リメイク第二章 王を超えしは王に仕えし剣豪
ここが食堂車か、しかも高速鉄道での食堂車なんて初めてだな。
最初はそんなに行く気無かったけど少し楽しみだな。二階建ての上階席、シュンシュン言いながら飛んでく景色見ながらのレストランみたいな雰囲気は新鮮だ。俺は麗沢おすすめのカレーを頼んでみた。うん、まろやかな味、俺はこれくらいが好きだな。
「にしても、新幹線に乗るのも中学以来ッスかね〜。今もう食堂車なんてないしさ」
「しんかんせん?」
「あぁ、俺たちの世界ってか国の高速鉄道って専ら新幹線呼びばっかりッスからね」
「へー」
「因みに新幹線と呼ばれる所以は・・・」
「はいはい、お前はカレー食ってろ」
モグモグ・・・麗沢の余計なうんちく始まる前にスプーンを麗沢の口に捩じ込んだ。
「そう言えばサクラ、うちんとこのこの高速鉄道って時速二百五十キロが最高速度なんだけどさ、サクラの世界だとどれくらいまでスピードアップ出来た?」
「うん?確か、300・・・」
「320キロでござる!!キリッ!!」
「らしいッス」
そうやって考えると、最初の頃の新幹線より大分早くなったなぁ、確か最初は220キロだったよな。
「あ、後鉄道っちゃ、鉄道なんスけど、将来的には500キロ越える、磁石かなんかで浮いて走るのも出来るらしいッスよ?」
「超伝導リニアの事でござるな」
「ほうほう、将来的には現行より軽く五十キロは早く運転可能か・・・そんで、浮上して走る・・・原理は分からないけどそもそも浮かぶから脱線の危険も無くなって・・・」
エルメス?何か急にメモを取り出した。
「でさ、サクラ。その新幹線って大体一両幾らくらいかかるんだ?値段相場の違いは前にミカミから聞いたからな」
エルメス?眼鏡までかけだしてどうしたん?
「・・・お?そう言えば、この世界航空機はないのでござるか?」
「あ?こうくうき?」
そう言えば見た事無いな、てか空港がこの世界に無い。それあれば簡単に目的地まで飛べるのに。
「まぁ、要するにでござるよ?空を飛ぶ船の様な」
『ガタンッ!!!』
エルメスが突然立ち上がった。
「な、ななな!!まさか!!そんなのあるのか!?」
「もちのろん、でなきゃどうやって海を渡るのでござる?」
あ、そう言えば海の向こうはまだ知らないって聞いたっけ、クラーケンかなんかがいるとかで。
「そりゃ船よ、せいぜいそこら辺の島しか行けないけどね。それよりも、空飛んだらドラゴンどうするのよ!!ぶつかっちゃうじゃない!てか、普通に鳥もいるわよね!」
「ドラゴンは拙者の世界にはおらぬが?そもそも昨今の航空機はバードストライク対策もうんたら・・・」
「んでさ!!そんでさ!!」
「お、おう・・・」
すげーな、麗沢が押し負けてる。エルメスどんだけ空飛ぶのが夢なんだ?俺はそろそろ客室もどってまーす。2人はまぁ、周りの迷惑にならない程度にね。
『まもなく、新ハシダナに到着します』
お、やっと着くな。
『ピンコーン、ピンコーン・・・』
俺たちは電車から降りた。
「で、そのエンジン出力に必要な馬力は?音速を超える場合はどんな感じになる?」
「ひょぉぉ・・・・・」
エルメスのお父さんがエンターテイナーって言われたの今ようやく理解出来た、あの麗沢が干上がったぞ?
で、ディエゴは・・・こっちだな。
「サクラ、何処行くの?」
「いや、グレイシアさん。なんか、こっちな感じがしてさ・・・多分こっちッス」
何だろ、これは感覚?俺、ディエゴなんか知らない筈なんだけどな。やっぱり、剣豪の雰囲気ってのは感じるもんなんかな?
俺は駅の階段を降りる。そしたらディエゴはその駅前の広場で待っていた。
銀髪と黒髪の混じった髪の長い青年と言った印象だ。けど、こいつはめちゃくちゃ強い・・・三上の怒りとは違う、何か強い意志が全身からビリビリって感じる。
「オレを見つけるのは容易かったか?サカガミ サクラ君・・・」
「なんかこっちって感じがしてたッスからね」
「結構な事だ、この旅で随分と戦いと言う感覚を理解出来たようだな。まずは自己紹介からし直そう、オレの名はディエゴ アンダーソンだ」
「坂上 桜蘭ッス」
「麗沢 弾でござる!!」
「そして、後もう一人の名は、カミワズミ レイラ君だったね。しかし彼女は国王諸共奈落の底へ・・・正直言えばこの任務は上司の死亡と言う事で、装置ごと片付けても良かったんだが、君たちの戦いぶりを見て久しぶりに腕がなったよ。久しぶりにオレ自ら戦いたいと思った。
さて、時間はないがまずは肩慣らしと行こうか・・・」
ディエゴは剣を肩に担ぐように構える。波打った変わった大剣だ・・・
「お、フランベルジュでござるか・・・」
「随分と詳しいね、レイサワ ダン君。ならまずはその身で受けてみようか!」
「おおっふっ!!」
いつも大概俺から攻撃受けてたのに、麗沢から行ったから驚いた。けど、流石にこの程度は麗沢でも受けれる。
「このフランベルジュの独特な形状の理由は知ってるのかな?」
「う、うむ!!この燃え盛る炎のように揺らめく刀身で傷が付くと、塞がりにくい傷が生まれるのでござる!!そしてその塞がらない傷口から細菌が入り、徐々に苦しめるエグい武器でござる!!」
「ご名答だ、レイサワ ダン君。しかし、君たち相手では瞬時に怪我を治してしまうから意味は無いな」
「・・・その武器さ、ディエゴ、それを俺たち相手に使うのって、怪我を治りにくくする為じゃ無いッスよね?その波打った形状は相手の剣を巻き込んで防ぐ為、つまり、剣を使う俺の為に用意した・・・」
「流石だ、サカガミ サクラ君。オレの本命は君だ・・・青薔薇を追い詰め、あの王と渡り合えたのは、君の功績だと聞いた。だから君への対策をしてしたんだよ。サカガミ サクラ君」
「それはどーもッスね。けど、俺はみんなと戦うからこうやって勝てたんだ。その方針は変えないッスよ?」
「構わないさ、君の力を感じれるなら、君がどんな風に戦うのだとしてもね」
「麗沢、ディエゴはどうやら俺と戦いたいらしいッス。だからメインは俺がやる、他のみんなは援護だ」
「御意ー」
さて、真正面から斬り合ってまず勝てる訳ない。けど、ここはやるしか無いな。
「行くッスよ!!」
「来いっ!!」
ディエゴがパワータイプなら、俺もそれに合わせる!!エンリコ仕込み?の、遠心力上乗せ回転斬りだ!!
「ほうっ!!いい動きだ!!サカガミ サクラ君!!全体重が乗っているな!!」
これ、三上ですら効いたのにこいつ、思い切り受け止めやがった。けど、両手だな・・・
「麗沢!!」
「やはり後ろか!!しかしっ!!」
「お、おうっ!?」
ディエゴはその体勢まま、足を後ろに蹴り上げ、かかとを麗沢の顔面の寸前で止めた。麗沢は至近距離の風を浴びて生きた心地のしない顔してる。
そして今度は剣を押し上げ、ディエゴの剣撃に移る。この攻撃は捌いてどうこう出来るもんじゃ無い。よけろ、この大剣だ、振るのは大振り、避けさえすればそこに必ず隙が出来る!!
「ふんっ!!」
「どうだぁぁっ!!」
俺は全力で剣を振った。これなら確実に・・・って、あれ?剣が、止まった・・・
「いい斬撃だ、王にも鍛えられたか?」
「はい?ゆ、指で止めた?」
ディエゴは俺の渾身の一撃を指でつまむ様に止めてしまった。
「そう驚く事では無いよ。どれだけ威力が強くとも、そこには必ず綻びがあるものさ。俺の最も得意な技は見極めだ。文字通り、見ることを極める事だ。今のは君の剣の相殺出来るヶ所を押さえたに過ぎない」
成る程・・・三上が負けた理由はそれか、三上の戦い方は相手をとことん心情を探り、掌で転がして戦う。けど、ディエゴは違う。ただ単に相手の心情とか無関係に動きだけを見ている、ただ真っ直ぐ戦いに勝つ為に剣を振ってるんだ。
自らの心を封じて戦ってる・・・目的意識は無く、ただ勝利のために進んでる・・・
「サクラ!!どきなさい!!」
「っ!!」
「次は二人同時か!!」
エルメスとグレイシアさんが左右にまわり込んだ。ディエゴは俺から距離を取って二人の相手をする。
「んっ!!」
「どりゃっ!!」
「はぁっ!!!ふっ、流石に重たいねエルメス アダムス君。そして、グレイシア ダスト君。君の攻撃は厄介だ、オレが振った剣の衝撃波がなければ全身凍らされていたな」
ディエゴは2人の攻撃を悉く捌く。
グレイシアさんの剣って、そんな効果あったのか。どうりで振る度に冷気が吹き荒れる訳だ。
「ふふんっ!!どんなもんよ!!私さ!実はあんたに個人的に恨みあんのよ!!」
「オレがエルメス アダムス君に?何か気に障る事でもしていたか?」
「二年前!あんた簡単にミカミになびいたわよね!?従うべきがどうのこうのってさ!!もうちょっとまともに戦いなさいよ!!おかげで私がめちゃくちゃ怖い思いしたんだから!!」
どう言う逆恨みだよ。
「あれはアレックス アダムス君が先に言った事だ。君には悪いが、あれ以上の戦闘は無意味どころか害となる」
これに関してはディエゴに賛成かも・・・状況が状況なら、しかも立場が軍の偉い人なら、命令は絶対なんだろうし。それに王不在の今でもちゃんと命令は遂行してるしな。
「だとしても、もうちょっとあったでしょ!!」
「八つ当たりは良く無いな、君の悪い癖だ。エルメス アダムス君・・・」
「えちょ・・・嘘、私がまさか押され始めてる!?」
「ふぅんっ!!」
「あ、わあっ!!」
ディエゴは鍔迫り合いになったエルメスをグイグイと押し始めた。そして、勢いにのり思い切り剣を振るとエルメスはすっ飛んだ。
って、アレ?俺の方に飛んできた!?
『ゴッチーーーン!!!』
「またこれー!!」
「んぎゃー!!」
またエルメスと正面衝突した・・・
「おぉ、綺麗に飛んだな・・・不思議な事だ、まるで磁石のようだった」
「いてて、大丈夫ッスか?エルメス」
「もう、分かってんならちゃんと受け止めなさいよね。てか、何でいつも頭からぶつかるのよ・・・」
「俺が聞きたいッス・・・」
ほんとなんでこんないつもいつも激突すんのさ。
「さてと、それよりシィズ ナナ君。君は見ているだけで良いのか?れ
「あんた相手は流石に無理よ、私は距離を取ってみんなの回復に努めるわ」
「そうか、君の実力は大したものだからこの際、一度手合わせ願いたかったのだがな・・・まぁいいか。さて、そろそろ身体が温まった頃だろう。オレもそろそろ本腰入れて行こうか!!」




