第5話 雑魚騎士の逆恨み
柚・「緑さん!」
緑・「どうしたの?柚ちゃん。なんかすごい鬼気迫った感じね?」
柚・「憚れるのですが、陛下とか緑さんってテーブルマナーとかマスターしてないんですか?」
緑・「悟君から?」
柚は首肯して返事をした。
緑・「うふふっ、そうなのよぉ。ここが休みの時は聡君と二人でマナーとかこの世界の一般教養とかしてるわよ?ダンスは必要な時に私は「身重なので」って断ることにしてるの。聡君は「王妃以外は踊る気はない」って断る気らしいわよ?」
柚的には衝撃の事実。陛下夫妻は完全無欠だと思っていたイメージが崩れ去った。
緑・「だから、悟君も柚ちゃんもそんなに固く考えなくても大丈夫よ。尊君も楓ちゃんもテーブルマナーとかできるのかな?ってくらいだし」
柚・「そうなんですか……私は、自分は取り急ぎテーブルマナーだけでも身につけなければ!と思っていました!」
緑・「大丈夫よぉ。柚ちゃんは一生懸命で本当に可愛いなぁ」
楓・「なになに?」
緑・「柚ちゃん、テーブルマナー身につけなきゃ!って気負ってたのよー」
楓・「うわーっ可愛いー!私なんかちっとも考えたことない」
緑・「楓ちゃんと尊君は私と陛下と違ってダンスが出来るから(物理的に)その練習した方がいいかもよ?」
楓・「うーん、尊君も体を動かすんだったら付き合ってくれるかな?座学とか嫌いだろうけど」
キ・「ほらほら、柚ちゃんを愛でるのはおしまいにして『キャサリン帝国』の開店準備ヨ?イケメンのお客様来ないものかしらァ? イケメン成分を補充したいのよォ」
その日は奇跡的にイケメンのお客様がいらした。
「お初にお目にかかりますキャサリン様。噂よりも実物の方がはるかに素敵ですね」
キ・「そうでしょう?入国を許すワ。それで、あなたはどうしたの?」
「実は先日、騎士団長直々に騎士を免職となってしまい、今は無職なのです。私は!家では侯爵家だというのに3男として虐げられてきました。騎士団では実力を伸ばし、それなりにやってきたつもりだというのに、あんまりではないですか!」
(あー、これって卑怯だからって尊君が鶴の一声で騎士を免職にしたやつ?)
キ・「それであなたはどうしたいの?」
「もちろん。騎士団長の失脚です。噂によると騎士団長には奥様がいるとか?その奥様を利用して騎士団長を何とかしたいです」
キ・「無理ねぇ。あなたは騎士団長のオクサマよりも弱いものォ」
「そう思い、街でならず者を10名ほど調達しました!」
(10人なら一捻りね)
「私とそのならず者たちで奥様を拉致」
キ・「あ~ムリムリ」
「キャサリン様は奥様の事をご存じで?」
キ・「まぁね。オクサマならそこに立ってるわよ。チャイナドレスの彼女だけど、強いのはわかるでしょ?わからないならそこまでの実力差なのよぉ。拉致なんてムリムリ」
「卑怯じゃないか!奥様が働いているなんて聞いてない‼」
キ・「貴方の情報網が甘いだけよォ。卑怯だから、騎士団を辞めさせられたんでしょ?そのくらい知ってるわよォ?そんなあなたに『卑怯』とか言われたくないわね」
「クソォー!」
男はグラスを割って凶器を作り、楓へと向かっていった。誰も悲鳴をあげない。楓が圧勝するのがわかっているから。
楓・「卑怯よね。グラス代払ってほしいわ」
と言いながら、華麗に躱し、蹴りを顎の下に入れると、男は白目を剥いて倒れた。
楓・「瀬蓮~。ごめんね、コイツの処理も頼める?」
瀬・「男娼が好まれるような店の前にでも捨てて来ましょうか?」
キ・「それいいわね、無職なんでしょォ?」




