ダイバオの宿屋
後半変えました。
やっと、街に着いた。
街の衛兵と国境守備隊は別の管轄だが、どちらにもジャックは話を通してた。
衛兵と守備隊が十数人、賊を捕まえに向かった。
ここには他の街に比べて、多くの兵士を配置させている。
街に入って感じたのは、街の人達がどこかよそよそしい。
兵士が多いせいで、物々しい雰囲気がそうさせているのか。
もし、戦争になったら、ここが前線となる。
それもあってか、皆心配そうな顔して歩いている。
馬でカポカポ宿屋を探して行くと、ジャックが手渡した布が
宿屋の看板に括られた家があった。
「ここだな。さあ、アツイ様、一旦休憩いたしましょう。」
ジャックが馬から降りて、俺を降ろす。
スレイ、タールも馬を降りて、裏へ馬達を連れていった。
ジャックは、看板に括り付けてあった布を外す。
カランカラン
ドアを開けると、鈴が鳴るようになっていた。
「はーい。泊まりかい?」
「ああ、既に連れの者が来ていると思うが」
と布を見せると
「ああ、来てるよ。うちは2階から上が部屋でね。4階まである。
階毎に4部屋ずつあって、あんたら全員で7人だろ?
先に来てた人が4階と3階3室で7部屋押さえてったけど・・
その子供も入れて7人かい?
流石に子供一人を一部屋で独りにさせる訳には行かないねえ。
親もいるんだろ?一緒の部屋にしてやんな。
ベッドは一部屋に2つあるからね。
普段なら、二人一部屋にしてもらってるんだが、
此処んところ人通りが少なくてね。
泊まる客が減ってるんだ。
人数じゃなくて、部屋代でもらってるんで、
部屋を使ってもらう方がこっちは助かるよ。
夕飯は、1階の食堂で出すから、食べに降りてきな。
風呂はそこの奥にある。共同風呂だからね。
川から水を引いて、沸かしながら浴槽に入れてるんだ。
夕方から夜遅くまで流しっぱなしにしてるよ。
うちは外に風呂があるんで人気なんだけどねえ。
ここんとこはさっぱりさ。
まあ、入って良かったら、どっかで宣伝しといておくれ。」
「ああ、わかった。悪いが3階を全室借りるよ。
誰か3階を借りてるなら交渉するが。」
「え!減らすんじゃなくて、増やすのかい?
3階は誰も借りてないから、こっちは助かるけど、いいのかい?」
「ああイビキが煩い奴ばかりでな。迷惑かけれん。」
「そんなのお互い様だろうに。でもありがたいよ。
2階には3部屋客がいるからね。
喧嘩は無しだよ。」
「ああ、気をつけるよ。
馬は連れの2人が裏手に連れて行ったんでよろしく頼む。」
「それなら大丈夫さ。今さっき厩番が見に行ったよ。」
「そうか。では部屋へあがるよ。」
「ああ、3階のもう一室の鍵だ。持って行きな。他の鍵はもう渡してある。」
「わかった。」
右手にある階段を3階まで登ると、ラックが部屋から顔を出した。
「アツイ様、ジャックさん、そこの階段横以外が借りた部屋です。」
「ああ、お前にしちゃあよく出来た方だが、あともう一歩だな。
今3階全室借りて来た」
と言って、鍵をラックに放り投げる。
「え!全室ですか?人数より多いじゃないですか。どうやって。」
「まあそこは勉強しろ。で、他の奴らは?」
「はい。宿を確認した後、ロガンさんは荷馬車の確認をしに、
アイスさんは情報収集しに行きました。」
「そうか。
ラック、4階の全部屋の鍵を貸せ。確認してくる。
スレイとタールが上がってくるだろうから、
一旦、階段側の部屋で待機させておいてくれ。
アツイ様とラックは、どの部屋にいても構わんが、窓辺には寄るな。
外に出てった2人が、戻ったら、みんなで話を聞こう。」
と言ってジャックは4階へ上がっていった。
「アツイ様。お疲れでしょう。お茶でも入れましょう。」
ラックが、部屋のドアを開けて、俺に入るように促す。
「ああ、確かにちょっと疲れたわ。」
ベッドに腰掛け、先ほどの賊への攻撃を考えていると、
ラックが、魔道具で出したお茶を差し出してきた。
「はい、アツイ様。冷たいお茶です。」
「ありがと。」
ゴクゴクゴク、ぷはあー
「思ってた以上に、喉が渇いてたわー。サンキュー!」
「何かあったんですか?」
「おー、そうなんだよ。賊が襲ってきてさー。」
「ええー!賊ー?大丈夫だったんですか?」
「ふっふーん。楽勝!
俺のスキルで、チョチョイっとね。
あと、騎士ってやっぱかっけーよな。
俺も一応、騎士団で剣習ってるんだけど、やっぱタッパがないから、力が乗らないんだよなー。
スレイもタールも一刀両断だったぜー!」
「ええー!見たかったですー!」
「アツイ様も訓練では、いい線いってますよ?」
「嬉しいですねえ。アツイ様に褒めていただき、光栄の至りです。」
スレイとタールが部屋に入ってきた。
「スレイ!タール! お疲れ!」
「今、お二人の分もお茶入れますね。」
「ありがとうございます。」
「おー冷たい!ありがてー」
「なあ、賊ってあんな街の近くに出るもんなのか?」
「あまり聞きませんねえ。」
「この宿屋の閑古鳥具合をみる限り、街道を通る荷馬車が少ないんで
賊も足を伸ばしたんでしょうね。」
「やっぱそうだよな。いよいよ戦争間近ってことか?」
「そうですねえ。これだけだとなんとも。」
「うーん。アイス達が帰ってくるまで保留だな。
あ、なあここの風呂、有名なんだってさ!
ちょっと入ってきて、感想教えてくれよ。
俺も夜中なら入れるかもー」
コンコン
「はああー、アツイ様は、なんでそんなに観光気分なんですかね。
俺のこのピリピリ感、伝わってます?」
「あー、あははははー」




