第33話 王妃たちのマナー研修
君・「先日、楓様より地球土産にと温泉饅頭をいただいてから考えていたのですが…。王妃である緑様、並びに騎士団長の奥様である楓様もマナー研修を受けていただきます。早い方がいいですね。来週には公爵家主催で夜会が開かれるようです。その国賓として国王陛下と騎士団長が招かれています。そうなると、パートナーを伴っていないと不審ですから」
緑・「…聡から聞いているわ。なんでも非常に厳しいとか」
楓・「姿勢がよくなったからかなぁ?尊がよりカッコいい感じに見えたけど」
緑・「あらやだ。のろけ?」
楓・「もう!緑さんてば、からかわないでよ~」
君・「ソコ!私語は慎むように。淑女たるもの、公の場では感情を表に出してはなりません!どうしてもの場合は扇子で顔を隠すのが淑女です」
楓・「うわーっ、難しい」
緑・「楓ちゃんは感情が顔に出るタイプだもんね」
君・「貴族は言葉の裏にあるものを読み取らなくてはなりません。皮肉や侮蔑などが飛び交う夜会は美しいものではありません。あなた方の評価が旦那様方の評価にもつながるわけですから、真剣にこなしてください」
そう言われると、お二方とも真剣に取り組みました。夜会までの短い期間ではありましたが、君子に『免許皆伝』と言わせるまでになりました。
君・「ただ、社交ダンスのそれぞれのパートナーはどうなのかしら?」
緑・「聡…じゃなくて陛下は忙しくなかなか時間が取れないとぼやいております」
君・「騎士団長は?」
楓・「時間は取れるし、体力もあるのですが…。本人が致命的に音感がないという欠点を抱えておりまして…」
これには流石の君子も頭を抱えてしまったようです。
君・「陛下は時間がなく、騎士団長は音感がない…。陛下は少しは踊れるはずですが、騎士団長も。確かに騎士団長は運動神経がいいはずなのに社交ダンスに苦労していました。陛下たちは『皆が楽しんでいる様子を見ているのがよいのだ』とか逃げることができそうですけど、騎士団長とその奥様は…」
楓・「顔を出してすぐ帰るとかはだめですか?」
君・「せめて1曲くらい踊るのがまぁ、礼儀と言いますか…」
楓・「尊に音感をどうにかするように、というより私も1曲くらい尊と踊りたいし…って言ってみます‼」
君・「その意気よ‼頑張りなさい!」
緑楓・「「はい!」」
尊様の音感のなさは筋金入りですけど、どうにかなるものでしょうか?




