第12話 尊、楽しむ(瀬蓮同行)
聡・「尊…そういうわけで先の戦争で敗戦国になった国がうちから小麦を二束三文で買い上げてるっぽくてなぁ」
尊・「突っ込むのは簡単だけど、証拠が必要なんじゃないか?」
瀬・「ご安心ください。瀬蓮がこの国の農家より拝借いたしました売買記録です」
聡尊・「「うわーっ」」
聡・「これは酷い」
尊・「これはなくない?懸命に育てて買いたたかれて、心が折れるってもんだ」
聡・「そういうわけで、証拠もあることだし尊。頼んだぞ。あ、殺さない程度に」
瀬・「聡様、向こうの国王は拘束してこの国へ連れて来ましょうか?」
聡・「その方がいいか。全くもって厄介だよなぁ」
翌日、尊と瀬蓮は二人で件の国へと突っ込んでいった。
尊・「せっかく育て上げた小麦を二束三文で買い上げるとはどういう了見だよ?こっちの王都で食べられてるパンとかケーキはうちの小麦で作ったのか?」
瀬・「尊様、市民に罪はありません。何も知らなかったのですから。王城に行きましょう」
二人で門番を気絶させ、ごく自然に城へと入っていった。
尊・「この城で使われている小麦はうちの小麦かぁ?」
瀬・「尊様、とりあえず国王に会いましょう」
力づくで謁見の間に入り、国王に会った。国王はケーキを食べていた。
尊・「おい、そのケーキに使われた小麦はうちで採れた小麦か?うちの農家の小麦を二束三文で買い上げたらしいな。おかげでうちの中は小麦が高騰。それがお前らの目的か?」
「ふんっ。袋のネズミよ。ここで捕まえてやる。かかれ!」
近衛兵やこの国の影なんかがかかってきたが、全力の尊と瀬蓮(瀬蓮は全力じゃない)にはまったくかなわず、最終的には……。
「悪かった。小麦は農家に適正価格で買い戻す」
尊・「先の戦争で何も求めなかったはず。小麦を寄越してくれればいい。そうだなぁ毎年出来高の50パーセントくらい?」
「そ、そんな……」
瀬・「自業自得ですな」
尊・「あ、ついでに国王は我が国についてきてね。拘束って形で」
楓・「尊!また上機嫌。力を出しまくったの?」
尊・「うーん、7割くらいかなぁ?瀬蓮との組み手の時だけ本気だなぁ」
楓・「瀬蓮、強いもんね。私も強くなりたいなぁ」
尊・「楓はもう十分強いだろ?」
楓・「尊や瀬蓮に比べたらまだまだ」
尊・「うーん、この世界はさぁ。チートを自分で決めれるんだよ。俺は武力に全振りしてるからこんなんっていうのもある。ちなみに、聡兄は医術。悟はどうするか考え中」
楓・「えー、ズルいー」
尊・「ズルいから『チート』なんだよ」




