Case.21 突然の閉店と移住
「え?『一身上の都合によりしばらく休業』って??」
「うそー!!癒しを求めて来たのに!!」
そう、俺ら家族+αはクーデターもおさまっただろうけど、安定してないだろう国をどうにかするため、帰国することにした。
キャサリンは店の権利書を丈一郎に渡したらしい。
キ・「ジョナサン、この店はあんたに任せるワ。私はしばらく留守にするから、この店と働く皆のこと、頼んだわネ」
丈一郎(源氏名がジョナサンなので、以下ジ)・「キャシー姉……。キャシー姉がいないなんてジョナサン悲しい!」
キ・「こら、我儘言わないの!私だって悲しいケド、あの3兄弟が行くって言うから…」
ジ・「え?!聡さんも尊さんも悟クンもいなくなるの?」
キ・「イケナイ!口がすべっちゃった。てへっ♡」
ジ・「必ず、必ず!みんなで戻ってきてくださいね!あたしはこの店を守って待ってますから!」
キ・「頼んだわヨ!ジョナサン!」
なるやりとりがあったらしい。女(?)の友情だな~と思った。聡は国王だなー。そうすると、
緑さんは王妃か?俺・尊と悟は王弟か?
キャサリンは向こうに行ってもお店開きそうだな…。裏稼業が情報屋の。瀬蓮はどこでも俺らの執事ポジションだよなぁ。
俺は軍部を何とかしたいなぁ。悟は何するんだろ?
緑楓・「「へぇー、これが聡尊悟クンの故郷かぁ。あ、キャサリンと瀬蓮も故郷なんだよね!」
キ・「そうよぉ。ま、わからないことあったらなんでもお聞き!」
瀬・「私はいろんな世界にいましたからなぁ。でもここが一番長いでしょうか?」
緑楓・「「中世ヨーロッパちっくよねぇ」」
キ・「でもちゃんと上下水道の設備はしっかりしてるのよ。服装も今のままでわりとだいじょうぶかな?うーん、王宮に入るにはちょっと……」
瀬・「もうちょっとフォーマルな格好の方がいいですかな。坊ちゃんたちもですぞ」
聡尊悟・「「「坊ちゃんはやめて!特にこっちの世界で!」」」
俺達は各々スーツなどを着て、王宮入りした。
「そこの集団!止まれ。この先は王宮だ。招待客又は身分がしっかりした者しか入れない。当
然身分を示すものを持っているんだろうな?」
王宮の門番の下品な笑み。なんだろう?自分がマウントをとった気でいるんだろうか?
聡・「これでいいか?」
と聡兄が見せたのは、聡兄のコンプレックスである色素が薄い瞳。遺伝らしい。
「はっ、これは王家の方々でしたか、どうぞお通りください!」
と、簡単に通れた。しかしながら、背後で「王家の者は皆殺しなんだよ。のこのこと王宮に帰ってくるなんて愚かだよなぁ」という声をしっかりと耳にした。
うーん、それはなかなか考えものだけどなぁ。まぁとにかく謁見の間の方に行ってみよう。
謁見の間にて。
何故か財務大臣の役職についていた人物が玉座についていた。コイツがクーデターを扇動したのか?
「おやおや、これはこれは王家の皆さんかとお見受けしますが、今更ここに何の用ですか?まさか自ら死を選びに来たわけではありませんよね?」
財務大臣の周りのけっこう上の役職についていた貴族がこちら側を見てクスクスと笑っている。
緑・「あなたはずっと財務大臣でしたんですよね?興味があるのでここ数年の帳簿を見せていただけませんか?」
緑さんはそう言うと、数年分の帳簿に目を通した。興味があったの?俺にはわからない世界
だ。
緑・「なるほどね~♪」
「なっ、小娘に何がわかるんだ?」
緑・「色々解りましたけど?そうですねぇ、主に貴方が財務大臣として予算を着服していた疑惑が持ち上がりました。数年の帳簿を見ると不自然な点が色々と見えてくるもので…」
聡・「職業病みたいなものか?」
緑・「職業病じゃないわよ、特技かしら?」
緑さんの発言を聞いて恐ろしくなったのか、財務大臣の取り巻きのような貴族はノキナミ用
事を思い出して、その場を去り出した。
瀬・「いやぁ、さすが王妃様たる所以ですな。帳簿に目を通すだけでそんなにわかるとは!」
緑・「いやだ、瀬蓮ったら!ちょっとした特技よ。長いこと経理を担当してたからこうなってるのよ~」
聡・「元・財務大臣は追って沙汰を下すから、それまで自宅でおとなしく謹慎しているように」
「たかが血筋に恵まれただけのくせに……」
そういって血走った目をした元・財務大臣は聡兄に切りかかった。が、当然瀬蓮がとりおさ
える。
聡・「そうか……今すぐに貴族牢に入りたいみたいだな。連れて行け!」
聡兄が衛兵に命じて、元・財務大臣は連れて行かれた。
緑・「うーんこの分じゃ、他にもいそうだね。元財務大臣2号とか3号。そういうわけで、帳簿を見まくってこの国の膿を炙り出すわ」
聡・「心強いよ」
瀬・「よい伴侶に恵まれましたな。瀬蓮は嬉しゅうございます!」
尊・「さて、俺は軍部を見回るかなぁ。楓も一緒に行くか?弱いやつはいらないし。権力をふりかざしてるアホとかいたら、教えて欲しい」
楓・「りょうか~い」
悟・「俺は何をしよう?世の中の3男ってこんな感じなんだなぁ。小説だと3男がグレたりするよなぁ」
尊・「俺と楓の水筒においしいカフェオレでも入れてくれよ。間違っても媚薬とか盛るなよ?」
瀬・「それはいいアイディアですな。お二人のお子様を見とうございます」
悟・「俺も俺も。でも聡兄だって国の世継ぎ必要なんじゃない?」
聡・「べっ、別に俺の子である必要はないし。緑に必ず男の子という強要はしない。女の子でも可愛いだろうしなぁ」
焦んなくてもいいじゃん。ん!?
尊悟楓・「「「緑さんはご懐妊?」」」
緑・「うーん、聡さんはそう言うんだけど、どうなんだろ?」
悟・「聡兄が言うならマジだよ!甥でも姪でも可愛いだろうなぁ。でもオジサンって呼ばれるのは悲しいなぁ、年齢的に。『悟にーちゃん』とかいいなぁ」
そんな悟は、目線が中空にある。どこか違う世界にいってしまった?
聡・「……妄想はやめておけ」
そんなんで、俺達3兄弟はどこの世界でも愉快に生活してます。
なぜだろう?キャサリンがこっちの世界で出した店が繁盛している……キャ
サリンにはとてつもない商才があるのだろうか?スキルは情報屋の方に使っているんじゃないのか?まさかの商才にスキルを使ってる?こっちの世界でも七不思議となっている……。
聡は賢王として、のちの世にも名を馳せた。緑さんは、内助の功が素晴らしいとこちらも夫婦で、国の教科書に載っている。
聡と緑夫妻はなぜだか女の子ばかり生まれた。聡は親バカだと思ったけど、本人は否定していた。公の場だと猫被ってたしなぁ。
俺と楓夫妻はなぜだろう?男の子ばかり生まれた。その中のうちの一人を国の跡取りにしたいとか言ってたけど、王制続けるのか?膿がイケなかったのか?
子供達は仲がよく、互いに「おおきくなったら、けっこんしよう」とか言っていた。聡兄がうちの子を牽制していたけど。(大人げなく睨んでいた)
悟は舞踏会とかで令嬢達に大人気だった。結局選んだのは、下町の庶民の子だったけど。普通は身分が…とか言うんだろうけど、聡が国王だし…そこはね?
キャサリンが「ジョナサンが悲しむワ」とか言ってたけど、悟とあの丈一郎になんの恋愛感情もないし。関係なくない?




