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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第三幕 The Turning point (ゲーム後半戦)
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リメイク第二章 喧嘩は互いの心を知る裏技

 「サカガミ サクラか・・・お前も相当甘い奴と聞いている。わざわざそんな奴を守る必要なんてないものを・・・」


 「俺は守るッスよ、大体サムさんがいなくなったら車の運転誰がするんスか?シィズさんもちょっと荒いし、グレイシアさんに至っては論外。一番乗り心地が良かったのはサムさんなんだ。あの人のおかげで俺たちはここまで戦ってこれたんだ。仲間は誰一人として死なせないッスよ。


 だから、命を天秤にかけるあんたのやり方は、例えどんな理由があっても俺はみんなを助ける為に動くッス」  


 俺は剣を抜き、ジョニーへ向けた。


 「やはり貴様も甘い男だ・・・だがその心意気自体を否定はしない。やれるのならば犠牲者をナシにするのが最も素晴らしい解答だ。しかし俺には力が無い。そして、サムにもな・・・それが出来るのはこの世界でただ一人、ミカミ レイだけだ。


 出来ない癖に全てを守ると豪語するのは、ただの思い上がりだ。お前はどうだ?たったコンマ数秒の判断で全てが変わる。それの連続を全て間違えずに答えを出す事が、お前に出来るか?」


 ん?この男・・・もしかして、


 「あいつにしか出来ないってのなら、俺もやれるようになるしか無いだろ・・・そうでなきゃ、俺はあいつに勝てないからな!」


 俺はジョニーに切り掛かる。しかし、


 「いや、待ってくれ!!」


 サムさんはフラフラと立ち上がった弓を握り直していた。


 「サクラ君・・・ありがとう。だが、これは私の戦い。私はこの手で決着を付けなければならないんだ・・・あの日の、全ての決着を・・・」


 この2人・・・そう言う事か。俺の出る幕じゃなかったかも・・・


 「分かったッス。決着、付けてやって下さい」


 サムさんは俺の前に立った。そして、ジョニーの前に立ち塞がる。


 「死に損ないが俺に勝てるのか?やめておけ、実力差は分かっただろ・・・お前がいくら俺の真似をしても意味はない、そもそも弓はお前には向いていない」


 「かもな。私はお前を倒す為、そして知らしめる為にこの武器を手にしていた・・・自分に合っているかどうかも考えずな。お前の弓を私の弓で潰す事、それが私の正しさへの証明と思っていた。だが、全ては持ち主の使い方次第・・・チュニアさんの言葉だ。サクラ君のおかげで気がついたよ、仲間がいる意味を」


 「仲間か、分からないな。何故お前はそんなに仲間に固執する?そんなにあの三人を失った事が悔しいか?」


 「そうだ、悔しいんだ私は・・・必ず守ると誓った国民を犠牲にさせてしまった事がな。警察が守る国民とは、共に平和な世界と共に生きる仲間だ。だから私は、これ以上仲間を失わせはしないと誓ったんだ」


 「ふん、誓いを立てたところで貫けなければ意味はない。だからお前は愚かなんだ」


 「そうだ、私は愚か者だ・・・『反逆者たち』を束ね、ミカミへの反旗を翻し、この平和なき世界から平和を取り戻す、それが私の願いだった。


 その為に私はこの旅を共にして来た。だが、私はあらゆる面で判断を間違えた。そのせいで仲間を危険に晒してしまった。私はやはり、ビーン隊長のような人にはなれない事を知った・・・私では役不足だと分かったんだ」


 「ふん、ようやく自分の愚かさを認めたか」


 「あぁ、おかげでね・・・だが、愚か者はお前もだジョニー」


 「何?」


 「お前は仲間を理解してないな。お前も後悔しているんだろ?あの日救えなかった三人の命を、命の重さを天秤にかける事、お前はそれを乗り越えたと思ってるのか?それで手に入れたその地位に本当に納得してるのか?


 いや、違うはずだ。お前は今逃げている・・・全ての命を救えるのはミカミだけ、そんなのは彼の異常さを見れば分かる。だが、お前ともあろう者が何故彼に近づこうとしない。彼一人で出来るのなら、自分は仲間と共に仲間を守る。


 そして、ミカミですら守りきれないものを守ろうとは思わないのか?命に天秤なんかいらない・・・」


 「っ・・・」


 ・・・図星か、多分2人とも例のその事件のせいでずっとそれを引きずってる。互いに突入のタイミングを図り違えたのでは?と考えてる・・・


 「黙れ・・・」


 「その言葉、よく言い返す言葉が無くなるとよく言っていたな・・・どうやらお前も私と同じ、間違えだらけの人間だったらしい」


 「くっ!!」


 ジョニーは矢を放ったが、完全にブレている。矢は明後日の方へと飛んでいった。


 「ジョニー、いや我が兄よ・・・あの日の決着を付けよう。結果がどうなろうと私はもう後悔しない」


 サムさんは弓をゆっくり構えだした。


 「サム・・・お前に弓は向いていないと言った筈だ」


 「あぁ、分かってるよ。だからこれで終わらせる、私はこの一撃をもって弓を使うことをやめよう。私には向いていないのでな・・・だが、お前にはこの間違いだらけの、憎しみにまみれたこの弓で、お前を超えなければならない」


 「・・・少しは成長したらしいな。良いだろう、受けて立つ・・・どちらが正しかったのか、今一度知らしめてやろうっ!!」


 ジョニーも矢を構えた、そして互いに弓に魔法を込める。


 「うぉおおおっ!!」

 「ぬぅうううっ!!」


 互いに纏う風の魔法で周囲に暴風が吹き荒れる。


 『とどめだぁぁぁ!!』


 互いに引いていた弦を放った。


 「どっひゃぁぁぁっ!!?」


 瞬間、俺は近くにいたせいでその衝撃を至近距離で喰らって情けない声を上げてすっ飛んだ。


 ・


 ・


 ・


 「いてて・・・ど、どうなったッスか?」


 俺は立ち上がると、膝に矢を受けても尚立っているサムさんと、思い切り吹っ飛ばされて、地面に大の字で倒れているジョニーがいた。ジョニーの胸部分は何か強烈な攻撃を食らったかのようなあざが見える。


 「・・・何故、殺さなかった?今のお前なら、その風の魔法で貫通出来た筈だ・・・」


 「殺す訳ないだろ。私は、どんな事があろうと警察としての矜持は忘れない。相手が例え軍だろうと警察だろうと、どの地域に住んでる存在であろうと、この国に生きる者全ては私の仲間であり、守るべき国民だ。


 私は最初から何も変わりはしない、この甘い考えも捨てる気は無い、捨てるのはただ一つだけだ」


 サムさんは弓の形をしていた武器を分解し、元のナイフの形にした。


 「結局・・・何も変わらないか・・・腹が立つほど、本当お前は甘いな。なら俺もこの生き方は変えられないな、その日その瞬間の己の判断を信じる。お前のように時間をかけずに即決する、瞬間の判断を信じるだけだ」


 「それで良いのかも知れないな・・・戦って勝っても、やはりこのもやもやが晴れる事は無かった・・・あの日の答えはどちらも間違いで、どちらも正解だった・・・そうは思わないか?兄さん」


 「兄さんか、何年振りにそう呼ばれたかな・・・あの日の答えはお前の言うとおりだ、この答えに正解は無い。この世は選択で出来ている、その全てを正解で生きる事は不可能だ。ミカミでも間違いは犯す筈だ・・・サム、もう分かってると思うが、もう過去を振り返るな。俺が言いたいのはそれだけだ」


 「分かったよ、兄さん・・・ぐっ!!」


 サムさんはがくりと倒れ込んだ。それをシィズさんが支えた。


 「す、済まない・・・」


 「全く、無茶しちゃって・・・ほら、その矢を抜くわ」


 そしてシィズさんはサムさんの応急手当てに入った。


 それにしても、このジョニーってやっぱりサムさんのお兄さんのせいか、全然悪い人に見えなかったな。確かに外見は少し怖いけど、面倒見良さそうって直感した。


 だからかな、すごく分かりやすかったんだ。正面に立つと余計にジョニー・ヨゥって人の人柄の良さが伝わった。この人がリーダーになった理由はきっと、サムさんの為だったんだろうな。


 



 「とりあえずここで十一ヶ所目をクリアだ、残すは五ヶ所だなサカガミ サクラ」


 「あれ、意外ともうそんなとこまで来てたんスね」


 ジョニーが俺に話しかけてきた。そして俺も今気がついた。残りは後5、もう終盤に入ってる事を。


 「次の地区は地区ケーブ地区。ケンソウ岳の中腹にある農村にリーダーはいる」


 「岳って山に登るんスか?」


 「そうだ・・・ケンソウ岳はこの国の最高峰の山、この砂漠を抜けた先にその山はそびえ立っているんだ」


 サムさんが身を起こして話に参加した。


 「サムまだちょっと待ってて、今治療中だから!」


 「いや、もういいシィズ。私はどうやらここまでらしいからな」


 「っ・・・」


 サムさんが突然らしく無い事を言った。けど、俺もこれを見て納得していた。サムさんとはここでお別れしなきゃな・・・


 「いや、治せるわ・・・私なら!!」


 「膝の骨が粉砕骨折している。これを完治させるのは君でも一〜二週間はかかるだろう。ミカミ国王ですら、数日はかけなければ完治させられない。悔しいが、私を置いて先に行ってくれるか?」


 サムさんの膝は止血はされたものの、相当なダメージだ。しばらく運転は出来ないだろう。


 「本当に済まない、無鉄砲過ぎたな・・・」


 「ほんとよ!なんでもーみんなこうも無茶すんのよ!」


 エルメスが頭を抱えながらシィズさんの治療の手伝いを始めた。そう言えばエルメスも回復魔法が使えたんだっけ。けど、それでもサムさんの傷は深いらしい。


 「ま、こうしてみんな命はあるんだ、それだけでも良しと思わなくちゃ。三上を倒してこのゲームが終わる時に死んでなきゃ俺たちの完全勝利ッス。だから、俺たちが今すべき事は先に進む他ないッス」


 「けど、ここまで一緒に来たのに・・・」


 「エルメス、これはサクラの言うとおりだから。今は先に進む事を考える」


 グレイシアさんがエルメスをなだめた。


 「今の私では足手まといになってしまう。私はここから応援させてもらうよ」


 「・・・分かったわ。けど、絶対に完治させなさいよ」


 「分かっているさ、君たちが中央に行く頃には完治して祝勝パレードの準備をしていよう」


 サムさんは少し笑って冗談を言って見せた。

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