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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第三幕 The Turning point (ゲーム後半戦)
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リメイク第二章 兄と戦うは勇者を導きし弟

 The turning point




 俺たちは荒野を東へと進む。にしてもランサーは流石だ、めちゃくちゃ早い。時速120キロぐらいなら余裕で出せるんだって。


 けど、流石にそれだと他のみんなを置いてくから控えめに走ってる。


 そして徐々にずっと何も無かった荒野に草や花がちらほら見えるようになって来た。こうなると次の地区、アグリカル地区はもうすぐらしい。


 俺たちは地区手前の所で休息を取った。


 「そういやサム、次の地区のリーダーってどうなってんのよ、そろそろ着くんでしょ?」

 

 「それがですねエルメスさん。シャルロットとの戦闘でどうにも調子が悪くなってしまってね、場所までは知ることが出来たんだが、誰かまでは聞けなかったんだ」


 あらら、あの無線壊れちゃったのね。


 「こういうのって、ミカミのやつすぐ直しちゃうのよね。ほんと、訳わかんないわ・・・これの何処をどう見ても、壊れてる場所なんてわかんないわよ」


 エルメスは無線を見回してる。そしてすぐにサムさんへ返した。


 「んん?あ、サムさん。それアンテナんとこ断線してるッスね」


 俺は横目に見ただけだが、アンテナの付け根が裂けて中の線が切れてるのが見えた。俺の視力のおかげかな?


 「あぁ、ほんとだ。しかし、これがこうなると通信が使えなくなるものなのか?」


 「は、はい?そりゃアンテナがダメなら多分そうなんじゃ無いんスか?」


 サムさん?突然何を言ってんだ?この人・・・


 「サクラあんた、意外と頭良いのね・・・見直したわ・・・」


 エルメス?あんたも何を言うてんねや?


 「あい?いや、これくらいなら誰でも想像つくでしょ!?」


 「私、機械は専攻して無かったからねぇ。機械工学学科はスチュワートさんってすごい人がそこ出身って聞いたわね。つまり、とんでもないエリートしか学ぶ事すら出来ないのよ」


 エルメス、ドヤ顔して言ってるけど・・・この国大丈夫かなぁ。


 「あ、そう言えば君たちの世界は我々よりも文明が進んでいるんだったね。はは、なんか恥ずかしい事を言ったみたいですまない」


 50年前でも、アンテナ壊れたら電話使えないくらいは分かると思うけど・・・まいっか。


 「やれやれ・・・何だったんだろうな今の、な?睡蓮」


 「・・・・」



 へんじがない、ただのしかばねのようだ。



 「っておーい、すいれーん」


 「っ!!あ、あれ?桜蘭?もう行く時間だったか?」


 「いや、まだッスけど・・・大丈夫ッスか?なんか、前にもぼーっとなってたッスけど・・・」


 「あ、あぁ・・・最近なんでかな、ふと気を抜くと頭がここからなくなると言うか、意識が消えてる事があってな」


 「それ大丈夫ッスか?キツイなら・・・」


 「いや、俺一人がそんな体調不良で足止めしてたんじゃ迷惑だ。大丈夫、オーシャナ地区からぶっ通しでここまで来たせいだよ。次の地区に行ってちゃんとした休息を取れば良くなるよ」


 なら良いけどね・・・


 「みんなー!!そろそろ行くわよー!!」


 シィズさんがみんなに呼びかけてる。さて、行くか・・・




 

 あれは、街だ。結構発展してる街が見えて来た。


 「あれがノウバク市だ、別名『麦の都』とも呼ばれている街さ」


 「パンにスパゲッティ、そしてビール・・・私はどちらかと言うと米より麦が好きなのよねぇ・・・向こう着いたら何食べようかしら」


 シィズさんは口からよだれ出てる。あ、麗沢は聞いただけで瞑想入った。目線の先があの街の中にある食べ物を見てるなあれは。


 「この音は・・・30キロ先で唐揚げを、いやこれは・・・この弾けるパン粉の音は!とんかつ揚げている音でござる!」


 お前の聴力をそんなとこに使うな。てか凄いな!


 にしても、俺も腹減ったなぁ、この砂漠地帯超えるのに何日かかったっけ。そんでまともな食事をしたのもいつ以来だっけなぁ・・・



 ・・・・・



 「っ!?今なんて!?って、おわっ!?」


 ランサーが急に止まった。そしてその直後、目の前に何かが横切った。今のは、あの形・・・矢?

 

 「サクラ君!!大丈夫か!?」


 「な、何とかッスね・・・けど、今のは・・・あ、これだ。これは・・・」


 「ジョニーの矢か?これは・・・」


 サムさんは急に口調を重くした。そして弓を引き抜くとよく確かめ周囲を見渡す。


 「成る程・・・今度は私の番という訳ですか。サクラ君、どうやら次の相手は私がしなくてはならないらしい。ここで決着をつけろ、ミカミ国王から私への指令と受け取った」


 サムさんはあの小さめのナイフみたいなの剣を取り出した。しかも、2本・・・そしてそれを合体させた・・・


 何だあの武器・・・双刃剣的な風だけど、刃が同じ方向向いてる・・・むしろ、弓っぽい?


 「・・・そこにいるんだろ?出て来たらどうだ?物音立てなくても私にはわかる・・・」


 サムさんが語りかけると、岩の後ろから一人の男が現れた。軍服の似合うおっさん、手には小さな弓と腰に矢。軍のマークが入った帽子がトレードマークだ。けどこの人、誰かに似て・・・


 「よぉ、久しぶりだなサム・・・久しぶり過ぎて、かける言葉が思いつかないな・・・だから挨拶は、こいつでやらせてもらうぞ!!」


 そしておっさんは手に持っていた小ぶりの弓を一気に引くと、とんでもない速度で矢が放たれた。


 矢が放たれた瞬間、衝撃波が俺まで来る。弓ってそんな威力高いものなのか?


 「ふんっ!!」


 けど、サムさんはその矢を逸らした。サムさんの武器だ・・・アレは、弓で良いのか?弦も無い、ましてや矢をサムさんは持っていない。けど、サムさんが引いて放った何かはあのおっさんの矢を退けたんだ。


 「正確には、五年と六か月、後一四日ぶりだ・・・ジョニー」


 「細かい性格は変わらないな、だが、それ故にお前はいつも大切な時に判断を見失う。愚かな弟よ・・・」


 弟?あ、ジョニーってまさかサムさんの兄さん!?だから少し似てんのか!!


 「それはこっちの台詞だ。お前はいつも早計に判断する、そのせいで犠牲を止められない・・・」


 「ふん、そうは言うがお前のその武器は何だ?私の真似でも始めたか?浅はかだな・・・だから俺の判断も、お前には早計としか映らないんだ」


 「真似た訳では無い。これはチュニア作、宇院倶 亜狼(ウィング アロー)。いつかお前に裁きを下すために作られた私の為の弓。お前のその野蛮な武器とは違う」


 あ、あの武器チュニアさんの・・・どうりで柄とかに装飾がある訳だ。


 「野蛮とは聞き捨てならないな、俺の武器はアメジストセージ工業作、魔装短弓(まそうたんきゅう)ブレイクスルー。風の魔法を巻き込み放たれる超回転の矢。俺はこの弓と矢で数々の事件を乗り越えて来た・・・俺の平和の象徴だ」


 何となく・・・この2人の関係が見えて来たな。深くは聞かないけど、昔相当何かやらかしたんだろう・・・兄弟でここまで殺気バチバチなのがその証拠だ。


 「ふん・・・奴の犬に成り下がって平和を語るか・・・やはりお前とは分かり合える事はなさそうだな・・・ジョニー」


 「彼のもたらす平和の意味が理解出来ないらしいな。そうか、だからお前は逆賊となったのだな・・・愚か、お前がやろうとしている事は平和から最も遠い道だと言うのに・・・実に愚かだ」


 この2人の間、俺はそこに入ってはいけない気がする・・・


 2人は同じように弓を構えた。そして・・・

 

 『行くぞっ!!』


 互いに矢を放つ。それと同時に2人は飛び出し、弓を剣のように振るってぶつかり合った。


 剣術による近距離戦闘と弓による遠距離戦闘、見て学べることもあるかも・・・


 「うおおおっ!!」

 「うおらぁぁぁっ!!」

 

 2人の戦いは続く・・・






 「サクラ君、彼・・・サムのお兄さんのジョニーについて、ちょっと話しておいた方が良いわね」


 俺が2人の戦いを見てたら、隣からシィズさんが話しかけて来た。


 「あの2人、何があったんスか?ただならぬ因縁って感じは分かりますけど」


 「あれは確か五年前ね、当時からサムは警察、ジョニーは軍人でそんなある日、ある立て籠もり事件が発生したのよ。


 飲食店での強盗立て籠もり事件。最初はサムがその事件の担当をしていたわ。けど、その時犯人が人質に取っていた人物がヤバかったのよ。元 国防省長官。エファナ アンダーソン、お忍びってやつね。その人がそこにいたせいで事件は大きくなった。


 そして犯人たちは身代金の値段を跳ね上げてきた。そうなってくると軍も動かざるを得なくなったわ。それでジョニーが派遣されたの。


 けど、サムの指示していた作戦とジョニーの決行した作戦の相違のせいで、2人の間に大きな亀裂が入ってしまったわ。


 サムは裏で突入部隊を待機させていたんだけど、サム自身は何とか説得を試みて突入の隙をうかがってたの。けど、ジョニーの判断はこれ以上待つのは危険と判断して、勝手に突入部隊を突撃させたわ。その結果、死者三名、負傷者無し」


 成る程、そりゃこんな険悪な感じになるわ・・・


 「サムさんは、そのジョニーのやり方のせいで死者を3人出した事が許せないって感じッスよね。けど、現場にいなかったからどうとも言えないッスけど、その突入のタイミングも間違ってなかったら逆に3人で済んだって思わなくもない・・・」


 「あら?サクラ君意外と第三者目線で物事見れるのね。そう、そこが問題なのよ。その事件の後、ジョニーは長官救護の功績で昇格したの。そして昇格の理由は他にもあって、その事件での犠牲者の少なさにあるわ。あの規模の立て籠もりで三人はこの世界ではかなり少ないのよ」


 そっちか、そっちが一番許せないのかも。なんか、まるで人の命を天秤にかけたみたいに感じる。


 だからかな、今その話を聞いたせいかサムさんの攻撃がより憎しみを増大させ、さらに激しくぶつかり合ってるように見える。


 「ほぉ、随分と腕を上げたようだな・・・陛下への憎しみってやつか?それとも俺か?」


 「怒り憎しみなんかでは強くはなれない、この力は私の、私の仲間のお陰だ。一緒に戦ってくれた友が、俺を強くした!」


 「仲間か・・・それが甘いと言っているんだ!!」


 「っ!!」


 実力差、これはジョニーの方が上だ・・・ジョニーの放った矢が、サムさんの風の魔法を押し除けた。


 「甘い・・・甘い、甘い、甘い!!俺はお前に腕を上げたとは言ったが、強くなったとは言ってないぞ!!だから貴様はこの俺に遠く及ばない!!」


 「ぐっ!!!」


 そしてサムさんは防ぎきれず、遂には思いっきり吹っ飛ばされて岩に激突した。


 「サムよ、お前が何故そこまで弱いのか教えてやろうか?そのくだらない正義感のせいだ・・・友、仲間、相棒、そして守るべき国民。それに囚われているからお前は強くなれない。あらゆる面で覚悟がお前には無い、だからお前は、一番大事な時に、誰も守れないのだ」


 ジョニーは弓を構える、これはとんでもない威力だ・・・


 そして矢は放たれた。


 「終わりだ・・・さぁ、次は誰が・・・ん?」


 「ジョニー、サムさんは弱くなんかないッスよ・・・俺たちより全然強い、頼りになる人だ!!」


 俺は間に割って入った。


 これ以上はやらせない・・・

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