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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 最終幕 THE END OF THE ANOTHER WORLD(中央決着、バッドエンドゲーム 終幕)
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リメイク第二章 GOOD BYE ANOTHER WORLD

 「なっ!?何なのこの揺れっ!!?」


 「シィズさん、答えはあんたの後ろッスよ」


 シィズさんが振り返ると、そこに更に熱い暴風が吹き荒れる。そしてまるで太陽が昇るような光が空へと飛んでいった。


 「あれは・・・弾道ミサイル?まさか、この世界にそんな技術・・・」


 「三上は、お前たちを炙り出す、その為だけに自身の力量を超えたアレを作り出した。全部はお前たちの為にだ。もう分かるッスよね。


 俺たちはあんたらの仲間になんてならない。いや、なれるわけないだろ。これだけ多くの人を傷つけて、それが自分達が追い込まれたら、仲間になれば許す?どれだけ自分勝手なんだよお前ら・・・これは、あんたらへの宣戦布告。そして開戦の狼煙だ!俺たちはあんたらみたいな人間を実験の道具としか思ってない連中に絶対に手を貸したりはしないっ!!!」


 そして空に打ち上がったミサイルはこの地上を眩く照らした。


 「くっ!!!核が本当にあったなんて!!しかもこれは・・・高高度核爆発!?」


 「これでこの世界の電気機器が全部ぶっ壊れ、お前らの監視網は破壊された・・・シィズさん、交渉は決裂だ。帰って上の連中とやらに教えてやれ、俺たちは必ずお前らを追い詰めるってなっ!!」


 俺は壊れた銃をシィズさんに向けた。


 「この世界のみんなが、あなた方の敵という事です!!シィズさん、わたくしも覚悟決めました!」


 「何がどんな理由があるにせよ、拙者たちを騙して来たのは許せぬ!!」


 零羅と麗沢もシィズさんに向けて攻撃体制を取った。空は徐々に青空を取り戻す。


 「・・・分かったわ、こうなったら仕方ないわね。荒っぽい感じで終わらせたくは無かったんだけど、私にだって戦う理由がある、私の正義がある。行くわよ・・・」


 シィズさんは武器を持ってない。なのにこの威圧感・・・この人、やっぱりめちゃくちゃ強い!!


 「来いっ!!!」


 勝てる見込みはあるかわからない。けど、ここで引き下がる訳にはいかない!!この壊れた銃でも、俺はこいつを倒す!!!




 『ビリッ!!』




 「っ!?」


 その時だった、異様な感覚が俺たちを襲った。


 「何よこれ・・・赤い稲妻?」


 そして俺たちの周囲に放電が起こる。あちこちでバチバチと稲妻が弾けてる。しかもこの稲妻、何故か赤い。光の屈折うんぬんって話は知ってるけどコレは、なんて言うか・・・稲妻そのものが赤い。


 「この稲妻・・・まさかっ!?」

 『バリバリバリバリィィィッッ!!!!』


 シィズさんが何かに気がついた時、赤い雷が落ちて来た。


 「ぐっ!!!」

 「・・・な、何ですか、この感覚・・・」


 零羅が今感じてる感覚は多分今俺も感じてる。こいつからなのか?雷と共に現れた。


 『シィズ、彼らを行かせてやれ・・・』


 ノイズの入ったような声・・・雷と共に現れたこいつは、蛇のような仮面を付け、フードを被った男だった。


 「ビリー、何であんたが?」


 『俺が来ると不都合か?』


 「いや・・・」


 シィズさんの額から冷や汗が出ている?喋り方は少し軽く感じるがこいつ・・・ダメだ、レベルが違いすぎる。誰一人として動ける状態じゃない。


 『これはボスからの直接命令だ。こいつらは行かせる・・・俺たちは一度撤退、その後命令あるまで待機だ。リーダーも既に戻っている』


 「・・・わ、分かったわ」


 シィズさんと仮面の男は立ち去ろうとした。


 「おいっ!!逃げるんスかっ!?」


 俺は気がついたら呼び止めていた。考えれば分かる、今は逃げるのが正解だ。そして今は敵のお陰でそのチャンスが来てる。けど・・・こんなの納得出来るか。


 『桜蘭・・・』

 『ビジッ!!バヂヂヂヂッッッ!!!』


 「くっ!!!」


 手元から放電と共に現れたこいつの武器、大きくて歪な中に鎖のある剣?俺は瞬きする間もなく喉元にその武器を突きつけられていた。


 『お前には色んな選択肢がある。戦うか、逃げるか、それとも俺たちと来るか。だが、勝ちたいのならば、今は逃げるだけしかないぞ?上の連中の気が変わらないうちに行く事を勧める』


 仮面の男は剣を何処かへ消した。


 「サクラっ!!乗って!!」


 エルメスが車に乗り込んでいた。


 「サクラ、悔しいけど・・・今はこれしかないからっ!!」


 そしてグレイシアさんもだ、俺は今少し取り乱していた・・・この男の異常な強さはみんなも感じた筈だ。だけど俺にはなんて言うか、別の因縁みたいのを感じたんだ。こいつと俺はいつか戦う日が来る、そんな気がした。


 「・・・分かったッス!!!」


 俺はあいつに背を向けて車に乗り込んだ。冷静になる事が今出来る最善の策だ。勝ちたければ準備がいる。三上がやったみたいに入念な準備が・・・一時の感情に任せたままじゃ、こいつらには勝てない。


 俺は車に乗り込んだ。


 「グレイシア殿っ!!これエンジンかかるのでござるか!?」

 

 「これはEMP対策を施してるから・・・」


 車のエンジンがかかった。そしてまたハイGな運転が始まる。


 辛うじて外を見ると仮面の男は軽く俺に手を振ってるように見えた。けど瞬きした瞬間、見えたのは赤い放電だけだった。


 




 車はひたすら南へ猛スピードで駆け抜ける。見かける人々は車を叩いてたり、家の外に出て様子を見てたりしてる。信号も全てが点いてない。今ここで動いてる機械は俺たちの車だけだ。


 「グレイシア、一体何処に向かってるんスか?」


 「南オーシャナ、あの高高度核爆発の電磁パルスの影響は多分あの街まで影響してる。もし今この状況で私たちを追う奴らがいるとしたら、それは彼らだから・・・」


 「っ!?これは!!グレイシア殿っ!!後方より無音のバイクが2台でござる!!」


 あの格好は警察の機動隊?


 「何で追ってくんのよ!?さっきは行けとか言ってたじゃないあの変態仮面男っ!!」


 エルメスは後ろを見ながら喚いてる。


 「多分、あの感じだとレイのおかげで彼らの命令系統がめちゃくちゃになってるんだと思う。ふっ・・・いい気味だ」


 グレイシア、今笑った?


 「なるほど、お陰で俺たちは今こうして逃げられてる訳ッスね。けどどうするんスか?バナナの皮でも投げて対抗するッスか?」


 「いや、あえて追わせる。ぶっちぎっても良いけど、それじゃあいつらの目を完全に眩ませられない。あえて追わせて、私たちが完全に消えたと思わせる」


 「な、何するんスか?」


 「行けば分かるから・・・」


 車はグレイシアにしては安全運転だけど、それでも時速250キロを超えてる。そして車は南オーシャナ地区へと入る。もうすぐ行けばあのアオシラのビーチだ。


 けど、車はアオシラから離れて崖の上の道を行く。その時俺はあるものを目にした。



 『この先行き止まり』



 この先に道はないと言う注意看板だ。けど、グレイシアはそこから更に加速した。


 「ねぇちょっと?グレイシアさん?何やろうとしてんスか?」


 俺は恐る恐るグレイシアに聞いたみた。


 「スチュワートの示した座標はこの先だから・・・」


 「けど、もうすぐそこ海・・・おいまさかっ!?」


 こくり・・・


 グレイシアは軽く頷いた。


 「ちょっとっ!?まさか!!崖から飛び降りるのっ!?」


 「そうだよエルメス、だから準備して」


 準備たって・・・心しか無理、いやその前に俺・・・


 「おっ!!事故に見せかけてってやつでござるな!?海に飛び込んで・・・で、どうするのでござる?」


 「問題ないから」


 問題大有りだっ!!!俺は!!そもそも!!泳げないっ!!!


 「わぁーーーっ!!!?」


 俺がそれを言う前にグレイシアの車はバリケードを突き破り何十メートルもある崖の上から海に向かって落ちた。




 『ドッッッボォォォンッ!!』

 



 たまひゅんからの見えた景色は、うん。熱帯魚が窓の外を泳いでる。そして・・・水入って来たけど?


 「で、どうすんのよ!?このままじゃ溺死よっ!?」


 エルメスはドアの淵を押さえて水を食い止めようとしてるが、他のところからもぴゅーぴゅー入って来てる。


 「はいこれ、酸素ボンベ。エルメスはこれつけて」


 グレイシアがいつのまにか酸素ボンベを付けて、エルメスにも同じ物を渡していた。けど・・・俺のは?


 「ないよ?」


 グレイシアに心の中の質問が即答で返って来た。


 「じ、じゃあ・・・どうするんスか?」


 「少しだけ泳ぐから、大丈夫。そんなに距離ないから。レイラ、窓割ってくれる?」


 「はい!分かりました!!」


 零羅は元気よく炎神に魔法を込め始めた。


 「ちょまっ!!!」


 『バリィィィンッ!!!!!』


 俺は一旦待ってくれと言おうとしたが、零羅は元気に窓を小突いた。そして一気に水が入って来て、車は海底に沈んだ。


 「ぎゃむむむ!!がぼぼぼっっ!!!」


 誰か助けてくれぇぇっ!!全員泳げる程で話が進んでたけど!俺!泳げないのっ!!


 トントン


 「ひぃぁあっ!?」


 急に肩を叩かれて、なっさけない声が出た・・・え?声が出た?


 急に冷静になって振り向くとエルメスが酸素ボンベを付けて俺の肩を持ってた。


 「あれ?俺、息できてる?ここ、海の中ッスよね?」


 ごぼっ


 うん、エルメスからは泡がボコボコと出てる。それにこの感覚、冷たくて身体がふわふわしてる。


 「凄いですよ桜蘭さん!!わたくしたち!水の中でも呼吸出来るみたいですっ!!」


 「ひょぉぉっ!!これはなんたる奇跡!!!まるで人魚のようでござるな!!」


 零羅と麗沢は元気に泳ぎまくってる。そう言えば麗沢の奴、小学生の頃はスイミングスクール行ってたって聞いたな・・・


 にしても、これも覚醒の賜物か。ほぼほぼ死なない身体は、溺死も不可能って事か。なら、毒とかもこの身体には効かないのかもな。


 グレイシアは下を指差してみんなに知らせてる。下に行くの?俺、泳げないけどどうすんの?


 ぐいっ、


 あ、エルメスが俺を引っ張った。エルメスは私に捕まれと言わんばかりに俺の腕を掴む。俺は身体をエルメスに任せてすぃーっと海底に向かって泳いだ。


 にしても、この先に何が・・・何かの水中にあるとしたら、ゲームだと大体滅んだ文明の古代兵器を復活させるとか?いや、それはないな。


 しばらくするとぽっかりと穴が空いた岩場にたどり着いた。どうやらこの先を行くらしい、海底トンネルってやつか。


 トンネルに入ると真っ暗で何も見えなくなった。けど、前の方に明かりが差し込んで青くキラキラ輝いてる部分がある。グレイシアはそこに向かうと一気に上に向かった。


 『ザバァッッッ!!』


 「え、外?」


 ここは、海底洞窟?海の中なのに空気がある空間みたいだ。


 「グレイシア、ここは何なんスか?」


 「さぁ、私はここに行けと言われただけだから。多分、スチュワートも聞かされてない。だけど、ここなら彼らを完全に撒く事は出来るね」


 確かに、ここなら彼らでも簡単に見つけられ無いだろうけど・・・


 「しばらくはこうしてなきゃダメなんスかね?」


 「さぁ・・・」


 辺りを見渡してみる、麗沢が何やらこの洞窟はどうやって出来たのかの解説を零羅にしてるけど、その零羅は


 「わぁ!ウミガメがいます!!」


 年相応だな、海の中の生き物に興味津々だ。


 「ウミガメと言えば、アカウミガメと・・・」


 「麗沢、誰も聞いちゃいないッスよ?」

 「お?」


 にしても、俺に出来る事は・・・


 「あっ!?零羅っ!!ウミガメ何処ッスか!?」


 「はい?ここに泳いでますよ?」


 これだ!!この手を使おう!!


 『なぁ、ウミガメさん。ここは一体何なんスか?何か知ってたら教えてくれないッスか?』


 『んん?あぁ、もうちょい待ってな。今向かってるって言ってたからなぁ』


 『向かってる?誰が?』


 『あんたらは驚くだろうなぁ』


 「サクラー、何してんのよ。ウミガメ?」


 後ろからエルメスがやって来た。


 「あぁ、このウミガメの話によるとなんか誰かがこっちに来るらしいッスよ?」


 「ふぅん・・・ん?ちょっと、今サクラなんて言った?ウミガメの話?どゆこと?」


 周りを見渡したら、みんな俺を変人みたいな顔で見てる。


 「あれ、言ってなかったっけ?俺、覚醒の影響で例のもう一つの力ってのが目覚めたみたいで、動物たちと話せるんス」


 『・・・・・』


 全員まだ固まってる・・・グレイシアですらだ。


 「あっ!なるほど!!桜蘭さんウミガメさんを見つめて何してるのかなぁと思ったら、お話しされてたんですね!!わたくしもお話ししてみたいです!!」


 一方、純粋に信じてくれたのは零羅だった。今日テンション高いな・・・


 『んん、やっと来たな・・・さしずめ姫が寝坊したパターンだなぁ?』


 姫?


 「・・・何か、来る?」


 グレイシアが真っ先に気配を感じた。そして、水中から勢いよく2人の人魚が飛び出してきた。


 「すみませーーんっ!!!姫が寝坊して遅れてしまったのですよーーっ!!!」


 あれ?この可愛らしいようなこの声・・・


 「時間・・・間違えた」


 この寡黙だけど生意気っぽいようなこの声も、聞き覚えが・・・


 「シレン?ワダツミ?」


 「ん?あっ!!サクラさんなのですよー!!」

 「この間ぶりだな」


 ここで出会ったのはまさかの再会だった。

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