Case.19 久我家の嫁たち
無事に聡様も尊様もご結婚なさり、この瀬蓮は感無量です。瀬蓮としましては、お二方の御子を……と思うのですが、それは神のみぞということで、年寄りは口出ししません。
以下は、お二人の伴侶様の会話となります。
「緑さんは、聡さんと結婚してどのくらい経つの?」
「1年も経たないかな?なんかこの部屋、熱いわね。暖房でも入れてるのかしら?」
「えー!新婚さん!お二人の馴れ初めは?」
「どっかの芸能リポーターみたいよ?うーん、私はただのお客としてこの店に来たんだけど、人見知りの聡さんが私とは会話をしてくれて……」
「うわー、聡さん積極的というか何というか。そうよね、私とも未だに目も合わせてくれないし。ちょっと凹むわ~」
「あ、それは聡さん瞳の色にコンプレックスがあるからかも。私の瞳の色は緑でしょ?それで、仲間意識あったのかも」
「ところで、緑さんは向こうの世界だと王妃様みたいね?」
「そうなのよ~。平凡な経理だと思ってたんだけどね。瀬蓮から聞いたわ。なんだかクーデターがあって聡さんのお兄さんが亡くなったらしいのよ。それで、王位継承権でいうと聡さんが次の王らしい」
「クーデターねぇ。よっぽど、民が不満持つような政治してたんでしょうねぇ」
「そうよねぇ。私はここで平凡に経理して、家事をしていたかったんだけど、そうもいかないみたいで……。王妃というと、外交かしら?王妃教育みたいの受けてないけどいいのかしら?」
瀬・「いいのです。クーデターが起きたのです。政治も様変わりするでしょう。王制ではなくなる可能性も出てきます。民主政治になるのでは?とこの瀬蓮は思っております」
「「瀬蓮さんが言うなら心強いわ」」
瀬・「恐れ入ります。あと、『さん』をつけずにどうぞ、呼び捨てでお願いします」
「「わかったわ」」
「楓さんこそ、尊クンとの馴れ初めは?」
「うーん、『お見合いを潰して欲しい』って依頼をしてそのまま流されるように婚約、結婚って感
じかなぁ?」
「……色気がないわね」
「そうなのよね。結果として、強いイケメンと結婚できてラッキーみたいな?」
「そうなんだ……。私はちょくちょく店に通うようになって、『好きかも?』って思うようになったけど、そういうのもアリなのね」
「あー、今は私がまだまだ弱い認定されてるから、瀬蓮に日々鍛えられてるわよ」
瀬・「楓様は筋がよろしいかと思います」
「そして、悟クンの婚約はどうするのかしらね?」
瀬・「悟様はまだ大学生でありますし、大学を卒業後に悟様の理想の女性をこの瀬蓮が必ず
や探し出したいと思う所存であります」
「そういえば、まだ大学生だったわね。向こうの世界に大学はないのでしょう?」
瀬・「識字率もままなりません」
「あら、それは大変。国民の底辺からの底上げが必要よ。今は文字を読める一部の人間が政治を牛耳っているのかしら?それで国民が不満なのでしょう?」
「文字を読み書きするだけで、それ系の産業が盛んになるしねー」
「紙を作るとか重要よね?そこに紙があるんだもの。書くから筆記具の産業とかかしら?」
「民主制になる前にそっちに導いた方がいいと思うわ。民主制で会議で文字がわかる一部の人間だけ集まったら前とたいして変わらないもの」
瀬・「では、そのように聡様に伝えましょう。緑様は王妃になる覚悟を!」
「……覚悟、必要なんだ」
「ふふふ、義姉様~頑張れ~」




