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A 初めての外 1

パッカパッカパッカパッカ


うおおおおお、高いぃー、速いぃー、揺れるぅぅー、

やっば、楽しいーー♪

うっひゃあああ♪


「アツイ様、馬に乗るのは初めてでしょう。大丈夫ですか?」


コクッコクッ

(サイッコー)


「それは良かった。今貴族街を走っておりますが、どこか行きたい所はございますか?」


うーん、とりあえず外に出る!って出てきたんで、どこって言われてもなー

何があるかも知らんしー

子供が飲み屋に行ける訳ないしなあ

歓楽街も・・・無理だわなー

うーんー


「決まっておいでにならなのなら、賑やかな街並みでも散策いたしましょうか。」


うんーもうそれでいいや

コクッコクッ


「承りました。」


貴族街を出て、少し走った所に馬をつないで置いておく場所まできた。


「ここから歩いてまいりましょう。」


コクッ


「歩きながら話をさせていただいてよろしいですか?」


コクッ


「ところでアツイ様は、あまりお喋りにならないご様子。

私に何かご不満やご不快になるような事などありましたら、どうぞ遠慮なく叱責ください。」


あ!いつもの調子で頷いてた!

「グレイに不満なんかないよ。今まであまり喋ってこなかったから、つい。

モヤってると声がくぐもって聴き取りづらいんで話が通じない時があるんだよ。

でも、マントのお陰か、今は自分の声もハッキリと聞こえるよ。」


「なんと!そうでしたか。私なんぞで良ければ話し相手になりましょう。

使用人めらは何かとアツイ様のスキルが怖いとボヤいておりますが、

これまで何度も戦場に出ておりますゆえ、ここまで生きてくるにはそれなりの経験をしております。

モヤが全身を覆っておってもあなた様に何の責もあろうはずもございません。」


「ありがとう、グレイ。」


「いえいえ、しかし、常日頃は、ルーバ様が専属護衛としてお傍におられると存じますが、本日はまたどのようなことでおひとりで?」


え!ルーバって専属護衛だったの?家庭教師なだけかと思ってたわー

あーま、そりゃそうか、鍛錬以外にもいろんな武器や毒や道具の使い方を教えてくれてるんだもんな。

自分が使えなきゃ教えることも出来ないよな。

それなりの実力があるってことか。


「今までずっと勉強と鍛錬を欠かさずしてたんで、今日はお休みになったんだよ。

ルーバはなんか用事あったみたいで出掛けたんだ。」


「さようでございましたか。私ども近衛は公爵家に仕えているとはいえ、王の決めた事には逆らえません。

家庭教師兼専属護衛騎士としてルーバ様をアツイ様に仕えるようにと直々のご命令でしたので

近衛としては、歯痒い思いをしていたのでございます。

王やルーバ様のご意向で、近衛をはじめ、執事やメイド等主だった公爵家で働く者達はアツイ様のお傍から離されました。今は別の館で公務を行っております。

最低限の使用人と下女・・・本来なら専属メイド等がお傍に控えるのですが、それも叶わず。

ただ、下女と言ってはおりますが、あれは王から指名されて公爵家に来ております。

ここだけの話ですが、恐らくアツイ様のスキルにある程度抵抗できるスキル持ちなのでしょう。」


おおーここへ来て知らない情報満載だー!

「そうだったのか。全然知らなかったよ。

でもそうだよな。父親は行方不明に、母親は死んでるんだもんな。

何が起こるかわかんないのは怖いよな。

王もルーバも賢明な判断だと思うよ。」


「アツイ様!まだ子供なのにそのような事を納得されなくてもよろしいのです!

怒って喚いて、なんなら私を殴っていただいてもよろしいのですよ。」


「あはは!グレイ、気遣ってくれてありがとう!俺は大丈夫だよ。

それよりも俺の傍にいるグレイに何か悪い事が起こるかも。その方が嫌だよ。

マントを着ているとはいえ、何かマズイと思ったらすぐ離れてね。」


「アツイ様・・・」

「くっ、目に埃が。うっうっ」ゴシゴシ


あーグレイ泣いちゃったよ。ほんと大丈夫なんだけど、見た目子供じゃな。

なんかごめん!


ゴシゴシ

「そういえばアツイ様、夜間は体調など大丈夫でいらっしゃいますか?」


「ん?なんで?」


「いえ、ルーバ様が夜になるとアツイ様のスキルが一段と強くなられるので屋敷には朝まで立ち入るな

と厳命されておりましてな。アツイ様のお身体を心配しておりました。」


あー?あー!なるほど。ルーバそんなにマッサージの事知られたくないんだ。

まー王の信頼も厚そうだし、知られるとやっぱ不味いのか。

信用ガタ落ちだもんな。確かにあれはマズイ!


「んー、そうだね。身体は大丈夫だけど、なんかスキルがより強くなってモヤがぶわーってね。

なったりなんかして」


「おお、やはりそうでしたか。おつらいでしょうに。お支えできず面目無い次第です。」


「ああーいやいや、ルーバがね、居てくれるんで助かってるんだよ。」

まあ嘘ではない。 


「左様でございますか。それならばまあ。」

「ところで、ルーバ様はどの様な鍛錬を?少々興味があります。」


「んー?そうだなあ、鍛錬は走り込みから始まり、腕立て、腹筋、スクワット、ストレッチしてから

剣を持っての素振り、弓、鞭、投擲等の遠隔武器の練習、近接用に格闘系とナイフの練習、あとは拷問器具の使う練習かな。まあ、その時々でルーバが変更したりするけど、大体はこんな感じだよ。」


「それは・・・また内容が濃いですなあ。

今度、ルーバ様に近衛兵の訓練内容もお願いしてみようかと。」


「あはは、いいんじゃない?」


めっちゃ濃い話をしながら歩いてるけど、この辺何のお店があるんだろう。


「ところでグレイ、この辺に面白そうなお店ってない?」


「面白い店ですか?そうですねえ。魔道具屋が近くにありますな。」


「魔道具屋?面白そうー行く行くー」


「わかりました。そういえばそのマントも魔道具になるかと。」


「え!そうなんだ!」


グレイと2人で魔道具屋まで歩く。


「他にどんな魔道具があるの?」


「そうですねー、私が知っているのは、薪に火を着ける物や炊事洗濯をしてくれる物や大体生活に根付いた物が多いです。戦時中、お世話になりました。

魔道具と言うのは、魔道具屋に欲しい物を依頼して作ってもらうんですよ。

物によってはすぐ出来る物もありますし、よく依頼される物は既に作ったものが店にならべてあります。

また、反対に滅多に依頼されない物は、何年も時間がかかる事があります。

ですが、大抵は依頼を承諾したものは必ず作ってくれます。

まあ、その内容によって金銭の額がかなり違いますが。

火起こしなどの皆が便利に使えるものは安価で引き受けて貰えますが、

アツイ様の今着ておられるマントなどスキルに関係してくるようなものは安くても家が数軒立ちますよ。

特殊なものほど上限知らずです。」


ま、ま・じ・で。

俺、ルーバが気軽にくれたんで、そんな高い物って知らんかったー!

言えよ!ルーバ!

そんなに高いなら貰ったすぐに一度くらいは袖を通したのにー!

ま、それでも家の中でマントは無いな。

はっ、作ってもらうのにそれなりに時間かかってるってことだよな。

マントくれたの1年くらい前だから、ルーバが来てすぐ頼んだとしたら長くても1年くらいなのかな。


と考えてたらグレイが止まった。


「ここです。アツイ様。」


ここが魔道具屋かー


「入ろう」


「はい。」

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