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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第三章 青年時代〜サンガル
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サンガル兵

おい、聞いたか?

なんでも珍しい黒髪、金目の子供が街に来ているそうだ。

ああ、聞いたぞ。そいつ、すごいスキルを持っているってさ。

最近、あの裏通りの奥の家に住み始めたんだってさ。


と、酒場で街の人達が噂しているのを聞いているサンガルの兵士達がそこにいた。


「おい、黒髪、金目って王が言ってた魔王って奴じゃないか?」


「ああ、王がドローンで見たって言う魔王の特徴にそっくりだ。」


「これは王にいい報告が出来そうだ。どうする。攫って王の前に引き摺り出すか?」


「そうだな。生死はどっちでもいいよな。」


「殺しても魔王なんだから問題ないだろう。」


「スキルがなんだろうと、俺たちのこの銃があれば、あっと言う間に仕留められる。」


「ああ、早くこの銃を撃ちたいよな。」


「魔王なんて悪い奴を、俺らで討伐できるなんて。俺ら英雄だな!」


「ああ、この街の人達にも感謝されるかもな。」


「そうだな。そのうちこの街も国も俺らサンガルの物になるんだ。

サンガルが正義ってわかるいい機会だな!」


「よし、仲間を集めて、明日の夜決行だ。」


「「 おう! サンガル王に栄光あれ! 」」


※※※※※※※


おい、ここか?

ああ、そうだ。

少し前に入ってくのを見た。


結構、人数集まったな。20人か?

5人ほど、外で待機して、誰か近付いてきたら、牽制してくれ。

2人は灯を持って、前を照らせ。


いくぞ!

おう!


バターン

ドカドカドカ、どこだ!

探せ!


ガチャガチャ、ドカッ!ガッチャーン

いないぞ!上だ!


バタバタ、ドタドタ、ガチャ、ガチャ

ガチャガチャ、バーン


ここにもいない!上だ!行け!


ぐうう、ガタガタガタ。

どうした!大丈夫か?


グウッ、く、苦しいー。ドサッ


なんだ?何が起こってる?


「待て、ここから上へは行かせない」

ズシャー

うわあああ、なんでこんなとこに、騎士がいるんだー!


キーン、カーン、バサッ

カーン、カーン、

どけー、ダーン、ダーン


コソコソ (ああ!今の音、やっぱり銃を撃ってる。みんな大丈夫か?)


コソコソ (あれが銃の音ですか。かなり大きい音ですね。

心配せずともアツイ様に教えていただいた金属板を心の臓の前に付けていますよ。

即死は免れるでしょう。)


「そりゃあー!」

ダダダダダーン、

おい!他にもまだ騎士がいるぞ!

何だよ!どうなってる。


ガキだけじゃないのかよ。

魔王なんだろ?手下なんじゃないのか?

魔王の手下が騎士なんておかしいだろー?

知らん!王がお望みなんだ!何が何でも連れていくぞ!


バタバタ、ガタガタ、

「ここからは一歩も通さんー!おりゃあー!」

うわあーー、ダーン、ダーン、ダーン


何で当たってるのに、死なないんだよ!

うわああー、グサーー


おい、みんな集まれ!

固まっていくぞ!誰でもいい、騎士の隙間を抜けろー

ドタドタドタドタ


しゅるるるるるーー

うわ!なんだよこれ!縄が巻き付いてくる。

うわあああ。


うわっなんだ?足元が沈むー!

なんだこれ。抜けれない!

グッ、ドタン。

ウウッ、ハーハーダメだー。バタン。


おい!どうなってんだ。灯を照らせー!

ダーン、ダーン、ダーン


「もうあいつだけだ!ジャック!」

速攻でジャックが銃を持つ手を手拳で落とし、サンガル兵士を制圧する。

うわああああ、グウウ


「はあー、みんなー!生きてるかー?」


「おうー!かすり傷だー!すぐ治るー」

「こっちも大丈夫だー。今薬を使うー」

「アツイ様も私も無事ですよ。」


ジャックは押さえ込んだ1人を首に手刀を入れて気絶させる。


窓から、入り口前で待機しているサンガル兵を確認すると、

守備隊の人達が既に制圧していた。


「あいつら、遠くで待機してろって言ったのに。

まあ、気持ちは分かるが。」


家の中にいるサンガル兵士を確認する。


「こいつらが持っている銃を、全部押収するんだ。

グルグルで縛られていない奴らを、全員縛るぞ。」


「わかった」


「な・・なんで・・・おれらが・・ゴホッゴホッ・・正義は我らにあるはず・・・」


「そんな訳ないだろ。お前らは略奪者だよ。悪人はお前らだ!」


「そ、そんな、オレたちは、王の言う事が正しいと聞いて育ったんだ。

おまえらの方が、悪いに決まってる。」


「ほほー、お前らは人を襲うやつが正しいと教わったのか?」


「それは・・・悪い奴を殺すのは良いことだ」


「誰が悪い奴と決めるんだ?

殺す方は悪く無いなんて道理が通らん!

例外は、殺そうとしてきた奴を防衛で殺す事だ。

この場合、お前らの言葉で言えば

正義は我にあり だな。」


「くそー、我が王は正義なんだ!お前らが悪なんだ!」


「まだ言うか。こりゃあ一筋縄ではいかんかもなあ。」


「守備隊を中に入れて、捕縛させます。」


「アツイ様、一緒に来て下さい。」


「ん」


家の外に出ると、守備隊が持って来た灯で昼間のように明るい。

守備隊の他に、この騒ぎで街の人が集まってきていた。


アイスは俺の身なりをパパッと整える。

「アツイ様、私の後ろについてきて下さい。」


アイスは守備隊の隊長服を着た人の前にいき、大きな声で言う。


「私は、レイグリット公爵家の近衛騎士アイスという者だ!

こちらは、ヨーク王国のアツイ・ド・レイグリット公爵であらせられる。

サンガル王国に不穏な動きがあると聞いて、秘密の内情調査中だったが、

このサンガル兵達が、レイグリット公爵を暗殺しようとした!

これは、れっきとした犯罪行為だ!

王都で軍事裁判にかける必要がある!

捕虜として連れて行って欲しい!」


「なんと!この方がレイグリット公爵でしたか!

お初にお目にかかります。

ダイバオの守備隊長のレグルスと申します。

このダイバオで公爵様が襲われるなどあってはならぬ事!

重大な犯罪行為です。然るべき対処をさせていただきます!


ザイル!急ぎ、ヨーク王都に連絡し、守備隊に通達しろ!

このダイバオにいるサンガル兵は、

戦争犯罪に加担したものとして、全員捕縛の上、牢屋に叩きこめ!」


「また、捕縛の際、武器を全て押収して欲しい。

このようなものを持っている。充分注意願いたい。

引き金を引くと、弾が出て身体を貫通していく。

金属の盾を持っていくと良いかもしれない。

うちの騎士が複数撃ち抜かれた。

薬で治したが、なければ死んでいた!

そのような悪辣な者を許してはいけない!」


「は!充分に注意し、捕縛に当たります!

レイグリット公爵様には、この街でご不快な思いをさせてしまい

申し訳ありません!平にご容赦を!」


守備隊長のレグルスが膝を折って頭を下げる。


「アツイ様、誰も死なずにやり過ごせましたのは、

他でもない、アツイ様のおかげでございます。

臣下一同、御礼申し上げまする!」


アイスも隊長と同じく膝を折って俺に頭を下げる。


「アイス、礼には及ばない。皆が身を挺して奮戦してくれたおかげだ。感謝する。

また、ダイバオの守備隊長レグルスとやら、謝罪は不要だ。

悪いのは、サンガルであって、このダイバオではない。

よくこの街を守っていると聞いているぞ。

ここは我が領土内、我が民がいる街である。どうかこれからも皆を守ってやってくれ。」


「ははあ!有り難きお言葉!このレグルス、身命を賭してこの街をお守りしましょうぞ。」


「アツイ様のなんとお心の広いことか!

このような目にあっても、ダイバオの民を思い遣るとは!

このような素晴らしいお方にお仕えする事ができ、末代までの誉れでございます!」


「2人共、頭を上げよ。皆が幸せであれば、それで良い。」


「アツイ様に祝福あれーー!!」


「公爵様に千代の栄えあれーー!!」


「「「 うおおおおおお! アツイ様ー!!公爵様ー!! 」」


ライトアップされて、輝いて見える俺。

ああ、小っ恥ずかしいー、どんな小芝居だよ。

これ、一応リハしたからな。

セリフ噛まずに言えて良かったけど!

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