表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤さびの魔女  作者: うめやす.
4章_ドラゴンを狩る魔女
86/103

第五十五話 ナル、魔女の決意 1

リンは気絶したナルをおぶって湯船を出る


脱衣所へナルを運び、水のベッドを魔法で作って横たえた


ナルの足首にはリンの魔法の水をまとわせ、電撃を流した箇所を冷やす


ナルの体をタオルで丁寧にふき取り、服を着せる


自分も体を拭いて服を着てから、髪を乾かす魔道具のスイッチを入れた


ナルの髪の毛を丁寧に櫛でとかしながら乾かした


それが終わると、小さなロウソクを取り出す


その先に火をつけて、今度は自分の髪を乾かし始めた


ロウソクからはふわりとした花の香りが広がった


やがてリンが髪の毛を乾かし終わるころにナルが目覚めた


「ん……あれ?」


ナルは少し状況が分からないようにぼーっとしていた


リンが優しく声を掛けた


「目が覚めましたか?」


「なんでわたし、寝てるんだっけ」

「お風呂入ってなかった?」


リンが水の入ったコップをナルに渡す


「のぼせてしまったんですよ」

「長湯する時は、気を付けてくださいね」

「一人だったら、溺れてしまいますよ」


ナルは水を一口飲んだ


「そうなの?」

「こんなの初めてだよ」


「誰でも、そういうことがありますよ」


「リンもこういうことがあるの?」


「もちろん、ありますよ」

「何もおかしいことはありません」


「そうなんだ」

「……なんか頭がすっきりしてる」


「寝てる間に乾かしておきました」

「そのせいでしょう」

「そんなことより、お腹がすいていませんか?」


「あー、空いてるよ~、もう限界~」


「はやく食事にしましょう」


「うん」


ナルが水のベッドから降り立ち出口に向かう


するとその途中に綺麗なドレスが2着掛けてあった


「あれ、これってレアルが用意した着替え?」

「着なくていいの?」


「ええ、着ませんよ」


「なんで?」


「着たくないからです」


ナルは不思議に思ってドレスを手に取って見る


リン用と思われる紫色のドレスは胸元が広く露わになるデザインだった


スカートにも、太もものあたりまで長いスリットが入っている


布も薄く、ヒラヒラとして頼りなかった


「なにこれ……レアルの趣味?」

「こんなのリンが着たらおっぱい半分見えるでしょ」

「足も横から丸見えじゃない」


ナルは自分用のドレスも見る


ピンクをベースにカラフルで首元までしっかりと布があった


花柄のワッペンのようなものが所々についている


どう見ても子供用に見えた


「なにこれ……子供用?」

「絶対わたしへの当てつけよね」

「あいつ、もう一回ボコボコにしておこうかしら」


「レアルに女性の服装なんか分かるはずもありません」

「彼なりに、良かれと思って選んだんでしょう」


「だとしたら、かなりやばいわね」

「やっぱりあの年齢まで独身って、それなりの理由があるってことかしら」


「そういうことですね、他に理由なんかありませんよ」


二人が歩いて先ほどの待合室に戻るとレアルが立ったまま待っていた


「準備した衣服はお気に召さなかったかな」


「はい、わたくしはあのような服は好みません」


「レアル、なんでわたしのドレス、子供用みたいなデザインなのよ」

「なんかのあてつけのつもり?」


「むう、二人の容姿を伝え、最も似合うものをと注文したのだが……」

「手違いがあったのかもしれん」

「なにぶん、私には女性の服装など分からんのでね」


「そんなことだろうと思いましたよ」

「あなたはやりすぎなのです」


「もういいから、はやくご飯たべさせてよ」

「わたし死んじゃうよ」


「準備は整っている、どうぞこちらへ」


歩き出したレアルに二人は続いて歩き出した


階段を上がり、廊下を進んでいく


その途中、通路の片側が少し広くなっている場所があった


壁際には落ち着いた色のカウンターがあり、その奥の棚には、酒瓶がずらりと並んでいる


丸い瓶、細長い瓶、黒い瓶


琥珀色の酒が、廊下の明かりを受けて静かに光っていた


リンが少しだけ感心したように言った


「ずいぶん集めましたね」


レアルは肩をすくめる


「私の数少ない趣味でね」

「飲む相手は、あまりいないのだが」


ナルが不満そうに言う


「お酒はいいから、ご飯は?」

「ご飯どこ?」


「心配しなくていい」

「食事はこの先だ」


レアルはそのまま廊下の突き当たりまで進み、扉を開ける


「どうぞ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ