第18話 緑の出産
尊・「悟のやつ、よほど呼び捨てで呼んでほしいんだな。自分の理性と戦いながら」
楓・「でしょー?何をケチケチしてるのか意味不明」
尊・「とりあえず、陛下に報告しておく」
楓・「あー、緑さんが既に言ってるかも。っていうか、なんなのよ?ちょっと留守にしてた間に増えてる赤ちゃんグッズ!」
尊・「ついつい……」
楓・「「ついつい」じゃないわよ。家計のことも考えてよ?仕方ないなぁ。目をつぶるのは今回だけよ?」
甘かった。翌日から配送業者が赤ちゃんグッズをめちゃくちゃ運んできた。「ついつい」って怖いな……。
そんなバカなことをしているうちに、緑さんはついに出産に臨むこととなった。後学として私は緑さんの手を握っている。
扉の外では陛下・尊・悟君・柚ちゃん・キャサリンさん・瀬蓮が待機している。
尊・「兄貴~落ち着けよ」
悟・「そうそう」
瀬・「聡様がウロウロなさっても御子は産まれませんぞ」
聡・「いや、なんか緊張して。扉の中からは緑のうめき声とか聞こえるし」
尊・「楓がそばにいるから悪漢とかは秒殺だ。心配はない」
聡・「だってもう4時間もこの状態」
瀬・「お産ならばもっとかかりますなぁ」
聡・「やはり俺が手術をした方が……」
尊悟・「「それは緑さんが嫌がる」」
聡・「そ、そうか…」
尊・「楓だってお腹が目立ってきたってのに……」
悟・「尊兄、やっぱりお腹に話しかけるんだって?」
尊・「誰から聞いたんだ?」
柚・「私が悟君に話しました」
キ・「『キャサリン帝国』の開店前に話してたからね~♡ 私も聞いちゃった♡ 聡君と違って赤ちゃん語じゃないみたいだけど、朝晩話しかけてるらしいわネ?」
聡・「明日は我が身だと言っただろう?」
尊・「兄貴と違って俺は赤ちゃん語なんか使わないからな!」
柚・「陛下に楓さん妊娠って聞いた日から楓さん、危険な事厳禁て言われたらしいですよ?翌日に帰ってみると、家には赤ちゃんグッズが……と楓さんから聞きました。尊さんは本当に楓さん大好きですね~」
キ・「アラ、それは初耳ヨ。尊君がねェ。嫌だワ。本当に楓ちゃんLOVEなんだから♡」
馬鹿話が聡様の気を紛らわせていたようで、時間が過ぎるのも忘れていました。
聡・「だいたいなぁ。悟は子供の作り方知ってるのかよ?」
悟・「いくら俺がボーっとしててもそれは知ってる。それがどうした?ああ、柚がちっとも妊娠しないからか?俺が看護系の学校に通ってたからか?危険日とか安全日とかの知識もバッチリ入ってんだよ!」
瀬・「悟様、瀬蓮は嬉しゅうございます。知識を実際にお使いになるとは……」
おぎゃあ~
尊・「すごい大きい声だな。扉を越えて聞こえてきた」
聡・「王子だと助かるのだが、緑が……」
尊悟・「「ああ~」」
楓・「尊~、見て見て~女の子よ~!姫ね!」
尊・「兄貴……頑張れ……」
楓・「尊?」
尊・「あ、ああ。怖くなかったか?」
楓・「ぜ~んぜん。緑さん頑張ってるなぁって」




