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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 最終幕 THE END OF THE ANOTHER WORLD(中央決着、バッドエンドゲーム 終幕)
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リメイク第二章 ROOFTOP BY RULER

 フォックスと麗沢たちが戦いを繰り広げる直前、俺は屋上への階段を登っていた。そして俺は様々な思いが駆け巡っていた。俺はあいつに勝ちたい、そのチャンスを掴んだ。そしてグレイシアさんは俺に頼んだんだ。俺はその期待に応えたい。そう思ってるのに、何なんだこのモヤモヤモヤは・・・

 

 そうか、俺・・・何も考えずにここまで来てたんだ。ただ目の前にヤバい奴がいる、それが襲い掛かってくる。それを何とかしなきゃ。俺はただ単にその勢いに流されるままここまで来てたんだ。


 俺が何で覚醒出来ないのか、分かった気がする。俺、怒りきれてないんだ。目の前の出来事にかーっとなって、暴れて、でもそれって本気の怒りじゃ無いよな。なんか、あいつにそうなるように仕向けられたって、そんな感じがしてる。

だから今、俺は少し怖くなって来てる。こんな俺が、三上と戦って良いのか?


 階段を登ると上の方から声が聞こえて来た、これは・・・歌?この歌は知ってる、昔の映画の歌だ・・・何でこんな歌を今更・・・あ、そう言えば前にグレイシアさんが教えてくれただけ。三上は歌が上手いとかなんとか・・・ちっ、俺がここまで切羽詰まってるのに余裕かよ・・・


 『ガシャンッ!!!』


 俺は階段の上にある鉄の扉を開けた。強くて冷たい風がビルに入り込んで来る。空は薄っすらとオレンジが見え始めている。


 「ふーんふふーん・・・ん、やっぱり君が来たんだね、坂上 桜蘭君・・・」


 三上は給水塔?の上に腰掛けて歌っていた。そして三上はそこから飛び降りると俺の目の前に立つ。


 「やっぱり?三上、やっぱ何か仕組んでたのか?」


 「いや?あのサイコロは正真正銘ただのサイコロさ。でも、僕は君が来る、そんな気がしてただけだよ。それにしても、更に腕を上げたね、ここに来るまでかなりの早さだ」


 「へっ、褒めてもなんも嬉しくないッスよ」


 「けど、今君は悩んでる・・・その感情を取り払わない限り、君は僕に勝てないよ?」


 やっぱりエスパーかよこいつ、人が思ってる事をずかずかと土足で踏み荒らす。


 「かもな、だから今俺はこう考えることにした。俺は馬鹿だから、とにかく悪の帝王のお前をぶっ倒す。お前が何者で、何の目的で世界を滅ぼそうとして、何が悲しくて俺たちはお前の暴走に巻き込まれなければいけないのか、そんなのはお前を倒してから考えるッス」


 俺は剣を抜いた。


 「単純明快、それも一つの答えか。なら、これは意味ないね」


 「っ!それは!!」


 三上が取り出したのはリーダーの装置だ。


 「まずはこれから教えてあげよう」


 『スパンッッ!!』


 三上は装置を投げ捨て一瞬で切り裂いた。ただ、それをやったところで何も起きなかった。そして桜蘭は見た。この装置の秘密を、


 「この装置の中身はただの点滅するだけの僕が適当に作ったおもちゃだ。そこにおもりを入れて通信装置に見せかけただけなものなんだ」


 「っ、なら、俺たちの旅の意味は・・・リーダーの意味って」


 「何にも無いよ。君たちはただ爆発もしないただの発光する機械を壊して回ってただけさ」


 「・・・なら、世界各地の核の話は・・・まさか、ディエゴの言った通り、嘘だったのか?」


 桜蘭は三上が切り裂いた装置の中を見つめた。


 「半分正解、けど半分不正解だね。核は確かにこの世界に存在するよ。ただ、世界各地の原子力発電所には無い。そしてそこを爆破する爆弾も無い。ある場所は〜・・・そうだね、君が僕を面白いと思わせてくれたら教えてあげるよ」


 三上はイタズラな笑顔を浮かべた。


 「ちっ、本当いちいちカチンと来るッスね。けど、お前に一つ感謝しないとな。俺がここまで来れたのは正直あんたのおかげでもある。あんたの強さが俺をここまで来させてくれた、まずそこに感謝を言わせてもらうッスよ。


 そんで、ここからは俺の本心・・・


 ・


 ・


 ・


 とっととくたばりやがれ!!三上ぃぃぃぃっ!!」


 俺は剣を振りかぶり、最終決戦の火蓋が切って落とされた。


 「うおおおおおおおおおっっっ!!」

 「せいやぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」


 俺と三上は同時に攻撃を繰り出した。まずは倒せっ!意識を集中させろっ!!三上 礼を倒すんだ!!


 剣と剣が激しくぶつかり合う。


 「ぐぐぐっ!!!」

 「ふふっ・・・」


 重い・・・剣を捌け。そうだ、引き金を引いてその勢いを乗せてっ!!


 『ズガンッ!!』

 

 三上の剣は大きく弾かれた!隙が出来た!!ここだっ!!


 『パシッ・・・』


 だが三上は俺の剣を素手で受け止めた。なら、もう一度撃てっ!!


 俺は風の魔法で今度は俺を弾き飛ばした。三上の手から俺の剣が離れる。


 そして、今度は上からだ!!電撃を何発とお見舞いしてやるっ!!


 『ズガガッッッ!!!』


 「んっ」


 三上はそれを素手で弾いた。残念だったな、俺の電撃は前の時とはレベルが違うんだよ。予め電撃の魔法をお前との戦いの前にチャージしておいたのさっ!!


 三上の身体が少しのけぞった。更に追い討ちだ!!奴の視界を奪え、目に向かって撃つんだ!そして一気に踏み込んで奴を切るっ!!


 俺は前に走った。だがその時ある事に気がついた、三上の奴・・・いつのまにか納刀している。これはあの技か!!


 『ガギィィィィィンッッッ!!!』

 「つっ!!!!!」


 俺の剣は三上の抜刀によって大きく弾かれた。


 「うん、良い攻撃だ。けど、やっぱりまだ踏み込みが弱いね」


 体勢を整えろ!あいつのあの抜刀術は攻撃した後に隙がある!!この弾かれた力を応用するんだ!!そのまま俺ごと飛べ!!そして・・・下段からの遠心力回転斬りだっ!!


 「うおりゃぁぁぁぁっ!!!」


 「へぇ、その身体のこなし方・・・エンリコ君譲りだね、成る程、確かに重たいその武器ならばあの戦闘スタイルは君に合うのかもね」


 けど、俺の渾身の一撃なのに三上にまた止められてしまった。


 「けど、まだ僕の方が強いね。うん、多少は楽しくなって来たかな?まずは一つ教えられるのはこれかな?踏み込み方を教えてあげるよ、それで僕をもっと楽しませてよっ!!」


 三上は上段から一気に剣を振り下ろした。俺はそれを剣で防ぐ。


 「ぐぐっ!!!!くっ!!重っ!!!」


 三上の一撃を受けた瞬間、衝撃は一気に地面を駆け抜けて地面にヒビが入る。


 手が痺れる!足がガクガクする!腕が・・・千切れそうだ!!けど!!!


 「ぅぅううおおおおりゃぁぁぁぁっ!!!」


 「おっ!」


 俺はクソ重たい一撃を捌く事に成功した。そして・・・


 「うらぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


 俺は三上にようやく一撃を与えた、三上の身体から血が吹き出す。


 「ははっ!!」


 三上の身体は宙を舞った。


 「はぁ・・・はぁ・・・」


 ちっ、たったこのやりとりだけで全体力を使い切ったみたいだ・・・けど、あいつがこれでやられる訳ないよな。


 三上は空中で体勢を立て直して地面に降り立った。胸元から血を流しながらも三上は笑顔で俺の前に立つ。


 「うん!!面白くなって来たよ!!あははっ!!さっ!!もっと楽しもうよ!!この最後の戦いをっ!!」


 また来るっ!!三上はより笑顔を明るくさせて俺に襲いかかる。あの表情、何か裏があるとは到底思えない・・・こいつ、マジで今この瞬間。俺との戦いを楽しもうとしてるんだ。


 「・・・くぅうおおおおおおっ!!」


 俺はまだ動けるだろ、やっと一撃与えたんだ。もっとだ、もっと!!あいつを追い込めっ!!!


 戦いを楽しむ、そんな異常な事は三上くらいしか持ち合わせないだろう。そう考えてた、けど、今この瞬間、わずかに喜びを感じた。腕が悲鳴を上げて、足がガクガク震えるのに、まだ足掻きたいと心が叫ぶんだ。勝利への欲望が、俺の中で渦巻く。


 三上を倒したい、三上を倒せ、三上を超えろっ!!


 「そう!!それで良い!!もっと素直になれ!!このギリギリの戦いを楽しむんだ!!そしてその感情が君を覚醒へと導く!!さぁ足掻け!!僕に食らいついてみせろ!!僕を!!殺してみせてよっ!!あっはははっっ!!!!」


 三上は再び剣を納刀した、あいつのあれは目で見ることはできなかった。なら、あいつの思考を読め。俺の動きに合わせるのなら、攻撃が来る場所は!!


 「上だっ!!!」


 俺は斜め上に全力で剣を振った。


 「っ!?」


 三上の一太刀は素早くて重たい。けど、真っ直ぐ来る。だから横からの力には弱いだろ!!


 『ガギィィィィィンッッッ!!!!』


 三上の体勢が崩れた。ここだっ!!ありったけをぶちかませっ!!!


 「こいつで!!」


 俺は銃に最大威力の電撃の魔法を溜め込んでおいた。後は引き金を引く、ギリギリ限界威力のこの銃なら、あの三上が最初に見せた、どてっぱらに穴を開ける以上の威力は出る筈だ!!!


 「終わりだぁぁぁぁぁっ!!!」

 『ズドォォォォンッッッ!!!』


 巨大な黄色い閃光のような電撃が放たれた。けど、俺のこの一撃は外れた。三上の奴は突然あり得ない方向に飛んでいったんだ。


 三上はゴロゴロと転がり、体勢を立て直した。


 「いてて、今のは危なかったね・・・」


 「今のは・・・あの時の見えない」


 そうか、三上にはまだこの技があった。どれだけ意識しても突然飛んでくる見えない攻撃。使い方次第では緊急回避にも使えるのか・・・


 「そ、まだ奥の手として使おうと思ってたけど、思わず使っちゃったよ。けど安心して、まだこれを君への攻撃に使うつもりは無いからね。


 けど、君のその強さに敬意を表してそろそろ僕も技を解禁して行こうかな。ラスボス戦で言うところのパターン変わるタイミングさ」


 三上は今度はまるで剣道の中段の構えみたいな体勢を取った。俺も同じような構えを取った。何をする気だ?


 「桜蘭君、僕のさっきまで使ってた抜刀術は前に見せたアレじゃない。さっきのはただ単に僕の速さだ。零羅さんを気絶させた技はコレさ。さぁ、君に捉えられるかな?」


 何処から来る・・・前後左右?後ろ、全てに集中しろ。僅かな動きも見逃・・・


 「え?」


 俺は瞬き一つした覚えは無かった。なのに三上は俺の懐に入り込み剣を振り下ろしていた。


 「ぁぁあっ!?」


 咄嗟に後ろに飛んでみたけど・・・くそ、左腕を切られた。


 「一つアドバイスをあげようか、君と僕の戦い方は少し似てるよね、相手の動きを見極めて返し技を放つ、後の先って言うんだけどね。けど、僕と君とじゃその戦い方に差がありすぎる。攻めに回らないと僕には勝てないよ」


 むしろそいつはお前の戦いやすい方法になるだろうが。にしても、何なんだ。今思えば、見えていたような気がする。見えてるのに身体が反応しない・・・まるで俺の動きが完全に読まれてその中を突っ切ってきたような。ん?なんかそんなの昔、麗沢に、あれは確か・・・


 「縮地・・・って、やつか?」


 「ん?知ってるの?」


 そうか、答えが出た・・・そりゃ反応出来ない訳だ。三上の技の正体は縮地法。漫画でたまに見かける瞬間移動みたいな戦闘方法だけど、現実にも縮地はあるらしい。


 けどそれは漫画みたいなめちゃくちゃな速さって訳じゃなく、相手の呼吸や身体のこなしを見極めてたった一歩で間合いを詰める。相対した敵はまるで瞬間移動して来たかのように感じるらしい。


 三上の最も得意なのは相手を読む事、そいつがやる縮地は正に瞬間移動にしか見えない。


 「あぁ、麗沢君の知識か。彼、結構物知りだね。そ、あの技の正体は縮地。さて、第2ラウンド、どうこの縮地を攻略するのかな?」

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