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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第二幕 The Bad end game (バッドエンドゲーム)
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リメイク第二章 手にするは鍛えられし勇者達の武器

 「・・・わたくしは、勝たなければならないのです。いえ、ただ単純に勝ちたい。様々なモノに、人たちに・・・」


 「良い答えじゃ、人が武器を持って戦う理由なぞ単純明解なものじゃ。回りくどい、とってつけた言い訳なぞいらん。その答えならば渡せるわい、武器は外にある。ついてきなされ」


 俺たちは裏口に案内された、ここは武器の試しをする場所みたいだ。ベコベコのペットボトルに缶、そして練習台のような案山子があちこちに置いてある。


 「で、武器はこいつじゃ」


 「ジュラルミンケース?」


 チュニアが持ってきたのは頑丈に施錠されたジュラルミンケースだ、普通これの中身と言ったら銃だよな。もしくは札束。


 「ほれ、開けてみんさい」


 ガシャッ・・・


 「へ?札束ですか?」


 本当に札束出てきたよ・・・まさか、賄賂渡して退場してもらう作戦とかそう言う感じなの?


 「あ、これカムフラージュ用のやつじゃ、本物じゃなくてこれメモ用紙。武器は更に開けた下じゃ」


 パカ・・・・・


 「こ、この武器はっ!!」


 その武器を見た瞬間、零羅ちゃんは驚いた。


 「炎の神のように荒々しく、使い方次第では相手を消し炭にさえ出来てしまうじゃろ。そいつの名は魔法段階変則式戦闘籠手『炎神(エンジン)』じゃ」


 ごっつ・・・めちゃごつ・・・零羅ちゃんの武器は両手足に付ける籠手だ。ただめちゃくちゃごつい、デザインがF○に出てくるイ○リートみたいな感じだ。それを武器の形にした感じ。


 「そいつはのぉ、セブンスイーグルを元に超近接特化に改良したものなのじゃ。その籠手に魔法を与える事で、魔法のパワーはその籠手の先に集中し始める、そうすると手の甲の部分がメーターになってる部分が赤く光ってくる筈じゃ、メーターは五段階、この五段階目になった時、最大出力となるのじゃ。そこに案山子があるじゃろ、試しに三段階で使ってみんさい」


 「は、はい!」


 零羅ちゃんはこの籠手を装着した、すげー違和感ある。身体のサイズに合ってる様には見えない。


 「麗羅ちゃん、やれるッスか?」


 「・・・大丈夫です、わたくしは・・・信じます。すぅぅぅぅぅ・・・」


 零羅ちゃんは構え、大きく息を吸い始めた。


 『ィィィ・・・・』


 そして籠手に恐らく炎の魔法の力が集約されていく。


 「一段階目、来たの」


 零羅ちゃんの手元の籠手にあるゲージが赤く光る。


 『キュゥイイイイイッ!!』


 「2段階目です!!」


 2段階目に入ると周囲に大きな音が鳴り響く、既にこれだけでもこれを炸裂させたらどうなるのか想像出来ない。


 「さぁ、更に上げるのじゃ!」


 「3段階!!」


 『ギャイイイイイイイイイイイッッッッッ!!!!!』


 「うるさっ!!何これ耳が痛い!!」


 音は更に激しい耳鳴りみたいな音へと変わった。


 「行きますっ!!」


 零羅ちゃんはそのまま腰を落としてストレート突きを案山子に向かって放った。


 



 『ズッ、バッグゥォォォオオオオオオオオンンンンッッッ!!』


 「どひゃー!」


 衝撃波が俺まで飛んできて、俺は店の中にまで飛んでった。


 俺が気がついた時には、巨大な火柱が立ち上っていた。


 「す、すげー・・・」


 これが3段階目、確かにこれをマックスパワーでやれたら、三上と言えども粉々になるんじゃねーか?


 俺が見た景色はまるで地獄絵図だ、粉々になった案山子の破片に、地面は抉れてあちこち火が燻ってる。


 「どうじゃ、この力・・・怖いじゃろ?」


 「はい、とても恐ろしい力・・・しかし、わたくしに最も必要なのはこの力なのです。怖いと思って逃げてはダメ、これを使いこなして見せます!!」


 零羅ちゃんはキリッと構えた。


 「『使い方はあなた次第』これは儂が客に対して必ず言う言葉じゃ、たとえそれが台所で使うボウルだとしてもじゃ、儂は客にその言葉を贈る。何事も使い手が悪ければ武器も調理器具も使い手には応えん。皆必ずそれぞれの力を引き出せ、そして必ずや乗り越えるのじゃ。そうすればその武器はまるで手足の様に応えてくれる筈じゃ」


 こうして俺たちの武器が揃った、次に向かうは東だ。この国の南はもう無い。ここからはひたすらは東を目指す事になる。次の目的地はオーシャナ地区、南オーシャナと違い漁村と言った町らしい。 


 しかし、俺たちはここから思い知る事になる。このゲームの難しさを。幸運なんてそんな長くは続かないんだ・・・







 オーシャナ地区 とある路地裏、


 「ガハッ!」


 「しー・・・そんなに大きな声を出す必要はない、安心して死ね」


 今一人の男が殺された、この男は借金を返済するために強盗を行い、その時に誤って人を殺めた。それから一週間逃げ延びていた。しかし男の心の底には罪悪感が徐々にのしかかり始めていた。


 「あ、あなたは」

 

 だから男は殺される事に安らぎを覚えた、そして自身を殺した存在に喜びを得た。


 男を殺したのは伝説の殺し屋、男はまるで憧れだったアイドルに遂に出会えたかの様な幸福の中生き絶えた。


 「次もオーシャナ地区、ターゲットは三・・・」


 殺し屋は今殺した男に目もくれずポケットから写真を撮り出した、そしてその手には三枚の写真があった。二人の青年と一人の少女だ。


 男は写真を戻すともう一枚、写真を取り出した。


 「やっと会えるな・・・『レイチェル』」


 その写真にはエメラルドグリーンの様な髪で、その中に真っ赤な髪も入り混じっている醒ました顔の女性が写っていた。


 


 後日、男は遺体で地元警察に発見された。


 「おいこの殺され方・・・」


 「あぁ、あの人がこの町に来てる噂は本当らしい」


 「それにしても不謹慎だが思うな・・・相変わらず綺麗だ」


 「そうだな、心臓に咲く氷の薔薇・・・血は流れない、ただ左胸に真っ青な氷で出来た薔薇の花が咲いて死ぬ。その死に様は思わず見惚れると言われている」


 「あぁ、だから裏社会ではその殺し方から、この殺し屋の名は・・・」







 『青薔薇(あおばら)







 南オーシャナ地区、東海岸道路。


 『続いてニュースをお伝えします。先日の午前十一時ごろからアオシラで北ウィート在住のジャン ゼラニウムさんが行方不明となっており、調べでは沖に流された可能性が高いと見て・・・』


 「なに?行方不明だと?十一時はまだ私たちがいた筈だ、ニャンタの奴・・・もし遺体で発見されたら減給処分じゃ済まないぞ?」


 ラジオのニュースで何か辺なニュースが聞こえた。サムさんがそれを聞いてニャンタの責任だと怒ってる。


 「遊泳禁止のとこに行っちゃったのかしらね。あ、そう言えばサクラ君そこにいたでしょ?何か見た?」


 シィズさんは俺に聞いてきた、確かにそこにいたけど・・・


 「見てないッスねぇ、仮にあそこらへんだったらワダツミちゃんとシレンさんが見てそうだしなぁ」


 人魚と一緒にいたんだもん、誰か流されたらあの2人なら気がつくでしょ。


 「・・・・・・・」


 そんな事を思ってたら急に車の中がシーンとなった。


 「サクラ、誰よその女?」


 そしてエルメスがじっと俺を睨んできた。


 「お、先輩まさかあの先でナンパを!?いやぁ〜、陽キャになったものでござるなぁ、HAHAHA」


 「ちょっとレイサワ!!変な冗談言わないでよ!!で?サクラ、お前はあそこの岩の裏で何してた?んん?こんな大変な時に変な事してたんじゃないだろうな?」


 怖い・・・


 「ちょっと勘違いッスよ、人魚のワダツミとシレンって子ッス。たまたまそこで知り合ったんス。あの子たち沖に向かって泳いでたから誰か溺れてたら気づくよなって思ったんス」


 俺は海でナンパ出来るほどコミュ力高くないのだ。


 「は?   は?  い?」


 「いやだから・・・」

 「ちょい待ち!!サクラ、ちょっとそれ以上言わないでよ?質問させて。だ、誰に会ったって?」


 「人魚ッス」


 つ・・・・・


 エルメスは俺を病人か何かを見る様な目で俺のデコに手を当てた。何だよ、風邪なんか引いてないぞ?馬鹿は風邪引かないってな。


 「熱はないわね・・・どうしよ、あのボールのせいで後遺症患ってるのかも。わ、私は何て事を!!ごめんなさぁいっ!!」


 何故か全力でエルメスに謝られた、そして泣いてしまってる。


 「ちょっ、ちょいちょい!!何なんスか!?さっきから」


 「だって!!人魚なんて架空の生き物に会ったなんてさ!!どう考えても幻覚見ちゃってるじゃない!!」


 か、架空?   え?


 「先輩、本当に見たのでござるよな?どんな姿だったでござる?」


 麗沢が、真面目だ・・・


 「え、わ、ワダツミって子はちょっと小柄でおかっぱみたいな頭してて、シレンはその子のお姉さんらしくてさ、髪に貝殻の髪飾り付けてたッス!で、みんな下半身はなんか、イルカみたいな感じのヒレがあって!!」


 出来る限り事細かく説明した。


 「で?その人魚は何か言ったの?」


 「なんか俺に零が壱になったから云々って、まぁなんか頑張れってな事を言われたッスね」


 「・・・・・はぁ、やっぱり駄目だわ。サクラは幻覚に・・・だって仮に人魚がいたとしてもどうして私たちの事そんなに詳しく知ってるのよ」


 あ、そう言えば何でワダツミはそこまで俺の事を知ってたんだろ?


 「あ゛ーーーっ!!どうしよー!!!本当にごめん!!!謝っても謝りきれない事をしてしまったわ!!」


 「だー!!俺は正常だって!エルメス!!今は特に何も見えて・・・あれ?外の方に何か走ってる。何かこっちに向かってる動物が・・・」


 動物か?あれは・・・なんか違うな。


 「ん?いや、サクラ君は幻覚を見てない。成る程、流石に街道外れのこの道ならそろそろ出てくるかもしれないとは思ったが・・・あれは害獣だ。前に話したかな?かつてゼロが使役していたバケモノとは違う、古来よりこの世界に住まう獣だ、私が追い返そう・・・」


 『あ、待って下さい!!』


 俺と麗沢、零羅ちゃん、睡蓮がサムさんを止めた。みんな思った事は同じらしい。


 「とりあえず今は俺の頭がどうのこうのよりも、これで示した方が良さそうッスね」


 「拙者は信じるでござるよ人魚、この世界ならばいてもおかしくないでござるからな!!そして拙者も、示すでござるよぉ!わんが、新たな力んぅを!!!」


 「人魚ですか・・・また胸が躍る話ですね、ですがその前に、試さなくては」


 「あぁ、あの害獣たち・・・運がなかったと言っておこう。俺たちの新たな武器、そして覚悟を、それを持ってあいつらに見せつけてやろう!」


 みんなしてサムさんを押し切って、この現れた害獣ってのを相手する。


 俺たち四人が一斉に武器を持ち車から飛び降りた。


 「分かった、君たちに任せよう。害獣は別に殺す必要はない、痛めつけて追い返せば匂いを覚え近づかなくなる。だからと言って手を抜くな。害獣は狡猾だ、様々な手を使ってくる。あいつらの全てを挫いた時こそが勝利だ」


 アドバイスありがとうサムさん。じゃ、行くぞ!!


 俺はいきなり銃に剣を装着させて切り掛かった。


 「うおおおおおお!!!」


 結構重たい・・・扱うには慣れが必要だな。けど一発の威力は重たい筈だ!!


 俺は思い切り横に凪いだ。安心しろ、峰打ちだ。剣の峰で害獣の一匹を吹っ飛ばした。


 「グラルル!!!」


 ハイエナみたいな害獣は俺を警戒したみたいだ。


 「流石先輩!!拙者も行くでござるよぉ!!ふぉぉぉぉうっ!!」


 『カーン!カーン!コーン!! キーン!コーン!カーン!コーン!』


 麗沢がリズム良く害獣の一匹一匹にフライパンで頭を叩いていく。


 「えいっ!!」


 『バチコォォォォンッッッ!!』


 零羅ちゃんの軽い蹴りでも害獣を数メートル吹っ飛ばした。零羅ちゃん、別にあのモードにならなくてもあの技は使えるんだ・・・


 「グルルゥァァァァ!」


 そして俺の元へ数匹が同時に襲ってきた。


 「うおりゃ!!って、あらっ!?」


 けど、流石に知能がそれなりに高いんだろうな。今度は俺の攻撃を見極めて避けられた。俺は真っ直ぐ振り下ろして前のめりにバランスを崩した。それを待っていましたと言わんばかりに一斉に襲ってきた。


 「あっ!!馬鹿サクラ!調子乗るからっ!!」


 「いや、大丈夫ッスよエルメスッ!!うらっ!!」


 『ドンッ!!!』


 俺はそのまま引き金を引いた。風の魔法を応用したんだ、俺の体は空へ向かってポーンと飛ぶ。で、敵を見失った害獣は中心に集まった。ここだ、


 「うぅぉぉりゃぁぁぁっ!!」


 後は全力で電撃を連射した。


 『バチバチバチッ!!!』


 害獣たちは感電した。


 「おら!まだやるッスか!?」


 「・・・ガルッ!!」


 これは、害獣たちは逃げていく。


 「おぉ、やったでござるな先輩!!」


 「みたいッスね」


 どうやらこれで退散してくれたらしい。成る程ね、この剣の使い方は大体こんな感じか・・・けどまだ剣に振り回されてるな、三上みたいにピシッと振れないや。どっかで素振りでもしてみるか。




 『・・・オマエ・・クウ』



 「え?」


 「あ!!サクラ!後ろっ!!」


 しまった!!害獣たちまだ諦めて無かった!何処かに隠れてたんだ!!狡猾ってのは本当だな、誰も気がつかない何て・・・けど、これなら何とか間に合う。あいつより俺が振り向いて撃つ方が早い!!


 「ガッ!!!」


 ドサッ・・・


 しかし、害獣は目の前で突然死んだ。首元にナイフが刺さってる。このナイフは・・・


 「大丈夫か?桜蘭」


 「あ、どもッス睡蓮」


 睡蓮のナイフだ、あのナイフ刀身を飛ばす事が出来るやつらしい。


 「死んでしまったのですか?」


 零羅ちゃんが害獣に手を当てて確認してる。


 「済まない、咄嗟の事だった・・・まぁ、奴らは野生で弱肉強食の世界だ、仕方がないさ。こいつらも生きるので必死だったんだろう。だからせめて、埋めてやらなくちゃな」


 睡蓮は害獣の死体に手を合わせた。


 「そうですね、わたくしが掘ります。この籠手なら一発で掘れると思います。それっ!!」


 零羅ちゃんが穴を掘って害獣の死体を埋めた。


 俺がもっと早く気づいてたら、睡蓮はわざわざ殺害なんかしなくても済んだのかな・・・


 「桜蘭、そう気にするなよ。相手は害獣だ、人間じゃない」


 睡蓮は俺の肩を叩いた、少し震えてた?あ、そうか。また、埋めたんだもんな。


 なんか、いつも適当に食べてた牛丼とかに今度はちゃんと感謝しなきゃな『いただきます』の意味が何故かこの戦いで分かった気がする。生き物を殺す事で生きる俺たちの在り方を。


 俺も害獣の死体に手を合わせて俺たちは再び出発した。

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