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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第三章 青年時代〜サンガル
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情報共有は大事

ジャックが部屋割りを考えてくれた。


4階は、俺、ジャック、スレイ、ラックの4人

3階は、アイス、タール、ロガンの3人


と言っても、一人一部屋じゃない。

俺とジャック、スレイとラック、アイスとタール、ロガンだけ一人だが、

商人として宿屋に泊まるのは、普通の事なので一人の方が怪しまれないそうだ。


3階で、休憩してたら、アイスとロガンが帰ってきた。


「4階で話ししましょう。ここだと2階に話しが漏れる場合もある。」

とロガンが言うので、みんなで4階へ移動した。


ひと部屋に7人も入ると窮屈に感じるが、仕方ない。


「で、どうだった?」


「ええ、荷馬車を用意してもらった所で、話を聞いて来ました。

荷は問題なく積んであって、いつでも出発できます。

ただ、サンガルへ向かう荷馬車が激減しているそうです。

商人は鼻が効きますからね。

何かヤバそうな気配を感じとってるんでしょう。

この宿もいつもなら満室でなかなか泊まれないんですよ。

なのに、2階分全室借りるとは、なんと贅沢な。コホン

太っ腹ですな。あ?一緒の意味か?

まあ、そんな感じです。

いよいよいつ戦争が起こってもおかしくないです。

この情報だけでも早く公爵家に持って帰った方がいい。」


「俺も、衛兵、守備隊、町の商店や酒場と

人の集まる所へ行って、話を聞いてきました。

サンガルの兵士らしき者達が、何人もこのダイバオに来ています。

武装しているため、警戒はしているのですが

今の所、何も問題を起こしていないため、手出しできないそうです。

酒場に数人、サンガルの兵士がいました。

近くで聞き耳を立て、話しを聞いてましたが、意味がわからない単語が多くて。

ドローがおちた、ジュウをもったか、タマはなんぱつある とかでしたか。

最後は、サンガル王に栄光あれ でした。」


ドローンだけじゃなくて、銃も作ったのか?

なんで俺もっと考えなかった?

あんな橋を建てれるんだ。

ドローンだって飛ばせるんだ。

なら、武器だって作り放題じゃないか。

この20年間、武器を作ってて、

人間だけはすぐ集めれないから、育つまで待ったんだ。

ちょっと待てよ!20年ならもう戦える準備は万端だろう。

今日開戦しても不思議じゃない。

今からサンガルの王都へ行って間にあうか?

マズイな。どうしたものか。


「アツイ様?大丈夫ですか?聞こえてます?」


これは共有しておいた方が良さそうだ。


「みんな、なぜそんな事知ってるのかとか聞くなよ?

まず、川の上で飛んでた奴、あれは偵察用の魔道具だ。

落ちたとこみると、まだ試作段階かも知れない。

名前はドローンだ。」


「ああ、だからドローが落ちたと。なるほど。」


「あれは、見た情景をそのままサンガル王、または、サンガル兵が見る事ができる。

もしかすると、既に俺達の事を把握している可能性が高い。」


「それはマズイですね。ですが、あの時、アツイ様は変身する前でした。

今の容姿なら、バレないように思います。」


「ああ、俺も大丈夫な気がしてる。

だが、問題はそこじゃない。

銃って言う名前の武器がある。

銃ってのは引き金を引いただけで、遠くの人間を撃ち殺す事が出来る。

飛距離は恐らく矢の10倍は飛ぶし、刺さるのは矢尻じゃなくて銃弾で金属の塊だ。

その銃弾のことをタマって呼ぶ。

何発あるかっていうのは、銃に装填するタマの数だ。

いろんなタイプがあるが、何発も撃てると考えていい。

その銃弾を何十発も撃てる武器もあるかも知れない。

だから、目の前で撃たれたら、身体中、蜂の巣みたいに穴だらけになるかも

しれない武器をサンガルは持ってると考えていい。」


ああ、みんなびっくりしてる。

そりゃそうだよな。訳わかんないわ。


「その銃ってのは、俺たちも使えますか?」


「ああ多分。操作は簡単だ。銃を相手に向けて、こう引き金を引くだけで弾が出る。」


「それはまた・・・そんな武器をサンガルは持ってるんですね?

どうやって対処すれば・・・」


「大きな銃じゃなければ、金属の盾か、分厚い布とかで防げると思うが、

威力がはっきりとわからないからなあ。

こっちにもいい魔道具があればいいが・・・なにか思い浮かぶものはないか?」


「うーん。ヨーク王国独自で開発したもので使えそうな物と言えば、

グルグル、ドクドク、ヌマヌマ、ブクブク、とまあ色々ありますが、

外傷を一瞬で治す薬がありますので、例えその銃とかで身体に穴が空いても

生きてさえいれば治りますので、そう心配することはありません。」


なんか、すごい事言ってるわ。

なんだよ、そのグルグルとかって。

気にはなるけど、対抗する物があるってことは朗報だ。


「それってすぐ用意できるのか?」


「薬は持ってきてますよ。

ラックが纏めて持ってるのと我々各自で2本ずつ装備しています。

グルグルとかの魔道具は流石に持ってませんが、

ここの守備隊には配備してありますよ。

なにせ最前線なんですから。」


まじかー。それなら一方的にやられることはないな。


「そっかあ。とりあえず、何とかなるってわかってよかった。

だけど、守備隊には、この情報は共有した方がいい。

あと、王都とレイグリットにも同じ情報を共有したい。

守備隊本部に連絡用の魔道具あるんじゃないか?

誰か行ってきてくれないか?」


「俺が行ってきますよ。知り合いが守備隊にいます。

情報共有は大事ですからね。ひとっ走り行ってきます!」

スレイがそう言って出ていった。


「はあー、しかしサンガルも何を考えてるんだか。

そんなにこの国が欲しいんですかね。

そんなことより、交易で儲けて自国を発展させればいいものを。」


「本当にな。よし!ひとまず夕飯にしよーぜ。

スレイには悪いけど、俺、腹減ったーー。」


「あはは、アツイ様、緊張感なさすぎですー」

「ププッ、本当にな。」

「はー、力抜けるわ。真剣に考えてるの俺だけか?」

「いやあ、さすがアツイ様。懐が深いですねえ。感服します。」


「それは、嫌味かあー?」


「あっはははは」

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