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文化祭当日とイベント発生

 

 文化祭当日。


「いいですか。このわたくしがいる以上一番以外は許しません。必ず勝利をもぎ取るのですわ!!」


「「「「イエッサー!!!!」」」」


 ミランダの激励で士気を高める二年特進クラス。もう、主人公の委員とかお飾りレベルだ。


「さて、作業開始の時間だ!」


 接客組は昨日と同じように着替えて、調理組は仕込んでいた食材や飲み物を用意する。

 注文を受けて一から作るんじゃなくてほとんど準備してあるのをお客さんのカスタマイズでイジるくらいだ。


「サンドイッチにスモア、クレープは作り置きしたものを氷魔法で冷やしているのか。こういう時の君の手慣れた感じは尊敬するよアッシュ」


「田舎でやってたお祭りはうちの実家が仕切ってたしなぁ。小説のネタ作りと祭りって定番だからさ、店出してる側が何を考えてるのかを知るにはいい経験だよ」


「美味しい!美味しいねこのクレープっていうお菓子!」


「サテラ……開店早々つまみ食いはやめようか」


 リスみたいに頬を膨らませるハーフエルフ。その姿も可愛いから調理班が餌付けしたいのもわかるが、客用だってこと忘れんなよ!


「ごめんなさい。でも、これで私も元気が出たから頑張るね。ガンガン稼いでガッポガッポ儲けるね!」


 ダメだ。俺の『フェアリーロザリオ』での寡黙でお淑やかなヒロインが俗世に染まりきっている!!

 まぁ、彼女が楽しそうならそれでいいけど。サテラ関連のエピソードって重いのばっかりだったからなぁ。


 文化祭も遠くで楽しそうなら様子を眺めているハーフエルフの少女がいた……ってテキストだけだし。

 それに比べたら全然マシだよな。


「サテラさん。女性がそういう言葉を使うのはあまり好ましくないよ。せめて心の中に秘めておくことをオススメする。それと、口周りにクリームがついているよ」


 さりげなく女装姿でサテラの口を拭くユーリと、食い意地が張っていたのが恥ずかしくて顔を赤らめる男装サテラ。

 くっ、ここに俺の楽園はあった!ユリ×サテ万歳!このまま幸せになりやがれお二人さん。


「おい、ニヤニヤしながらガッツポーズをとるな。気持ち悪いぞ」


「女装が不自然にならないくらいに似合ってる勇者様の方がキモい件について」


 幸せな光景を目にした直後、最大の障害物とメンチを切る。

 こいつと関わらないと原作乖離し過ぎて物語の手綱が握れないのが困る。というか、プレイヤーが感情移入しやすいような設定だったのはどこにいった。これじゃあまるで俺と同じくらいのいけ好かない奴じゃないか。


「すいません、もうお店やってますか?」


「いらっしゃいませお客様〜。スタッフ案内して」


「二名様ですね?こちらの席へどうぞ」


「クレープ三つと紅茶三杯!四番のテーブルにお願い」


 文化祭開始からしばらくするとゾロゾロとお客さんがやってきた。

 昨日、主人公にチラシを貼り付けさせてきた効果があったかな?まぁ、後は口コミだろうな。事前にサテラとユーリがコスプレしてるのは図書館仲間や貴族令嬢達に言ってたし。


「順調なようね。アッシュ、貴方は足りなくなりそうな食材の補充をしなさい」


「了解です執事長。まぁ、俺の女装じゃ客引きにもならないしな」


 的確な指示を出して店を回すミランダ。敵に回すと厄介だけど味方だとこんなに頼もしいとは。

 悪役令嬢っぽいからといって原作で育成後回しににしていてゴメンよ。


「あー、そういえば荷物が多いと大変だから追加で二、三人連れて行っていいか?」


「そうですわね。……単細胞!貴方もお行きなさい」


「おぅ。力仕事なら俺様に任せろ!」


 すっかり単細胞呼びが定着してるのなシリウス。しかもそれを普通に受け入れてる辺りバカっていう自覚あんのか?


「あと一人はそこにいる勇者でいいや」


「そうですわね。集客力も接客もイマイチですし、どうぞ」


「最近、ミランダさんすらオレに厳しいんだが」


 最初の頃は勇者の生まれ変わりって注目されてたけど、今じゃ成長速度が速い器用貧乏止まりだもんな。爵位が低い子はまだ狙っているらしいけど、ミランダはもう手元に置いておけば使えそうな駒くらいにしか思ってないんじゃないか?


「じゃ、俺達三人で行ってくるから店は任せたぜユーリ、サテラ!」


「任された」


「任せてちょうだい!」


 頼りになる二人の声を聞いて、安心して教室を出る。

 うちのクラス目当ての行列はいつの間にかすごい長い列になっていた。最後尾が見えん。


 他のクラスでは魔法を使ったアートだとか、大陸の歴史を調べた物を発表したり、のど自慢までやったりしていた。

 俺達と同じように喫茶店をやっているクラスもあったけど、熱気が違って客はまばらだった。順当に行けば表彰は確実だろう。


「ところで、どこまで行くつもりだ?追加の食材が用意してある倉庫はとっくに通り過ぎたぞ」


「俺様もバカだが、この先には生徒も来客もかなり少ない場所しかないとわかるぞ」


「目的地は図書館だよ。途中で昨日用意しといた模擬剣を拾って行くから」


「「………???」」


「覚悟しておけよ。今からこっそりとネズミ退治だ」












 ☆ミッション!


『学園の侵入者を排除せよ』が始まります。















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