アツイ サムイと契約する
「あ、その前に、おしっこを解消しとこう、サムイ、使い方しってる?」
「いえ、へ、平民は、ほとんど魔道具を使いません。」
「あー、そうか。じゃあ外でおしっこしたくなったら、どうすんだ?」
「あ、あまり大きな声では言えませんが、家の影とか、人がいない所へ行ってします。」
あー、そだよな。異世界だからなんか特殊なとこでーとか思ったけど、そこは異世界でも一緒かー。
「わかった。グレイ!」
「はっ!」
「これってアソコに突っ込めばいいだけだよな。」
「はい。その通りです。」
「わかった。」
早く解消出来る方がいいし、使ってみたいしな。丁度、マントで外から見られないし。
マントの中に魔道具を入れて、突っ込む。
「ん!」
シュウううう、シュウううう
ヤバい。気持ちいいー!
「はう!」
サムイがジッとこっちを見て真っ赤にしてるわ。
マジで可愛いなあ。
「よし!スッキリしたわ!あとはどうすんだ?」
「この魔道具は、一度使えば個人を認識します。
手を離せば、消えてしまいますが、尿意を催すと目の前に現れる優れものですよ。」
はあー、異世界すごい!
「じゃあ、昼飯に行こうか!」
「あ、あの僕、お弁当持ってて・・・」
ほんと、愛されてんんなー。
「わかった。グレイ、外で食べれるようなとこあるか?」
「あ、はい。少し行くと屋台が出ておりますので、そこで昼食を買って、
近くのベンチか、見晴らしのいい所で食べるのがいいかと。」
「ん。じゃあ、サムイ。一緒に行こう。」
「あ、はい。」
3人で屋台のある所まで歩いて行く。
グレイは護衛しやすい様に、1歩下がってついてくる。
並んで歩いて行くが
んん?あきらかにサムイの方が背が高い。
「サムイ、お前今いくつ?」
「え、えと、9歳です。」
「!!・・・あ、そお」
2歳上かよ。どおりで。チッ、なんか負けた気分。
「あ、あのアツイ様のお歳は?」
「知んなくていい。」
「え?あ、は、はい」シュン
俺が背抜くまで絶対教えねー!
「クスクス」
グレイに笑われた。
「グーレーイ?」
「は!アツイ様のお歳はこのグレイ、一言足りとも漏らしませぬ!」
はああ。
なんだかんだで歩いていくと、
ん!いい匂いがしてきた。
グー
腹が鳴る。
「グレイ、何でもいいから買ってきてー、お前の分忘れるなよー」
「は!ではこのベンチに座って待っていていただけますか?
もし、何か問題が起こりましたら、このベルを鳴らして下さい。」
ベルを渡された。
どうせコレも魔道具なんだろ?
わかってるよー。
「よいしょ!」
ちょっと、ベンチの座る所が高いんで、飛び乗る感じで座った。
「サムイ、横に座んな」
「は、はい!」
さあ、グレイのいない内に混み入った話をするか。
「なあ、サムイ、お前、自分のスキル好きか?」
「え!そんなの考えた事無かった。う〜ん、好きでも嫌いでもないかなあ。
ちょっと困った事になっちゃうから、遮断してるんだけどー、
別にみんなが僕にして欲しい事があるなら、いくらでもしてあげたい。
あ、何でもしてあげるっていうのはジャックが言っちゃ駄目だって言ってたから
それは言っちゃ駄目なんだー。」
こいつ、頭、花畑かなんかか?
やっばい、頭痛くなってきたわ。
いや、物は考えよう。
よし一丁、お涙頂戴でいくか!
「そうかぁ。それは大変だな。
俺もスキル持ちでさ、このマントが無きゃ、外にも出れない。
今日、初めて外に出たんだ。
身体中モヤが出てて、自分の顔も見た事ないんだ。グスン。
でも、サムイの眼鏡無しの状態なら俺のモヤは出なくなったみたいだった。
なあ、サムイ、いつか俺らが大きくなった時、俺の所にきてくれないか?」
「ええ!そんな大変なスキルなんて!
外にも出れないなんて!ああ、そんな事!
なんて・・・なんて可哀想なんですかあああ。
うう、うう、うわ〜ん。うわ〜ん。グスグス。グスン。
うん!わかったよ!大きくなったら、アツイ様の元に行くから!
両親も、ジャックもきっと良いって言ってくれるよ。」
「あー、両親とそのジャックって護衛もだけど、誰にも内緒にしといてくれ。
なんで行くのか言ったら、俺のスキルの事も言わないとだろ?
俺のスキルは誰にも内緒なんだ。
知られたら牢屋に入れられると思う。」
「え!そうなの?わかった!誰にも言わないからね!
お父さんお母さんが牢屋に入るのは嫌だよ。」
「でも、本当に来てくれるのか?すぐ忘れるんじゃない?」
「僕、ずっと覚えてるからね!大丈夫だよ!
そうだ!何か約束を保証するものがあればいいよね。
えーと、えーと。」
屋台で何ヶ所か回ったのか、腕に袋をいっぱい抱えたグレイがこっちにやってきた。
「じゃあ、その保証ってのが何があるか、グレイに聞いてみようか。」
「あ!うん!」
「アツイ様!お待たせしました!この中からお好きな物をお選び下さいー。」
「グレイ、ありがとう。サムイ、お腹も空いてるから、ここで食べながら話そう。」
「うん!僕もお弁当をひろげるよー。僕のも食べていいからね!
お母さんのお弁当、とっても美味しいんだよ?」
「そうか。・・・お前、幸せなんだなあ。」
「あ!ごめんなさい。僕、アツイ様を寂しくさせちゃった?」
ショボン
「あー気にすんな。あ、それ美味しそうだな。もーらいっ」
パクっ
「うん!これもこれも美味しいよ!」
「ん!グレイが買ってきた、この肉も美味いな!
サムイ、お前も食べろ。」
串の肉をサムイの口に突っ込んだ。
「ううっ、モグモグ、んーー、美味しい〜」
「なっ。あ、これも美味い!グレイ、お前も食べろよ!」
「は!いただきます!
・・・アツイ様、私は嬉しいです。
こんな風に一緒に食事が出来る日がくるなんて。
本当に。うっ、本当に。うぅっ」
「グレイ、泣きながら食べるなよ。味わかんないだろー?
あー、それよりさー、約束を違わない様にする保証みたいなのってなんかある?」
「ズズズっ。はい。ございます。
契約の書、という物がございまして、
約束を書面に書いて、お互いが合意の元、
一滴づつ血を垂らして、光ればそれで契約が結ばれます。
約束を違えれば、それ相応の罰が下ります。」
「その、契約の書ってどこで手に入る?」
「大体は商人が使うものなので、大きな商店には置いてありますな。
また、貴族や、騎士、衛兵なども念の為、持ち歩く場合がございます。
ちなみに私も持っておりますよ。」
まじか!ラッキーー!
「じゃあ、グレイ、それ出して!今から使うから。」
「え?今からですか?誰と契約なさるのですか?」
懐から紙とペンを出して、アツイに渡す。
「サムイと。えっと、書面に書いて、血を一滴づつだったよな。
グレイ、誰もこっちに来ない様に見張っててくれ。」
「は!かしこまりました。
ちなみに契約を書く時は、どこの誰かを詳しく書く必要がありますので、
平民のサムイさんは親の名前を書いた方がよろしいでしょう。」
「わかったー。さあ、サムイ。契約だ。いいな?」
「うん!もちろんだよ。」
「平民の父ダン、母カトリーナの子 サムイは、18歳になったら、」
「公爵家のアツイ・ド・レイグリットの元に来て、一生を共にする。」
「ここに二人は契約を結ぶ。この契約は誰にも解く事は出来ない。」
「サムイ!いいか?」
日頃鍛錬で使用しているナイフを出して指をスッと切り血を垂らした。
「うん!いいよ!」
目を瞑って、手をアツイに差し出す。
アツイが同じナイフでサムイの指をスッと切り血を垂らした。
その瞬間、ピカっと紙が光って宙に浮きパアーッと霧散した。
「グレイ!紙が消えたぞ?」
「はい。契約完了です。
お互い、この契約を忘れる事も違えることもありません。」
「「はあああー」」
力抜けたー
なんか勢いで一生って書いちゃったけど、まっいっか。
サムイもいいって言ったしな。
「じゃあ、サムイ!約束だからな!
必ず18歳になったらうちへ来い!」
「わかった!アツイ様もちゃんと覚えておいてね。」
「おう、わかった。」




