第6話 過保護な聡(国王陛下)
「悟センセー、今日もありがとー」
悟・「気を付けて帰るんだぞー」
(子供たちの警護もしてほしいな。と俺が思う前に既にしてそう……)
「悟先生」
悟・「教え子に貴族の子いたか?なんだきらびやかな服着てるな」
「覚悟!」
悟・「はぁ、そういうことか」
瀬蓮の部下が攻撃を阻み、少女を拘束した。
少女は先日『キャサリン帝国』に来た貴族の子だった。
「陛下、あの子は勘当しており、我が家とは一切関係がありません!」
聡・「なにゆえに勘当を?」
「えーと……」
聡・「今回の襲撃が成功したあかつきには正式に屋敷に迎え入れるとでも言ったのか?あの子は妾の子みたいだな。残念だが襲撃した相手が悪い。この国の第3王子だ」
「え……平民では? 知らなかったんだ。王子が3人もいるだなんて。戴冠式にいたのは一人だったような……」
聡・「こちらの事情だ。知らなければ何をしても許されるというわけではないだろう?追って沙汰を下す。自宅謹慎して待ってろ」
男はその場にがっくりと崩れ落ち、膝をついてしまった。
(戴冠式なぁ。悟も参加させたかったんだが、奥方が市井からだから何を言われるものだか。緑や楓さんを見かけたことはないだろうけど、柚さんを見かけたことある人は「なんであの子が王子妃に?」とか邪推して他の貴族に言いふらされかねないからなぁ)
聡さんがお忍びで我が家にやって来た。
悟・「聡兄、そんなにお気軽な立場じゃないんだから、お忍びとかこっちがハラハラするよ」
聡・「悪い。なんだかお前ばかり貧乏くじを引いているような気がして……」
悟・「いつ引いたの?」
聡・「俺の戴冠式に出席できなかったし、命を狙われたし」
悟・「俺はそんなこと気にしてないけど?戴冠式みたいな肩の凝りそうな式典には参加したくないし、子どもたちに勉強教えるの楽しいし?今回は瀬蓮の部下が護衛してくれてるだろうってタカ括ってた」
柚・「あの……戴冠式に参加できなかったのって私のせいですか?」
聡・「まあそうなんだけど、悟が参加したくなかったって言ってるから結果オーライ。悟も可愛い奥さんいて何よりだよ」
悟・「聡兄こそ、緑さん妊娠してんじゃん」
聡は柚の両手を握りしめ懇願した。
聡・「柚さん!『キャサリン帝国』では緑のことくれぐれもよろしく頼むよ!」
柚・「陛下の御頼みとあらば!」
聡・「なぁ、悟?柚さんはいつになったら俺の事「義兄さん」とか呼んでくれるのかなぁ?」
悟・「聡兄……柚は俺の事すら最近まで「悟様」だったんだぜ?長い道のりになるだろうな……」
聡・「……そうか。いい加減騒ぎになりそうだし戻るよ」
悟・「聡兄、地味に「義兄さん」って呼ばれたかったんだな。尊兄もかな?」
柚・「お二人はハードル高いですぅ!」




