7話 頼もしい仲間
その後、何事も無く昼休みは終わって授業も無事終わって放課後になっていた。
「赤城〜、ゲーセンでも行くか?」
龍之介が僕の元まで誘ってくる。僕達は帰宅部なので基本暇なのだ。
「良いね。いつものメダルゲーム強いとこ?」
「二人共、良いな〜」
いつの間にか僕達の横に永井さんが立っていた。急に来たので龍之介がピーンと直立している。おもしろ。
「私なんて放課後ずっとバスケなのに〜。帰宅部ずるい〜」
永井さんは両腕を上げて伸びをしている。胸が強調されたポーズになってしまっているので慌てて目を逸らす。
「まあ僕達に運動なんて無理だよね」
「そ、そうだな……。じゃ、じゃあ先に行ってるぞ」
龍之介はいたたまれなくなってぴゅ〜と教室を出てしまった。まあ行き先はいつもゲーセンだろうから別にいいけど。
「……、ねえ」
永井さんは居心地悪そうに僕を見つめる。
「太田君って私のこと嫌いなの?」
急に教室出たから、自分が避けられていると感じたのだろう。まあ一部正しいのだが嫌いじゃない事は伝えておこう。
「違う違う。龍之介は女子と話す事に慣れてないからテンパっちゃうんだ」
「え〜、なにそれ可愛い〜」
何か龍之介ズルいな。永井さんに可愛いって言ってもらえてるぞ。まあ本人喜ばないだろうけど。
「ていうか、明日香。部活さっさと行かないとやばいんじゃない?」
ぬるっと柏木さんが現れた。それを聞いた永井さんはハッとして慌てだした。
「やばいやばい。じゃあね〜」
永井さんは僕達に手を振りながらエナメルを持って教室を出ていった。やっぱりバスケ部って大変そう。
「じゃあ、ウチらも帰りましょうか」
「え?あ、うん」
柏木さんは鞄を持って僕に向かって手招きしてくる。下駄箱まで一緒に行こうってことかな?僕もカバンを持って柏木さんに着いていく。
「ふっふっふ、やっと二人きりになれたね」
「……そういう事、思春期の男子に言わない方が良いと思う」
何か柏木さんって無自覚に男子を沼に誘い込んでそうだなと大変失礼な事を考えてしまう。柏木さんは僕の言葉を聞いてケラケラ笑っている。
「いや、明日香と何処まで進んでいるのか教えてもらおうと思ってね」
下駄箱まで来て自分の靴を取り出しながら柏木さんは爆弾をぶっ放してきた。
「進むも何も無いと思うけど……」
「いやいや、明らかに二人の距離が縮まっている用に見えるよ〜」
僕達は外を出ながら会話を続ける。ちなみに柏木さんは滅茶苦茶ニヤニヤしながら僕を誂っている。
「永井さんの気持ちなら柏木さんの方が詳しいでしょ」
永井さんと一番仲が良いであろう柏木さんならそういう事情を知っているに違いない。
「それがさ〜、恋愛絡みになるとガード固くて私にも教えてくれないんだよ〜」
柏木さんはう〜んと腕を組んでいる。へえ、じゃあ柏木さんもそういう事は何も知らないのか。ていうか僕達ナチュラルに一緒に歩いてるな。
「だから赤城君の話を是非聞かせてもらおうとこうしている訳〜」
「……なるほど」
わざわざ僕と一緒に歩いている理由が分かった。
「まあそうでなくてもウチ達って友達な訳だし一緒にいても不思議じゃないでしょ〜」
「そうかも?」
まあいっしょに昼休みいっしょに御飯食べた仲だしそうなのかも。
「で明日香との関係は?チューした?」
「するわけないでしょ!?」
柏木さんは「え〜」と言いながらブツブツ言っている。付き合ってないのにチューなんかしません!!
「それに永井さんって、……御影君と仲が良いし」
「え〜、ウチあいつ嫌い〜」
ほう、柏木さん的には御影君の事が嫌いなのか。まあイケメンだけど性格きついって言うし苦手な人も多いのかも。
「明日香にご執心なのは別に良いけどさ。ウチの事なんて目にも入って無いって感じでムカつく〜」
「そうなんだ……」
僕からしたら柏木さんもクラスの中心の一軍というイメージだったがそんな感じなのか。
「だから赤城君に頑張って欲しい訳よ」
「うん?どういう事?」
僕は首を傾ける。柏木さんは「だから〜」と続ける。
「御影なんかより赤城君が明日香と付き合って欲しいなってこと!!大丈夫。勝てるよ!!」
「いやいや、御影君に勝つなんて……」
クラスの中心の御影君といいとこクラスの三軍の僕とではあまりにも勝ち目がなさすぎる。魔王とスライムくらいの戦力差だろう。
「だ〜、今からそんな弱気でどうするの」
そんな事を話していたら校門まで来た。よし、抜けるならここだろう。
「ま、まあ、その話はまた今度で!!」
「あっ、も〜。明日またこの話するからね〜」
僕は柏木さんから逃げるようにさっさと歩いていく。でもまあ柏木さんは僕と永井さんが上手くいくことを願っているというのは嬉しい事だった。
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