツイも眼鏡を外した。


眼鏡無しで視界が良好なのが、久しぶりすぎて感動していると、


アイス達が驚いて俺を見てくる。

「アツイ様!お顔が!お顔が!」

なぜか、全員泣き出した。


「うっうっ、俺、嬉しいです。」

「俺もだー。眼鏡無しでもモヤじゃないー。ううっー」

「良かったな。アツイ様。くっ」

「ああ、アツイ様、眼鏡無しでも麗しいお顔が際立ちます。

このような形で拝顔出来るとはー!

は!泣いていては、お顔が見れません。ちゃんと見なくてはー!」


若干1名、ちょっと方向性が違う気がするが、まあみんな喜んでくれているのが

俺も嬉しい。


「ああ、サムイのおかげだ。まあ近くにいる時だけだがな。

ありがとな、サムイ。わざわざ来てくれて。」


とサムイを見ると、こっちをポーとして、見たまま固まっている。


「サムイ?大丈夫か?

は!もしかして俺のスキルでなんか体調悪いとかか?」


「チョー、イケメン、マジ、スキ」

サムイが俺に抱きつき、じいーと俺の顔を見ながら同じ言葉を連呼する。


「あーー、サムイ、動けないから、ちょっと離れようか。」


サムイがイヤイヤしながらも目線はずっとアツイの顔だ。

更に抱きつく力が強くなる。


「どんだけだよ。はああー。」


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