第30話 楓の実家への帰還
数か月経って、武人様の首も座ったようで尊様・楓様のお二人は武人様を地球の楓様のお父上に会わせるべく地球へと旅立っていきました。
楓・「ねぇ、こっちの育児便利グッズを向こうに持っていったら…」
尊・「だーめ!使い捨てオムツもNGだ‼」
楓・「…だよねぇ」
日本式家屋の門の前でうろうろと待っている御仁がいる。久しぶりにお会いするが、間違いなく楓のお父様だ。
尊・「妊娠の連絡すらろくにできなくて申し訳ございません‼」
天下の騎士団長がタジタジ。
「まぁ、中に入って入って。楓が抱いてるその子が武人か?なかなかによい名をつけたな」
尊・「恐縮です」
楓・「私だって協力したんだから!」
楓が頬を膨らませて抗議する。可愛い。
尊は楓のお父上に異世界での自分の地位など逐一説明した。
楓・「だから!お父さんはあんなに用意したんでしょ?まず、どうやって運ぶのよ‼説明にあったように文明が遅れてるから、電気を使うようなものはだめだし、ベビーベッドなんか妊娠がわかった次の日かな?に尊がいろいろ爆買いして困ったわよ。あ、使い捨てのオムツもNGよ」
尊・「洗濯機がないので、手洗いなのですが私にも王弟殿下として毎月支給されるお金と、騎士団長として毎月支給されるお金がありますので、ランドリーメイドというメイドさんを雇って洗濯をしてもらっています」
「ほう、それは大変な世界だな」
楓・「大変なのよ!ランドリーメイドさん、女性だから尊の服がたまに盗まれるのよ!」
「そんなことがあるのか?」
楓・「あるのよ」
尊・「メインは武人の布オムツの洗濯なんですけど…。楓も体がまだ本調子じゃないし」
楓・「元気なのよ?内臓がねぇ…」
「委細承知した。私としては、年に1度くらい顔を出してほしい」
尊・「わかりました。時間を作ります」
「楓もよくしてもらっているようだし、尊君は王弟殿下なんだろう?」
尊・「はい、一応」
楓・「一応じゃないわよ。思いっきりそうじゃない。王国の国王が聡さんでしょ?」
尊・「そうなんだよなぁ」
「自信を持て、楓の生活も安泰のようで安心した。初孫の顔を見ることもできたし」
その頃のキッサ王国では、王弟殿下夫妻の間に王子が生まれたと式典が開かれていたが…
聡・「何?尊も楓さんも武人もいない?このような紙が…」
—―兄貴へ
武人と楓のお父さんを対面させるために、ちょっくら地球に行ってくる。
尊より―—
「陛下、なんて書いてあるのか自分らには読めないのであります」
聡・「尊一家はちょっと現在不在のようだ」
税金使ってのお披露目式典だというのにぶち壊しやがって、戻ってきたら仕事を押し付けてやろう。と聡は心に決めた。
緑・「ほらほら、葵も泣かないの!仲良しの武人君いなくて不安なのかな~?なんて」
聡・「なんだと!『仲良しの武人君?』」
緑・「イトコなんだからいいじゃない」
聡・「葵と仲良くするなんて、尊の子だぞ?」
緑・「強い子になるでしょうね~。葵の用心棒になってくれないかしら?」
聡・「用心棒ならいいが、小さいうちは許さん!」




