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赤さびの魔女  作者: うめやす.
2章_魔女の姉妹弟子
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第二十七話 兄妹審査 3

「まて!」


大きな声が響いた


その先にはイナクがいた


その横からノアが言った


「イナク、あれは魔法使いだぞ」


イナクは頷いてから手を差し出してノアを抑えるような仕草をした


それから、ゆっくりとナルに歩み寄ってくる


そして小さく頭を下げて言った


「俺たちは宴会をしているだけだ」

「矛を収めてくれないか?」


ナルは固まったようにイナクを見つめる


その時、場のざわめきを割るように、涼しい声が響いた


「そこまでにしていただけますか?」


リンだった


いつの間に来たのか、座敷の入口に立っている


表情は穏やかだった


リンはゆっくりとナルに歩み寄る

「この子はわたくしの部下です」

「失礼があったのなら謝ります」


ノアが反応した


「リン、なぜお前の部下が、俺達の内輪の宴会に文句を付ける?」


リンは少しも悪びれずに答えた


「申し訳ありません。わたくしが上品に育て過ぎたのでしょう」

「あなた達は刺激が強いですから」


ノアの口元がわずかに引きつる


「その返答で、納得しろと?」


リンは微笑んだ


「そうです」


少しの間、ノアとリンは睨み合った


宴会場の熱が、二人を中心にして冷めていく


「まぁ…いい、リン、お前の顔は立ててやる」

「ただし、こちらは一人倒されている、このままでは終われん」

「余興は続ける、この二人のどちらかと戦え」

「一対一、魔法なしでな」

「白けさせたこの場の空気を、盛り上げるくらいは手伝って貰おう」


すぐに赤髪の女が名乗り出た


「わたしがやるよ!」


リンの目が少し歪んだ


その時ミナの声が響いた


「いいよ!」


声は明るかった


足取りも軽くナルの前に立つ


「この子は肉体労働しないの、代わりに私が戦ってあげる」


ナルは驚いた顔でミナに言った


「ちょっと、余計なこと言わないでよ」


ミナは呆れたように言い放った


「魔法なしであんたが勝てるわけないでしょ、すっこんでなさい」


ノアが言った


「良いだろう、誰でも構わん、正々堂々と魔法抜きだ」

「約束をたがえれば、次はお前だリン」

「俺が相手になる」


リンが薄く笑った


「ノアはそんな顔もできたんですね」

「いつもより素敵ですよ」


ノアが怒りを抑えるように言った


「薄気味悪い魔女め」


場には一触即発の空気が満ちた


ナルはまだ納得していない顔でミナを見ていた


ミナは軽く肩を回しながら、赤髪の隊長へ向き直る


宴会場の熱が、別の形に変わっていく


ミナは、第三軍の女隊長と


魔法抜きで戦うことになった




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