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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第三幕 The Turning point (ゲーム後半戦)
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リメイク第二章 追いつくは己を超えし者

 ディエゴは足を踏み出し剣を豪快な感じで担いだ。

 

 「行くぞ・・・」


 来るのは一瞬・・・ディエゴの本腰を入れた一撃は、何処まで威力が上がる?


 見極めろ・・・


 ・


 ・


 ・


 「ここだっ!!」


 「んっ!?」


 俺はディエゴに剣を合わせ、攻撃を弾いた。衝撃波が空へ消える。


 「うおおっ!!」


 本腰とは言え、威力をより上げたのなら、返し技が発動した時、俺の方が早い!!!くらいやがれっ!!!


 「ぐはぁっ!!」


 俺はディエゴの脇の下から思い切り身体を回転させて切り上げた。ディエゴの身体は綺麗に弧を描いて飛んでいく。俺にここまでの力があったのは驚きだ。けど、俺は今、ここまで成長したんだ。


 「え、嘘・・・サクラが一対一で、ディエゴに?」


 エルメスが口をぽかんと開けてる。


 「ひゅー、これはディエゴ殿が先輩を甘く見たのが原因でござるな」


 「うん、勝負は案外一瞬で着く。サクラ、頑張ったから」


 グレイシアさんが珍しく褒めてくれた。


 「成る程・・・その通りだったようだ、レイサワ ダン君。どうやらオレは君を甘く見過ぎていたらしい。そしてオレも・・・自惚れていたな。サカガミ サクラ君、おかげで今少し気分が晴れた、ありがとう。装置はまだ壊れてはいないな・・・つまり、まだオレの敗北ではない」







 なんだ?ディエゴの雰囲気が急に変わった・・・意味がある。剣の握り方、まるで違うぞ?剣を持つ事に意味を持った。さっきまでのただ強い剣じゃ無い・・・これは!?


 「うわぁぁっ!?」


 俺は咄嗟に一気に身を低くした。なんかそうしなきゃ死ぬって思ったんだ。


 「ありがとうサカガミ サクラ君。お陰で俺がこの剣を振る事に意味を持てそうだ」


 俺は後ろを振り返った。


 「は?」

 「おー、まいがー・・・」

 「嘘・・・」

 「えぇ・・・」

 「噂は、本当だったから?」


 俺の後ろにあった公衆トイレ、その建物が横から真っ二つに切断されてしまっていた。そして個室に取り残されていたおっさんが一人・・・


 「ん?少しやり過ぎたな、修理費用は俺が払っておこう」


 個室のおっさんは急いでズボンを上げて逃げていった。


 「さぁ、続きと行こう・・・」


 俺はディエゴの目を見た瞬間力が抜けた。勝てる訳ない・・・今のディエゴは三上と勝利したその時の、軽く数倍は強い、直感で分かる。


 けど、俺たちは先に行かないと、勝たなきゃ、そして覚醒しなきゃ・・・


 「っ!?」


 そんな思考が頭を駆け巡ったら、すでに俺は空を何回転もしていた。駄目だ、気迫の時点で完全に負けてる・・・俺が、あいつの何かのスイッチを押したのか?


 「せ、先輩っ!?ど、どうなってるのでござる!?って、どっほーっ!!」


 麗沢も、


 「くっ!!こんにゃろー!!!よくも私のサクラをーっ!!」


 あれ?いつ俺ってエルメスの所有物になったっけ。けど、そのエルメスもディエゴの一撃で倒された。


 「次は君か?グレイシア ダスト君・・・」


 「・・・うん、降参だね。今の君と戦うと、そもそも勝てるかどうかわからない上に、もし戦えば、確実に誰かを殺すから」


 グレイシアさんは手を上げて降参した。シィズさんは言わずもがな。


 まさか、こんなにあっさり勝負が決してしまうなんて・・・勝負は案外一瞬でか。けど、どうすれば良い?負けたら俺たちは、そしてこの世界は・・・


 「・・・サカガミ サクラ君、一つ、これは俺の憶測でしか無いが、聞いておいて損は無いだろう。ズバリ言うが、ここで君が敗北しようと、あまり意味は無いと言う事だ」


 ディエゴは剣を背中に背負った。


 「意味は無いって、俺たちが負けたらこの世界は・・・」


 「そこだよ、ゲーム終了までは残り僅かだ。それは君たちのバケモノ化の時間も迫っていると言う事では無いのか?しかし、君たちには例の話にあったアマガミ スイレン君のような意識の喪失はない。つまりこれは、君たちはバケモノになる事は無いと言う事だ」


 っ!!?そう言えば・・・何で?睡蓮の奴はふらふらって感じだったのに、俺たちは別にそんな風に全然なってない。


 「あ、でも原爆の話はどうなるんスか?」


 「そこもだ、王が自らの体内に入れた爆弾は確かに存在する可能性はある。しかし、こうも考えられないか?核がこの世界に存在するためのアピールであったと。つまり、現存する核はあの王の一つのみ。他はそもそも存在していないと。


 君たちも話を聞いただけで何処にどのように存在しているのか見た訳では無いだろ?」


 「つ、つまり・・・世界を滅亡させる爆弾ってのは、三上のでっちあげ?」


 「考えたまえ、俺もシャルロットの書いた原爆に関する論文を一度読んだ事があるが、あんなものをたった数年で何十、何百と作れるとは思えない」


 全てに納得がいった、もう必要ないんだ。俺が戦う理由はもう無い・・・


 「呆気ない幕引きになるのは国民が納得しないだろうが、これは映画ではない。それでも王は死に、君たちはそれの実現に貢献した、それで十分だろう。


 後は俺がやっておく、勝負は形だけでも終わらせなければならないからね。済まないが気を失って貰うが、明日は柔らかなベッドの上で目覚め、ゲーム終了の時刻をテレビのニュースで眺める。そして君たちの勝利をメディアは取り上げる。悪くは無いだろ」


 悪くは無いな・・・ここまで頑張ってこれかよって気もするけど、これは映画でも、そもそもゲームの世界じゃないもんな、この世界は。これは紛れもない現実だ。だからこんなもんなんだ。俺たちの勇者としての結末は、これで良いのかも。


 あー、ディエゴ・・・めちゃくちゃ強かったなぁ・・・


 俺は目を閉じる。後は意識が飛ぶのを待てば良い・・・明日からは何しようかな。元の世界に帰る方法を探す?いや、エルメスがこの世界を案内してくれるとかって言ってたっけ・・・


 ・・・ダメ


 ん?なんだ?何でまだ気を失わない・・・俺は早く明日になって欲しいんだ。


 「・・・起きて下さい」


 へ?今の声・・・なんだ?俺の頬に手が触れられた。そして触れられた瞬間に、身体の疲れが一気に吹き飛んだ。


 「はっ!?」


 「まだ、終われないですよ桜蘭さん・・・」


 「は?え?れ、れ・・・」


 夢でも見ちゃったか?ここにいない筈の人がいる・・・


 「・・・桜蘭さん!!!わたくしです!!零羅ですよぉっ!!!」


 「いだだだだっ!!!」


 零羅はぽやんとしてた俺の頬をつねってきた。めちゃくちゃ痛い、夢じゃない?まさか、零羅が・・・生きてるのか?


 「やっと、追いつきましたよ。桜蘭さん」


 零羅はニッコリ笑ってる・・・


 「零羅・・・」


 「はい!地獄の底から舞い戻ってきてしまいました!!」


 零羅が笑った瞬間、エルメスが零羅に抱きついた。


 「おっとと・・・」

 「レイラ!!あんた生きてたなら連絡しなさいよね!!本当にもう!!」

 

 「えへへ・・・申し訳ありません、連絡手段が無かったので・・・」


 零羅は照れるように笑う。そしてエルメスは大泣きしていた。


 けど、零羅が生きてると言う事は・・・他のみんなも零羅が生きていた喜びの直後に、その恐怖心がやって来た。


 「カミワズミ レイラ君・・・まさか生きていたとはね、それは良かった。だが一つ君が生きていると言う事は、まさかとは思うが、彼も生きているのか?」


 そしてその質問をしたのはディエゴだ。


 「はい、三上 礼さんは・・・生きています」


 安心した・・・何故だ?俺はあいつが生きていた事に安堵した。あの勝利に納得が行かなかったからなのか?


 「そして、全世界を滅ぼすほどの核も存在していました。この世界各地にある原子力発電所、その正体は濃縮ウランを作り出す実験場だったのです。そしてそこはゲーム終了時にわたくしたちが敗北すると爆破される。そうなれば世界中に汚染物質が大量に流れ出てしまい、この世界は人間どころかあらゆる生命が存在出来なくなってしまうらしいのです」


 三上の野郎・・・そんな事をしようとしてたのかっ!?

 

 「・・・成る程、王の狙いは核爆弾を作る事ではなく、その実験施設を作る事にあったと言う訳か。それが王による世界滅亡のシナリオ・・・君たちが戦わなくてはならない理由が出来てしまったな。そして王が存在するならば、俺は任務を続行せざるを得ないか」


 「出来ればディエゴさんにはこのまま引き下がって欲しかったのですが、三上さん曰くあなたはそんな事は出来ない人間らしいですね・・・時間はまだ少しあります。ディエゴさん、わたくしはあなたに勝負を挑みます!!」


 零羅は炎神を構えディエゴの前に立った。


 「一対一か、俺は構わないが?」


 「いえ、1対1とは言ってません。とりあえずわたくしの力試しをしたいだけです」


 「ちょ、零羅!?ディエゴは・・・」


 「大丈夫ですよ桜蘭さん、わたくしも・・・めっちゃ強くなったので、見て下さいね」


 この笑顔・・・戦いを楽しむ三上と似てる・・・零羅は覚醒した。今の零羅は、あの俺の知ってる零羅じゃない?


 ・・・いや、けど俺は信じる。そして何があったにせよ、零羅は俺たちの味方でいてくれてる!それで十分だ!


 『トン・・・トン・・・』


 零羅は左足のつま先で地面を突く。そして3回目、足を突いた時、俺の視界から突然零羅が消えた。


 『バギィィィィギギギッッ!!!!!』


 「ぐっっ!!!!」

  

 「流石ですね、わたくしの攻撃を真正面から受け止めるなんて」


 さっきまで俺たちをめちゃくちゃに追い込んだディエゴがいきなりきつい表情になった。いや、俺が完全に見失った零羅の攻撃を見極めて受け止めた事自体がヤバいと思うべきなのか?


 「中々やるな、だが・・・」


 「まだですよ」


 零羅は今度は思い切り身体を回転させ、回し蹴りを放つ。


 「ぬっ!!!!!」


 それをまたしても防いだが、ディエゴは衝撃に耐えられず吹き飛んだ。


 「そして!!!」


 『ギュアアアィィィィィッッッ!!!!』


 足の炎神に纏ってるあれは炎?けど、ただの炎の魔法じゃないぞ?まるで、炎神そのものが沸騰してるかのように真っ赤だ。零羅はそれをディエゴに向かって踵落としを放つ。


 「この力はっ!!?」


 「名付けて!!万象(ばんしょう)溶解撃(ようかいげき)!!」


 爆炎と共に地面が溶けた、そしてディエゴが立っていた場所はまるで溶岩の池となった、てかネーミングなんやそれ。


 「覚醒の力か・・・そして、今君はそれを完全に使いこなせている・・・」


 そしてディエゴは何とか回避していた。まぁ、あんなの喰らったら身体が消し飛ぶわ。


 「そうです。あの時、崖から落ちたわたくしと三上さんは落ちながらもまだ戦い続けていました」

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