表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖邪混濁 〜寒い冬から暑い夏へ〜  作者: anishina
第四章 二人の世界
100/102

マントの名前

さーてと、今回はちゃんとグレイ達に話通しておくかー。


魔道具屋から城まで、スタスタと軽快に歩いて行く。


しっかし、魔道具師って言うのは凄えなあ。

想像で作れるとかどんだけチートだよ。

使うのが魔素とやらで、生命力とはなあ。

下手すりゃ、人を死なせちまうって事だよな。

しっかり、善悪とか道徳とか持ってないと、やらかしちまう奴がいそうだ。

怖え、怖え。


ん?ちょっと待てよ?

このマントって、5年かけたって言ってたよな。

付与の内容がめっちゃ多いからなのは分かるが、難しい物ほど生命力を使うんだよな。

それだけ長い期間、何の生命力を使い続けたんだ?

まさか人間?いやいやいや、まさかな。


その前に誰がこれを作るよう依頼したか、まだ分かってねーが、

確かあんとき、グレイが、陰謀かも知れないって言ってたけど、

それにしちゃあ、あん時だけおかしくなっただけで、あれから今まで勝手に発動した事はない。

今じゃ、俺の意思通りに速攻で答えてくれる。


まるでAIみたいに。


人工知能・・・そんな物がこの世界で、魔道具で作れるのか?

今まで、そういうもんだって深く考えずに着続けてきたが、

さっき、じいさんが言ってた、材料と魔素と想像だけでこのマントが作れるか?


じいさんも前にこのマントはこの世界で一着しか無い貴重な物だって断言してた。

いつも行くとマントを撫でる様に触って、とても大切な物みたいに。

それってさあ、材料が人間でそれもじいさんの知っている人で俺に着せる様に頼んだ人物。


まじかあーー。


アツイはフラフラと壁に手を付いた。


それなら全て合点が行く。


なぜ依頼した人がいまだに分からないのか。

なぜ俺の為にこんなマントを作ったのか。

なぜ王に会って暴走したのか。

なぜマントから時々温かい感情が流れてくるのか。

なぜじいさんが俺には魔道具の作り方を知って欲しかったのか。


ああ、そういうことだったのか。

材料と魔素を同時に使ったのか。


アツイは膝からその場にへたり込んだ。


なあ、何でそんな事を依頼したんだよ!

俺が不憫だったのか?可哀想に思ったのか?

こんな身体でも俺は平気なんだ!大丈夫だったのに!

俺の為にこんな、こんなー・・・


「アツイー!どーしたのー?」

サムイが道の向こうからアツイを見つけて走ってくる。


今、顔を見られたく無い。


そう思ったら、マントが俺全体を覆ってくれた。


父さん・・・ありがと。

そのまま、俺は泣き崩れた。


マントから頭を撫でられた気がした。

まるで、よしよしと慰められているように。




しばらく泣いた後、気持ちを落ち着かせて、涙を拭って前を向く。

するとマントは、元のライダー服に戻った。


壁に背中を寄りかけて座っていたが、隣に同じ様に座ったサムイが心配そうな顔をして俺を見ていた。


「大丈夫?なんか悲しい事があったの?

何だか泣いてたみたいだったから。

僕に何か出来る事ある?」


「はは、サムイ。ありがとな。

付き合わせてしまったみたいで悪かったな。

もう大丈夫だ。

また、言える時が来たらサムイにも聞いてもらうよ。」


「うん。いつでも僕聞くからね。

アツイ、僕にも君の辛さを分けて欲しいんだから、遠慮しないでね。」


「ああ、お前がいてくれてよかったよ。」


アツイはサムイに口付けをした。


「なあ、サムイ。俺のこの服、ずっとマントって呼んでたんだが、

もう長い事お世話になってるし、ユースって名前を付けようと思うんだ。おかしいか?」


「え、マントにお名前付けちゃうの?良いね!ユースってお名前もいい感じ!

ユース!いつもアツイを守ってくれてありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!」ペコリ


「ふっは。ユース喜んでるぞ。こそばゆい。

良かった。俺も前向いて生きていけそうだ。

これからもよろしくな。ユース!」


アツイはユースをしっかり自分ごと抱きしめた。


「ふっふ、あはは、こそばゆいってば!

俺も嬉しいよ。ユース!

今まで色々ごめんな。でも、これからはずっと大切にする。

大切にするよ。ユース。」


少し涙が出たが、振り切って笑顔で前を向く。


さあ、一緒に行こう。

ヨークの未来の為に!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ