二章13 強敵トゥーグァ
咲也とウツロの一騎討ちが始まって10分が経ったころ、ようやく戦いに動きが見えた。
『私をここまで本気にさせたことは賞賛に値する、しかしこれで終わりだ!大人しく我が妃となるがよい!出でよウームたち!』
「しまった!」
人が宿主のウツロはウームが出せるってことを忘れていた…。でもウツロのターゲットが完全に咲也に移った!咲也がくれたチャンス、無駄にはしない!
「行くぜ!スピニングスラッシュ!」
『な、何だとっ!?』
これは回転して手刀をお見舞いする技。いきなり回転攻撃をしてくるなんてウツロは思ってもいなかった筈だ!
『ぐあぁっ!き、貴様ぁ!』
「何ボーっとしてんだ!いくぞ!バーニングフィスト!」
『うぐあぁ!?』
「まんまと僕の作戦に引っ掛かりましたね!全てはあなたの狙いを狂わせる作戦だったんです!あなたがボコられてる間にウームも片付けました!もうあなたに逃げ道は無い!」
『こ、こんな筈じゃ…』
「さぁ!トドメは頼みます!」
「準備OKだ!さぁ覚悟しな!必殺!サンシャイン・ブレイク!」
『ば、馬鹿なあぁぁぁぁぁぁっ!』
辺りに激しい爆音が鳴り響き、それと共に巻き起こる爆風。爆風が消えた跡には、一人の男子生徒が倒れていた。てかアイツ、咲也が男だったこと知らずに死ぬって…何か哀れだ…
「やりましたね!」
「ああ!作戦大成功だな!お前のおかげだ、後で何か奢るよ」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
「あはは……ん?…おい、咲也!まずい!何かが近付いて…」
「え!?うわぁっ!」
ドゴオオオォォォォオン!
戦いが終わり喜んでいたのも束の間、突然爆風が吹き荒れる。一体何が!?
『おっとぉ、まさかこんなに早くお前を見つけられるとはな。それにしてもコイツ、俺様が折角力を与えてやったのにこのザマか…Dr.トゥルフの奴、完璧な薬作ったとか言っといてコレかよ…』
赤褐色の肌、凶悪な顔、悪魔が着るような服。アイツ、人間じゃない!でもウツロでもない…それに何だか体がすくむ…アイツに対する恐怖心が湧き出てくる!アイツ、一体何者だ!?
「お前、何者だ!?」
「そ、そうですよ!いきなり出てきて名も名乗らず!」
俺たちは恐怖心を押し殺してアイツの名を訊ねる。
『おっと、そうだったな。俺様はトゥーグァ、ウツロを利用してある計画を進めてる組織、ゼロの幹部だ!まぁお前達から見た悪役ってとこだな』
「ある…計画…?何だそれ?」
『残念だがそれは流石に口外出来ねぇ、それより折角会えたんだ、俺と遊ぼうぜ?』
恐らく彼が言う遊ぶとはバトルのことだろう…でもアイツ…正直勝てるかどうかは分からない。クッ…どうすれば…
「おい!お前ら!今すぐ奴から離れろ!」
聞き覚えのある叫び声と共に見覚えのある光弾がトゥーグァの前に直撃する。
「逃げろ!今すぐに!奴はウツロとは比べ物にならない!早く…早く逃げろ!」
そこにはミッドナイト・スナイパーが立っていた。しかし、その様子はいつもの冷静な様子とは違い、かなり焦っていた。




