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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 最終幕 THE END OF THE ANOTHER WORLD(中央決着、バッドエンドゲーム 終幕)
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リメイク第二章 WISH BY NUCLEAR

 奴の攻撃手段である縮地、それを防ぐ手立てはただ一つ。こっちが攻めに回るしかない。けどそれは三上の思う壺だ・・・


 「さ、おいで」


 三上は煽る、何処から攻めれば良い・・・隙は何処に・・・


 「っ!?」


 気がつけばまた三上は俺に攻撃を仕掛けていた。


 「くそっ!!!」

 『ガギギギギギッッッ!!!』


 出遅れたけど、今度は防いだぞ・・・まずい、このままじゃ負ける。三上が苦手なのは・・・そうか、三上はそこが苦手だからこの銃を使っていたのか。

 

 「くらえっ!!」


 『ズガンッ!!ズガンッ!!ズガンッ!!』


 俺は走り回って三上に遠距離から銃を撃つ、三上の弱点は遠距離、しかも、全方向からの攻撃には弱い筈!!


 「おっ、その判断は30点。全方向からの攻撃と言う点は評価できるよ、上手く僕の弱点を見つけたね。けど、君の機動力じゃ僕には及ばない。そしてその走りながらの闇雲な魔法攻撃は体力を一気に消耗してしまうよ。それで君の体力が持つかな?」


 「んな事分かってる!!けど!!こっちには選択肢がコレしかないんだよっ!!」


 「分かってないなぁ、魔法を使いながらの戦闘はただの戦闘とは訳が違うんだよ。魔法の正体は自身の血液、使い続ければ貧血を起こす上に魔法自体の威力を上げれば精神疲労も半端じゃない、特にそれを連射するともなれば尚更ね。ほら、もう足の速度が落ちて来てる」


 「はぁ・・・ぜぇ・・・」


 三上に攻撃を当てられる手段はもうコレしかないんだ。だから動けよ・・・俺っ!!


 「うおらぁぁっ!!」


 「んっ!?まだここまで動けるのか・・・アドレナリン出まくりみたいだね。仕方ない、機動力を君に合わせようかっ!!」


 こいつ!!ただ走るだけでもめちゃくちゃ早い!!いや、違う!!三上の奴は足で風の魔法を操って速力を上げてるんだ。


 三上の縮地の一歩は、動きを読まれるを抜きにしてもめちゃくちゃ早い、それはつまりその一歩を避ければ三上はその勢いを止めるために隙が生まれる。けど、三上はそれを風の魔法で克服した。


 回り込む先々に逆に俺が三上に回り込まれる。遠距離に持ち込めない、近接戦を強いられるっ!!


 『ガギィンッ!ガインッ!!ガァンッッッ!!』


 「だぁぁぁぁぁらぁぁぉぁぁっ!!」

 「せいやぁぁっ!」


 近接戦しか出来ないなら!!三上が返し技をしてくるのなら!!俺はがむしゃらに暴れてやるっ!!体力よなんとかなれ!!あいつにタイミングを与えるな!!


 剣が弾かれてもその力を利用して返せ!身体が飛べは剣を地面に突き刺してそれを支点にして、蹴るなりなんなりしろ!!攻撃こそ最大の防御だ!!

 

 「おっと」


 その蹴った脚を掴まれたとしてもまだ足掻け、そこに電撃を撃ち込むんだ。


 「っ!!痛っ!!」


 俺の電撃・・・三上は剣で防いだ、そして後ろによろけた。俺の電撃の威力が上がってるのか?いや、そんな事はどうでもいい。今は攻めろ!!!





 「っ・・・あれ」





 俺は一歩踏み出そうとした時だ、足が前に出ない・・・力が入らない!!


 「ぜぇ・・・ぜぇ・・・くっっ!!ぐっ!!」


 まだ倒れるな、三上はピンピンしてんだぞ?限界がなんだ。まだ動け・・・足掻けよ!


 「ふぅ、今の連続がむしゃら攻撃は効いたよ。けど、もう限界かな?さて、なら次はあの技を君に使ってあげよう。そしてボーナスポイント、僕の速さ、本気になってあげるよ」


 三上は納刀した、速さの本気・・・あの技は、今度こそ暴走した零羅を一撃で倒したあの技を繰り出す気だ・・・駄目だ、身体が言う事を聞かない。こうなれば見えなくてもいい、肉を切って骨を断つ。なんとしてでも受け止めろ・・・


 「行くよ・・・」


 消えた・・・けど!





 『伏せてっ!!』





 っ!?


 何だ?今の・・・誰かの声が聞こえた。俺は思わずそれに従っていた。そしてこれは何だ?後ろの壁が突然凹んだ?何かが激突したのか?それに、俺は今どうなってる?


 っ!?三上の懐に入り込んでるのか?そして三上は目を見開いて俺を見ていた。


 俺がそれを認識した瞬間、力が湧いて出て来た。ここしかない、このチャンスは2度と来ない。全力を出せ・・・


 「うぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!!!」


 俺は残る力全てを振り絞って剣を振り抜いた。三上の脇腹から心臓目掛けて切り裂いた、筋肉が切断されていく、骨がゴリゴリと当たる感触が伝わってる。良い感触とは言えないが、俺はそれを最後までやりきった。


 三上は鮮血を撒き散らしながら吹っ飛んでいく。心臓は仕留めた。後は、頭を撃て・・・銃を握れ、頭に狙いを!!俺は電撃をチャージした。


 「うん、素晴らしい攻撃だったよ・・・今のは、100点あげても良いかな?」


 突然三上が視界から消えた。


 「上っ!?」


 三上は口と身体中から血を吐きながら抜刀術の構えを上空で取っていた。これは・・・マズイ!!防げっ!!


 『バキバキバギィィィッッッ!!!』


 防いだ筈だった。けど、三上の攻撃力は俺のそんな防御なんて無視した。三上の抜刀術は俺の剣を折り、俺の骨を砕いて、俺ごと壁まで吹っ飛ばした。


 「ガバァッ!!!ゲホっ!!ガフッッッ!!ガッ・・・」


 息が出来ない・・・血が口から噴き出す。


 「まさか・・・攻撃力も本気にならなくちゃいけないなんてね。覚醒もしてないのによくやったよ・・・けど、まだ完全な覚醒には至っていないね。


 ねぇ桜蘭君、さっき僕の攻撃を避けたよね、あれは・・・見えた?聞こえた?」


 「っ・・・・」


 「聞こえたか・・・何が聞こえたかは分からないけど、もう一つの力はやはり君には備わってるらしいね」


 どうしてそこまでわかる・・・にしても、さっきのあれは一体何なんだ。


 「けど、それを完璧に使いこなすには覚醒が必要不可欠なのは明白になったね。君はまだ覚醒の片鱗を見せるだけで覚醒には至ってない。僕はそこがよく分からないな、ここまで追い込めば覚醒しても良い筈なのに、君は覚醒の片鱗を見せるだけ・・・どうにも心の片隅でブレーキをかけてる節がある気がするな」


 ブレーキ?俺はそんなつもりは一切ない。

 

 「うーん、そうだね。僕をここまで楽しませくれたお礼と行こう。それと君を本当の本気にせざるを得ない状況にしなくちゃ。さっきの話、核が一体何処にあるのか。答えを教えてあげるよ」


 三上は俺の折れた剣の先端を拾い上げた。そしてそれを逆手で待つと三上は自分の腹にそれを突き刺した。


 「っ・・・!!聞いてたよね、僕の、この・・・爆弾の話を、君たちの勝利を以て僕は、この爆弾と共に消える・・・って」


 三上は剣の端で自分の腹を切り開いて行く。気分が悪くなって来た。


 「その話の・・・真実は・・・これさっ!!」


 そして三上は自身の腹の中に手を突っ込んで一つの黒い箱を取り出した。血みどろだけど、三上が取り出したコレの正体はすぐに分かった。


 「まさか・・・そいつが核?」


 「そう・・・小型の核。これの起爆条件こそゲーム終了の時間だ、コレが爆発すればこの中央は灰になる。首都機能の停止で世界は混乱するだろう、これ一つだけでも広島の三分の一程の威力があるんだ。少なくとも半径数キロは吹っ飛ぶよ


 そして、核はもう一つある・・・これは僕のコレとは桁違いの威力を誇る、僕たちの科学技術の結晶。水素爆弾だ、それを使いこの世界を滅ぼす。これが僕の世界滅亡エンドの道筋だ。止める方法は・・・もう分かるよね?」


 「お前の・・・息の根を止める事」


 「そう、この原爆は僕の心電図と同期してる、僕の息の根を完全に止めた時、この原爆の安全装置は二度と解除できなくなる仕組みだ」


 三上はその小型核を置いた。


 「そいつ・・・本当に核なのか?」


 またハッタリをかましてるかも知れない。


 「疑ってるの?まぁ無理もないか。けど、僕の言ってる事は本当だよ?むしろ、僕は嘘をつかないのをモットーにしてる、物は言いようってね、嘘つけばそのうちバレてしっぺ返しが飛んで来る。だか、これは正真正銘の原子爆弾で、作ったのは僕とシャルだ」


 「シャルロットが?」


 「そ、彼女が爆弾のスペシャリストなのは知ってるでしょ?あの子は本当に凄い子でね、小学3年の時にはこの世界で初めてのダイナマイトを作ったんだよ。そして中学でより安全な粘土爆弾、要するにセムテックスの開発に成功。


 その彼女に僕からお願いしたんだ。この世界で核を作ろうってね。本当、そこからも驚かされたよ。僕は原爆の理論なんてせいぜいウラン235ってのが中性子にぶつかってその分裂がうんたらかんたらぐらいしか知らなかったのに、たった2年でこの原爆と、更には独自で重水素からの核融合反応の仕組みを発見してたんだ。ノーベルもアインシュタインも裸足で逃げ出すレベルだね」


 うん、途中から何言ってるのかちんぷんかんだけど、シャルロットが改めてとんでもない奴だった事は分かる。


 「けど、そんな彼女をお前は殺した・・・」


 「そうだよ、シャルは凄く良い子だった。まさに僕の右腕に相応しい人だったよ。さてと、そろそろ怪我、治ったでしょ?僕の力も少し分けて上げたからさ、さぁ立ってよ桜蘭君。早く僕を殺さないと、君も、下のみんなも全て灰になって消える事になるよ」


 少し動かすだけで全身が悲鳴を上げる。けど、まだ俺は動けるらしい・・・俺はよろよろと立ち上がった。


 「三上・・・シャルロットは、あんたのそんな遊びの為に爆弾を作ったんじゃない。あいつは、それを平和の為に使おうとしてた。決して殺す為に使いたいとは思ってなかった筈だ。


 お前は、お前を好きだと言った彼女の意志すら踏み躙るのか、いい加減にしろよ、この・・・ゴミ野郎っっ!!!」


 俺は折れた剣の根本を左手に握った。刃が手に食い込んで血が流れる。こんな痛み屁でもない、この悪魔を殺せ・・・俺は甘かった、こいつに僅かにでも殺戮の理由を求めてた。


 けど今ので分かった、こいつに理由なんてない。今こいつは、ただ自分の楽しみの為だけに、全ての平和の願いを踏み躙った。


 「にひひ、良い目になって来たじゃないか。さぁ怒れ、覚醒して僕を追い詰めろ!!」


 三上の笑顔は更に明るくなった。曇りなんて一切ない、無邪気に笑う子供のような笑顔だ。


 俺と三上の戦いは続く、たった今、夜が明けた。

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