第26話 君子さんのマナー研修
君・「あら、陛下もマナーを?」
聡・「私も全くというほどわからないんでな。よろしく頼む」
君・「参加される方は……陛下、尊様、悟様、柚様、キャサリン様、あら、瀬蓮」
聡尊悟・「「「瀬蓮―⁈」」」
尊・「どっから湧いたんだよ?」
瀬・「私は温泉ではありませんよ?」
柚・「おんせん?」
君・「柚様がお困りです。整列して下さい!陛下は若干猫背ですね。もっとへそに力を入れて立つようにして下さい。威厳というものもありますし」
尊・「やーい、怒られてやんの!」
君・「ゴホンっ。尊様、ここではメンバーが限られていますからいいですが、あなたは王弟殿下で騎士団長です。もっとしっかりとしてください。立ち姿ですが…武道をしているからでしょうか?まあいいでしょう。悟様は……なんだかだらしなく見えます。もっと腹筋に力を入れて、お尻の穴を閉めるようなイメージで、あなたも王弟殿下という立場なのですから、それなりのオーラのようなものがあって然るべきなのですが……。柚様……せっかくできているのになんかオドオドしすぎです。もっと自分に自信を持ってください。あなたは悟様に選ばれた王弟殿下妃なんですから」
悟・「あんまり、柚にプレッシャーは……」
君・「なんです?悟様?社交界は喰うか喰われるかの魔窟ですよ?この程度でオドオドしていては王家にも泥を塗ることになりかねませんよ!」
悟柚・「「……はい」」
君・「キャサリン様は、なんだか斜に構えるような感じですね」
キ・「だってぇ、斜に構えてるんだもの」
君・「正面でお願いします。うーん、無駄に自信に溢れていますね。その自信、柚様に分け与えていただけたら……」
キ・「私は『キャサリン帝国』の女帝ヨ?自信に溢れていて当然ヨ!」
君・「ふう。瀬蓮は完璧ですね。何をやらせても完璧なのよね」
瀬・「お褒めに預かり光栄です」
聡・「執事をやってたからか?」
尊・「何故だ?」
悟・「不公平だ」
君・「私は公平に見ています」
君・「続いて椅子に座るのですが……。パートナーがいる場合、パートナーの椅子をひいてあげるのがマナーですね。今ここでは、悟様。どうぞ柚様の椅子をひいてあげて下さい」
悟・「はい、柚。どうぞ」
君・「話しかけない!椅子をひく音が煩い。もう一度!」
この後柚様が座るまで10回はかかりました。
君・「他の皆様もご着席ください」
流石に悟様のミスを見ていたので、数度注意されるだけで着席をすることができました。
君・「今日はこのくらいにしておきましょう。各自復習しておいてくださいね」
君子は笑っていましたが、目が笑っていない。正直怖いです。




