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聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第四章 二人の世界
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幹部会議 1

長くなったので2話に分けました。

グレーイ!ちょっと相談したいんだけどー!今いいかー?


訓練所の奥にいたグレイを見つけて大声で呼びかける。


「アツイ様!今そちらに参りますー!」

グレイが、駆け足でやってくる。


「どうされましたか?何か問題でも。」


「ああ、いや、今後の相談なんだが、バルも一緒に聞いて欲しいんだ。」


「わかりました。では、バルを連れて執務室へ参ります。そこでお待ち下さい。」


「わかった。じゃあ、待ってるからー」

サムイを連れて城へ向かう。


「アツイ、グレイさんとバルさんだけでいいの?」


「ああ、ひとまず、2人に話を通してから、他の奴らに話をする。

魔道具が出来るまで一ヶ月かかるから、それまでは準備期間だ。

何をどんな風に準備して行くか、

どこに連絡が必要か、

いつ頃までに帰ってこなきゃいけないか、

行くにしても、どの国に行くのか、どの道を通って行くか、

随行者は誰にするのか、

その辺も話合わないとな。

流石に俺ら2人だけで勝手に決められないさ。」


「へえー、ちゃんと考えてるんだね。

いつものアツイだったら、行くぞー!おー!って感じで勢いで行きそうだもん。」


「お、お前なあ、

はあ、サンガル行きん時、それで怒られたからな。

話は上から順に下へ通すって事を覚えたのさ。」


「クスクス。そうなんだ。

アツイは公爵様だもんね。ここで一番上の偉い人。

そんな人と僕が・・・うふふ。

でも、上に立つって大変なんだね。」


「そうでもないさ。周りの奴らが優秀なんでな。

俺は好き勝手言って、あとは頷いてりゃいいだけさ。」


喋りながら歩いていたら、いつのまにか執務室の前だった。


「ラックー、いるかー?」


バタバタ、ガチャ

執務室のドアが開いた。


「はい、いますよ。絶賛、書類の仕分けをしておりました。

アツイ様、何かご用ですか?」


「今から、グレイとバルがここに来るから、お茶の用意してくれるか?

お前も話を聞いてた方が、意見を聞けるからいいか。

あー、バルの了承がいるか。了承もらったら一緒に話を聞いてくれ。」


「はい!お茶ですね。

では、先に書類をテーブルから片せます。

どうぞ、お二人とも椅子にかけてお待ち下さい。」


「書類仕事を任せっぱなしで悪いな。

俺に振ってもいいんだぞ?」


「いえいえ!アツイ様には仕分けした後、決済してもらってるじゃないですか。

仕分けは僕の仕事です。手が遅くて申し訳ありません。」


「ラック、俺は遅いとか思ってないから。

その書類、決済しないとまずい物も多いんだよな。

もし、俺が何ヶ月もいなかったらどうなる?」


「アツイ様・・・またどっか行こうとしてます?

まあ、気晴らしで行くのは有りですけどね。

えーと、アツイ様が不在の場合は、家令が代わりに決済すると聞いてます。

でも凄く重要な案件だと、やはりアツイ様の承認が必要で、

不在の場合には、王様に承認をお願いする事もあると。」


「あー、それは流石に王様に悪いな。

じゃあ、やっぱり魔道具が必要だな。

みんなが来たら、その事も話するよ。」


「はい。では私は、お茶の用意をして参ります。」


「ああ、よろしく頼む」


しばらくすると、


コンコン

執務室のドアを叩く音が聞こえきた。

「グレイです。バルも一緒です。」


「ああ、入れ」


ガチャ

「さて、良い話ですかな?それとも悪い報せですかな?」


「グレイ、バル、とりあえず座れよ。

今ラックがお茶淹れてくれてるから、飲みながら話そう。」


「分かり申した。バル殿、座りましょうか。」


「はい。

ところで、アツイ様、ラックは役に立っておりますか?

なにぶん、ここしか働いた事がない為、どこか甘い所があるように思います。

書類仕事も出来るようにと、任せはしましたが、キチンと出来ているか心配で。」


「バル、最初はみんなそんなもんなんじゃないの?

ラックも気にしてたけど、手が遅くても、ミスなくきっちり出来た方がいいよ。

その内、要領を覚えれば早くなるさ。」


「アツイ様・・・まるでいい年齢の大人が言うセリフですが、的を得ている分肯定しかありません。

アツイ様の精神年齢は一体いくつなんでしょうね。」


「あー、あははは。いくつなんだろうな。はははー。」


カチャカチャ

「お茶をお持ちしましたよ。

バルさん、アツイ様はここへ来た時からずっとこんな感じですよ。

話してると、僕が年上って事を忘れます。」


「はははー、あー、バル、ラックも同席させていいか?

仕事にも関係してくるから、居た方が意見を聞ける。」


「ええ、アツイ様の良いように。

それで、今日はどう言った要件なのでしょうか。

また、どこかへ行きたいとかですか?」


「あー、まあそうなんだが。

どっから話そうかな。

まず、サムイと俺、他何人かで他国を見て回りたい。

その上で、今必要な魔道具を作って貰ってる。

ひとつは、移動してても双方向で連絡が出来る小型の通信魔道具。

10個は頼んである。

もうひとつは、リュックの中身がこの城のどっか一室に繋がるものだ。

欲しい物が取り出せる様にしてもらう。

この魔道具作成が一ヶ月かかるんで、それを目処に準備を整えたい。」


「は、え、それはまたなんとも。

理解するまで少々お待ちを。」


「アツイ様、その魔道具はかなり戦時で使える物になりますな。

その様な物があれば、補給がとてつもなく楽になります。

戦場まで持ち運びしなくてもいい訳ですから。

それは人も出入り出来る物でしょうか。

であれば、いついかなる時でもお側に参じる事が出来ますぞ!」


「さすが、グレイ。すぐ気が付いたか。そうなんだ。

通信装置とこのリュックがあれば、どこへだって行けると思わないか?

まあ、ただリュックから人が出入り出来るかは、じいさんに聞かないとな。

そこまでは依頼してないから。」


「では、後で魔道具屋へ行って参ります。細かい調整も必要そうですな。

それが出来れば、アツイ様も緊急時にこちらへ戻れます。

あと、追加で個体認証も付けて貰いましょう。

登録者以外しか使えないようにせねば、盗まれた時に大変な事になります。」


「あー、そうだよな。大事な所だ。

俺はそう言うとこ気が付かないから駄目だよなー。

そっちの調整は頼むよ。期日は延びても構わないって言っといてくれ。」


「かしこまりました。」


「アツイ様、グレイ様の言う通りの魔道具でしたら、

アツイ様の欲しい物をその通信装置で聞いて、

その繋がっている部屋に用意するだけで、お受け取り出来ると。

では、アツイ様側からもリュックに入れた物がその部屋に入る訳ですね?」


「あ、アツイ様、だから僕に聞いておいた方がいいって言ったんですね?

それならどこへ行こうが、書類のやり取りが出来ます!

凄い!そんな事が出来るなんて思いもしませんでした!」


「本当に。アツイ様のその発想は目を見張る物がありますね。」


「ああ、いや、通信装置は俺だけど、リュックはサムイの発想だ。」


「ええ!それはまた!サムイ様、素晴らしいです。

良く思い付きましたね。」


「えへへ。褒められちゃった。嬉しいです。

時々、パッと浮かぶ事があるので、たまたまいい物が浮かんで良かったです。」


あー、それってあれか。ドラえ◯んの4次元ポケットが元か!

俺も知ってるけど、そんなん出てこなかったわー。


「これからもその発想力、頼りにしてるぜ。

コホン、それで、行き先なんだがー

南の状況を見たいんだ。

北は戦場になりにくいし、

もし戦争になったとしても、このレイグリット城塞都市があれば、持ち堪えられるだろう?

南の同盟国を見たあと、ムリッポ王国がなぜ小競り合いを仕掛けるのかを確認したいんだ。

まあ、ついでに悪い奴ならサムイのスキルで、反省して貰おうかと思ってな。」


「南のムリッポ王国ですか。

あそこは、かなり好戦的なので確かに気にはなりますが・・・

しかし、先日密偵を多く送り出したはずですが?」


「ああ、向こうで密偵の様子を確認して、情報があればその場で報告してもらう。

あー、もし、通信魔道具が余ってれば、あいつらに渡してくるのも有りだな。」


「確かに。ふむ。どれだけ遠くても双方向で連絡が取れる物なのか

検証も出来ますな。

ですが、リュック同様、その通信魔道具も個体認証が必要そうですな。

軍事機密扱いになりえます。

敵国に同じ物を作られるのは避けねばなりません。

まあ、いつかは作られるでしょうが、わざわざ情報をこちらから渡すのは避けたい。」


「分かった。その辺りもグレイに任せるよ。

じいさんによろしく言っといてくれ。

納期は気にせず、無理しない様にとな。」


「かしこまりました。

魔道具師には、どの様に設定するのかも含めて調整してまいります。」


「ああ、頼んだ」


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