第36話 緑と柚の出産
キ・「んもうっ、キャサリン帝国の従業員である王妃と柚ちゃんが妊娠してるだなんて。」
楓・「キャサリン様、仕方ないですよー」
育児がひと段落したのはいいけど、このキャサリン帝国についてきたのはちょっと…。
武・「母さん、なんでこの女装したオッサンにへこへこしてるの?」
楓・「馬鹿!キャサリン様はすごい人なんだから!もう、家で大人しく遊んでなさいって言ったでしょう?」
武・「父さんも母さんも仕事ですることなかったんだよー」
楓・「それなら父さんの方に行けばいいでしょ?」
武・「えー、なんで汗臭い男の集団の方に行かなきゃいけないんだよ!それでこっちに来たら、女装したオッサンかぁ」
楓・「あんたは黙ってなさい!ごめんなさい。キャサリン様」
キ・「将来的にイケメンになるのはわかってるんだけど、キャサリン帝国が育児場になっちゃうワ」
楓・「もう、連れて帰りますね!ほら、武人帰るわよ!」
ちょっと成長しただけでこんなに口が達者になって。明日から武芸でも教えましょうか。
楓・「瀬蓮いるかな?」
瀬・「はいここに」
楓・「武人を鍛えてくれる?」
瀬・「まだ2歳くらいかと思いますが?」
楓・「口が達者なんだから、鍛えがいがあると思うわ」
瀬・「承知しました。では明日から」
武・「なんだ?次は爺さん?」
楓・「私よりも父さんよりも強い爺さんよ」
武・「嘘だぁ!父さんが最強なんだ」
尊・「なんか呼んだか?」
楓・「あ、尊。武人をそろそろ鍛えようと瀬蓮にお願いしたの」
尊・「瀬蓮かぁ…武人、頑張れよ」
奇しくも緑様と柚様お二人の破水のタイミングが一緒ということになりました。聡様と悟様がうろうろと産室の前を行ったり来たり。二人とも武道をたしなんでいないので、楓様のように力業で出産することは不可能。楓様がお二人の手を握っていらっしゃいました。
尊・「陛下、出産は2度目ですし落ち着いたら?」
聡・「そんなこと言ってもだなぁ?ああ、母子ともに健康であれば…」
ブツブツと正直怖かったです。
悟様はうろうろしていましたが、産室の中の声を聴いてその様子を窺っているようでした。自分は産室に入れないから。ここでも看護科での知識が役に立ったようです。
「おぎゃあ」
「どっちの子?」
「おぎゃあ!」
尊・「双子みたいだな?性別は陛下が知ってるんだろ?悟は性別を出産前に知っておく派だったのか?」
悟・「無駄な買い物しなくて済むからな。うちは女の子だ」
結果、キッサ王国第2王女のお名前は、雛様。悟様と柚様の御子は凛様というように決定しました。
「陛下、やはり側室がいた方が…」
聡・「しつこい!側室が必要ならとっくに娶っているだろう。必要ないからだ」
王家に直系の王子がいないことが不満のようです。




