27話 決意の告白
「……、この人達何で付き合ってないんすかね?」
「う〜ん。実質カップルって奴じゃない?」
龍之介と柏木さんがコソコソ好き放題言っている。それ聞こえているからね?まあニコニコ上機嫌な永井さんには聞こえてないから許されているみたいだけど。
「ねえ〜。何で私と達也が出かけちゃ嫌なの〜?」
「い、いや〜」
そのせいでこんなだる絡みされている。僕は苦笑いをして誤魔化している。そんな事をしていたら昼休みも終わりの時間が近付いてきた。わざわざ校舎裏まで来ているので早めに戻らなきゃ。
「みんな、授業が始まるから早く戻ろう」
「あっ、もう……」
何とか永井さんの追撃を躱して戻る事に成功している。そして戻る最中。
「お前もとうとう彼女持ちか。俺とも偶には遊んでくれよな?」
「ふざけたこと言ってると二度と遊ばないよ?」
僕がそう言うと龍之介は顔面蒼白になった。そんなになるなら何故そんな意地悪を言うのだ。そして教室へ戻る。
「明日香、さっきの考えてくれたか?」
「達也……」
教室へ戻った瞬間、御影君が永井さんに話しかける。僕達は邪魔をしないよう真っ直ぐ自分の席へ戻る。いや、そんな綺麗事じゃない。その空間にいたくないといった方が正しい。
「……、達也には悪いと思ってるけど二人で出掛けると勘違いされちゃうし」
「それって……」
御影君はチラッと僕と目が合う。その瞬間、御影君はフッと笑った。
「りょーかい」
御影君は目を閉じて永井さんの元を離れる。僕はその光景を見て罪悪感を覚える。永井さんは僕が嫌だと言ったから断ったのだろうか。僕は結局御影君の邪魔をしてしまったのか。そんな事を考えていると御影君が僕の席へと近付いてくる。
「赤城、放課後ちょっと時間あるか?」
「えっ?」
「四時に校舎裏まで来てくれ。多分悪いようにはならない」
僕が返事をする前に御影君はさっさと自分の席へと戻っていく。僕に一体何のようだろうか?僕はその意味を考えるがさっぱり分からない。
そして放課後。時計を見ると四時までまだ時間がある。大人しく教室で待つことにする。龍之介には説明して先に帰ってもらうようにした。虐められたら俺に言えとかなんとか言っていたが、龍之介じゃ何もできんだろうしそんな事にはならないだろう。
「あれっ、赤城君も残ってるんだ?」
「永井さん……」
永井さんも何故か教室に残っていた。準備をしていないことから部活は休みなのだろうか。
「何で残ってるの?」
「いや、それはちょっと……」
御影君に呼び出されているなんて言ったらまた心配をさせてしまうだろうから何も言えない。
「そ、それこそ永井さんは何で?」
「さあ?私にも分からない」
待っている意味を永井さんが分からないというのはどういう事?と思ったが僕も理由が言えないので黙る。僕から追求したら絶対に僕も聞かれるからだ。話をしていると永井さんのスマホがバイブする。永井さんはスマホの画面を見る。
「赤城君、ちょっと呼ばれたからまた今度ね」
「あっ、うん」
永井さんは誰かに呼ばれたみたいで教室を出てしまった。時計を見ると四時近くになっている。僕も校舎裏に向かうか。
そして校舎裏まで向かう。すると向かう先から声がする。姿は建物の陰で見えないが御影君がいるのだろうか。
「明日香、俺と付き合ってくれないか?」
御影君の声だった。そしてそれを言われている人は間違いなく永井さんだろう。どういう事だ。僕は告白現場に呼ばれたのか。
「え、えっと……」
それに対して永井さんは何と返事をしようか悩んでいる。僕は立ち止まってその会話を聞くことしか出来ない。
「なんで……」
僕の脳内がゴチャゴチャになる。御影君はなんでこんな事を?二人が付き合う瞬間を僕に自慢するために?本当に?
いや、御影君はそんな人じゃない。これは彼なりの発破なんじゃないか?俺は告白するけどお前はどうする?と。
でも違ったらどうしよう。僕が御影君の告白を邪魔して良い訳がない。でも……。
「嫌だ」
御影君と永井さんが付き合ったらお似合いのカップルだと話題になるだろう。そして僕もおめでとうと言うのだろうか。そんなものは嫌だ。勿論永井さんが御影君の事を好きならば諦めるしかない。
「でも僕だって後悔したくない」
僕は御影君に謝らなければいけない。彼の覚悟の告白の現場に脚を運ぶのだから。後で非難されても仕方がない。僕は建物の先に向かって歩き出す。
「わ、私は……」
「あ、あの!!」
僕は御影君と永井さんの眼の前に立つ。御影君は僕を見て笑い、永井さんは僕の姿を見てキョトンとしている。
「ぼ、僕も永井さんの事が好きです!!」
もうちょいで終わります。
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