神殿 2
朝、出る時に、両親から学校の終了時間に合わせて行くから
と寂しそうな笑顔で言われた。
ジャックと学校まで歩く。
もう子供みたいに手を繋いだりはしない。
でも。
「サムイ様、手を繋いでもいいですか?」
「うん!僕も言おうとしてたんだ。
多分、もう2人で歩く事はないかもしれないから。」
2人、どちらからでもなく自然に手を繋いで歩く。
「懐かしいね。いつもこうやって手を繋いで学校まで行ってた。」
「ええ、サムイ様の手は今よりもっと小さかった。
いつのまにか、こんなに大きくなって・・・
俺もその分、歳をとりましたね。涙脆くなりました。」
「ジャック、」
サムイが立ち止まり、ジャックと向かい合う。
「ジャック、ハグしよう!」
徐にサムイはジャックをぎゅっと抱きしめて背中をトントンした。
「覚えてる?最初会った時、僕人見知りしてしばらく顔見せれなかった」
「ええ、ええ、覚えてます。あの時は落ち込みましたね。」
「その後、顔見せたらジャックがこうやってハグしてきたんだ。」
「ああ、はい。感動してつい抱きしめてしまいました。」
「あの時、こうやって背中をトントンしたかったけど、腕にしか届かなくて。
今はもう出来るよ。だからぎゅってさせてね。」
「うっうっ、はい、俺もぎゅーってします。」
ジャックはサムイを上から覆い被さるように抱きしめた。
「愛しています。サムイ様」
「僕も愛しているよ。ジャック。」
いいながら、背中をトントン叩く。
「はあ、すみません、大の大人が泣いてしまって。
もう大丈夫です。さあ、学校へいきましょう。」
「うん、行こう。」
また手を繋いで歩きだした。
学校へ着き、ジャックと別れたあと、教務員室へ向かう。
「おはようございます、イーグ先生見えますかー?」
「おーサムイ、おはようーどーした?」
イーグ先生に昨日の事を話しした。
「そうか。まあ、いつかそうなるかもとは思ってたしな。
わかった。皆には・・・今日話すか?」
「いいえ、出来れば明日、僕が来ないとわかってからでお願いします。
もしかしたら、神殿側が連れて行かないかもしれませんし。」
「あーまーその可能性は低いがな。わかった。明日話そう。」
「カイとルルには話していきます。
いつも帰り一緒に行動してるので。」
「わかった。寂しくなるな。元気で過ごせよ。
なんかあったらいつでも頼れ。
俺はここにいるからな。」
「はい、先生。先生、ぎゅーってしていい?」
「は? あ、ああいいぞ。」
先生と向かいあって、ぎゅーとハグした。
「先生、今まで色々教えてくれてありがとう!」
「ああ、もうこうやって抱きしめられないのが残念だ。」
そっと、先生が僕の頬にキスしてくれた。
僕もお返しに先生のほっぺにチュってした。
「じゃあ、先生、今日1日よろしくお願いします。」
お辞儀をして教務員室を出た。
教室に向かい、カイとルルを見つけた。
「カイ!ルル!」
「はよーサムイ!」「サムイ君、おはよう」
2人を左右でハグをする。
「どうした、サムイ!」「なになに?」
「昨日、神殿の人が家にきた。」
「え!」「やだ!」
「今日、帰りに両親と神殿に行く事になった。
どうなるかわかんないけど、覚悟はしてる。
2人には悪いけど、放課後の訪問、僕がいなくても続けて欲しいんだ。
無理なお願いを言ってるのはわかってる。
でもこのまま放っとけない。」
「わかった。いいよ。やる。お前の分まで頑張ってみるよ。」
「私もするわ。大丈夫。任せて。私達はあなたの一番の友達だもの。でしょ?」
「ああ、ああ、ありがとう。カイ!ルル!愛してるよ」
「な、に、言ってんだ!恥ずいからそういうのやめろ!」
「きゃああ、サムイに愛してるって言われたわ!やだ。どーしよ。」
わあわあ言ってると始業の合図が鳴る。
「最後の授業だ。心残り無いようにしっかり勉強しよーぜ。」
3人で頷き席に着く。
この教室も最後。寂しいが、どこかソワソワしている自分がいた。
全ての授業が終わり、カイとルルに別れを告げて、
学校を出る所で両親とジャックが待っていた。
4人で神殿まで歩いていく。
ほんとは遠いから乗り合い馬車とかで行くんだけど、
最後かも知れないから、いっぱい話をしながら時間をかけて歩いた。




