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【完結保証】おとぎ話の試練を全部クリアしたら無自覚最強の美女になっていました。~明日仕事なのに、独占欲の強い後輩女子に帰れない異世界へ連れて行かれました~  作者: ごまだんご
第六章 もう一人の異世界人

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第71話 もう一人の異世界人

 南の街のギルドで依頼完了の手続きを済ませると、すずなと紬は加護を使い一旦、自宅へと戻った。


「先輩、まずはエルフィさんに報告しましょうか」

「はい」


 その足で二人はエルフィの家へと向かった。


「エルフィさん、報告があります」


 すずながそう切り出すと、エルフィは鞄から残り少なくなったお菓子の包みを取り出し、頬張りながら視線だけをこちらに向けた。


「何」

「Withering Rose、達成しました」

「そうか」


 エルフィは少し間を置いてから続けた。視線がすずなの全身を、値踏みするようにゆっくりと辿る。


「怪我は」

「え……あ、大丈夫です。もう治りました」

「無事だったか」


 その一言だけ、いつもより一拍長く間があった。


「はい。おかげさまで」


 すずなはそう答えながら、これまでの経緯を簡単に説明した。遺跡での救出劇、花びらが少しずつ散っていった緊張の時間。そして無事に心春を救い出せたこと。話すうちに、エルフィのお菓子を食べる手が止まっていることに気づいた。


「あと、新しい加護も獲得しました」


 すずなはそう言いながらTwin BloomとRose Wardについて説明した。


「Twin Bloomは紬さんと二人揃った時だけ発動する一時的な超強化みたいです。Rose Wardは状態異常や呪いを防ぐ力で」

「私にも、Twin Bloomと、Echo Sightっていうのが増えました」


 紬も得意げにそう付け加えた。


「先輩と二人揃った時だけ使える力があるなんて、なんか特別な感じがします」


 紬はそう言いながら少し胸を張った。


「どうですか! 私、すごくないですか? 超進化です!」

「別に特別でもない」


 エルフィがそっけなくそう返した。


「私は全属性使えるマスターランクだからな」

「なんなんですかー!」


 紬が思わず声を上げた。


「せっかくいい感じに話してたのに」

「事実を言っただけだ」


 エルフィはそう言いながら、また視線をお菓子に戻した。それでも、その口の端がほんのわずかに緩んでいるのを、すずなは見逃さなかった。


「だが、よくやった」


 その一言は短かったが、いつもより少し柔らかい響きを持っていた。すずなはその声色に、確かな安堵の色を感じ取った。


「あのお菓子、そろそろなくなりそうですね」


 すずながその包みを見ながらそう言うと、エルフィは少し名残惜しそうな表情を見せた。


「温泉、また行くか」

「はい、その時、また沢山補充しましょうね」

「あぁ」


 そう答えたエルフィの視線が、ふと、すずなの手の甲へと向いた。もう痛々しい様子は残っていない。それを確かめるようなその一瞥に、すずなは何も言わずただ小さく頷いた。


 その後、三人は加護を使い南の街へと戻った。ギルドに着くと受付にいた職員たちが、エルフィの姿を見て一斉に驚いた表情を見せた。


「エルフィ様……!?」

「本物ですよね……」


 ざわめきが広がっていく。マスターランクという、その存在自体がこの街でも珍しいものらしい。


「……騒がしい」


 エルフィはそっけなくそう呟いた。


「先輩、ギルド中大騒ぎですね」


 紬が少し面白そうにそう言った。


 すずなたちはその視線をかき分けるように、ギルド内の食堂へと向かった。心春はすでにそこで待っていた。


「あ、すずなさん、紬さん」


 心春がこちらに気づいて席を立った。それから隣に立つエルフィの姿を見て少し目を丸くした。


「こちら、エルフィさんです」

「私達の師匠です」


 すずなと紬がそう紹介すると、心春は丁寧に頭を下げた。


「初めまして。中村心春です」

「お前の父親には世話になった」


 エルフィのその一言に、心春は驚いた様子で顔を上げた。


「え? もしかして父をご存知なんですか」

「ああ。長い付き合いだ」


 その言葉に心春はしばらく言葉を失っていた。


「そんな……父がそんな繋がりを持ってたなんて」

「詳しい話は、また今度しましょうか」


 すずながそう提案すると、心春は大きく頷いた。


「はい、是非!」


 四人はそれぞれの繋がりを確認しながら、これからのことを少しずつ話し始めていた。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。すずなたちなら、こんな時きっと「支えてくれる人がいるから頑張れる」と言うはず。


この物語も、読んでくださる皆さんに支えられています。「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけたら、ブックマークや評価という"応援魔法"を、ぜひ授けてください。


心春が合流しました


挿絵(By みてみん) 


よろしくお願いいたします。

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