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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第二幕 The Bad end game (バッドエンドゲーム)
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リメイク第二章 そこに居るはかつての王とその娘

 俺たちの乗る車は北ウィート地区と呼ばれる場所までやって来た。ここに待ち受けていると言うのが、前国王・・・アレックス アダムス。聞いた話の限りでは国民から愛されるとてもいい国王だったらしい。


 それなのに三上は突然彼のパーティに乱入し、脅して国王の実権を奪い取った・・・どう考えてもそんな人が三上に協力する理由が見つからない。


 俺たちはまた道中のレストランで作戦会議を始めていた。


 「まず、アレックス国王についてなんだが・・・そもそも私は彼が戦うなんて聞いた事が無い。確かに行動力はある人で、よく身を張った行動をする人ではある。前にテレビの高難易度アスレチックの番組に出たんだが、その時はまさかの第三の舞台まで行って視聴者を驚かせた事はあった。とは言え、戦いとなると私は分からないな・・・」


 サムさんがアレックス前国王の話をしている。聞く限り運動神経は良いけど、戦う人では無いって事だ。まぁ国王だし、腕っぷしで国王の座についた人でもない。


 ってか、そのテレビ番組で第3ステージって凄いな。

 

 「とりあえず話を聞いてみるって事は出来ないの?」


 そしてシィズさんはサムさんに意見してる。正直戦い方が分からない話は進みそうにないなぁ。


 (なぁ、桜蘭君だったよな。少し聞きたいんだが、いまいち魔法と言うのがよく分からないんだ・・・あれ、どうやってるんだ?)


 その中睡蓮が俺に魔法について小声で聞いてきた。


 (いや、俺も結構下手だから上手い事言えないんスけどね?なんか想像して自然を操るみたいな感じッス)


 (つまり、呪文とか魔法陣は無いのか?)


 (ッスね、とりあえず想像力でやるのが基本みたいッス。んで、大概手から放つのが基本なんだとか?)


 (・・・難しいな)


 睡蓮は魔法の練習がしたいみたいだ。んで、俺みたいにまだ魔法の扱いが苦手らしい。今も指先がライターの火打ち石みたいな発火しか出来なかったみたい。


 (多分この手の魔法の扱いが上手いのは零羅ちゃんだし、麗沢もそこそこ上手いし、桁外れな氷の魔法はグレイシアさんッスからね)


 (桜蘭君・・・傷つけたら悪いけど、さっき一応他のみんなにもコツをきいてみたんだが、零羅ちゃんは感覚ですって言うし、グレイシアさんはなんか・・・こう、不思議な感じだったし、麗沢君に至っては「イマジネーション、インスピレーション、コンビネーションでござる」って訳の分からない事を言ってたから、それで魔法の扱いが苦手って言ってた君にダメ元で聞いてみたんだ)


 あ〜・・・成る程、つか麗沢のそれはなんだ?


 (そゆことッスか、変わった人多いッスからねぇ)


 (楽しい人たちとも言えるな、俺もあの人たちのおかげで今は少し気が楽だ。それに、なんだかんだ一番魔法の参考になったのは君だよ桜蘭君。なんとなくコツが分かってきた)


 睡蓮は俺と握手するとニコッと笑い、もう一度魔法の特訓を初めた。


 「あ、そう言えばサムさん。そもそもそのアレックスさんのいる所って何処なんスか?」


 後どれくらいかかるのか、俺は気になって質問した。


 「ん?ここからだと明日の昼前には着けるかな?北ウィートも広いからね」


 え、明日?そもそもこの国の国土面積ってどれくらいあるんだ?まじでアメリカ大陸ぐらいあったりしない?それだったらこのゲームの期限って割とかつかつか?


 「よし、まぁそろそろ行こうかしら?ここで話してても後は時間食うだけだしね」


 シィズさんが席を立って会計を済ませる。


 「ここからはアレックス国王の元まで一気に走らせよう、運転は二時間毎に交代で良いか?」


 「あ、それなら俺も運転できると思うッスよ。一応これでもマニュアル持ってるんで」


 俺の出身は千葉じゃなくてもっと田舎で車文化だ。高校の時まではそこにいた。麗沢もな?んで、そん時にマニュアル取っておけって言われてなんとなくで取った。


 「それなら、免許を持ってる者たちで交代して行こう」


 車の免許を持っていたのはシィズさん、サムさん、俺、そしてグレイシアさんだ、睡蓮はオートマ限定らしい。だからこの4人で運転を交代して行くことにした。


 まずシィズさん。結構飛ばす、隣でたまにサムさんが注意してるけどまぁこれくらいなら許容範囲かな?車校でも制限プラス10キロは出せって言われたし。


 んでサムさんの運転は模範だ、綺麗に運転する。だから車の中も揺れなくて全然酔わないし、燃費が半端なく良い。


 それから俺、ミニバンの感覚ってこうなのか・・・慣れないとこれカーブでミスりそう、慎重に運転した。


 ってな感じで次はグレイシアさんよ・・・


 「ぎ、ぎゃーっ!!!」

 「のわーーっ!!」

 「と、止めてーーーっ!!」

 「お助けぇぇ!?」

 「・・・・・・・・・・・ぐふっ」


 飛ばすは荒いわのなんの。良くこれで免許取れたな・・・あまりに激しい運転でみんな死んでた。


 


 「グレイシアさん、運転お控え下さい・・・」


 「?」


 グレイシアさんはサムさんに説教されてるけど良く分かってないっぽい。まぁ、今後この人に運転はさせないだろうな。死ぬ・・・


 そんなこんなで目的地にやっと到着。ここは北ウィートにある一つの大きなお屋敷だ。アレックス前国王の別荘らしく、当の本人もここに今も住んでるんだとか。


 見た感じ立派なお屋敷だけど、門の前に警備はいないし、監視カメラくらいか。警備がやたら厳重には見えないなぁ。


 とは言っても、まずそのアレックス前国王が何を思って三上に協力してるのか探らなきゃな。その為には潜入は欠かせない。だからまずは何処から潜入すべきか・・・


 『キンコーン   キンコーン   キンコーン キンコーン・・・・・』


 ・・・あれ?グレイシアさんが急に動いたと思ったら、おもむろに門の前に立ってインターホンのボタンっぽいのを押した。そしてこの静かな門の前にまでチャイムが響いてきた。


 タカタカタカ!!!!


 「ちょい!!何してんスかっ!?あくまでも向こうは敵で俺たちはここに戦いに来てるんスよっ!?」


 「だから、呼んだから・・・」


 す、すっとぼけ〜・・・


 「そうじゃなくて、そもそもなんでここの人が三上に寝返ったのか分からないから慎重に・・・」


 「うん、けど呼ばなきゃ出てくれないから」


 はひゅーー!!この人はもー!!


 「だとしても!いきなり敵が倒しにきましたー、ってチャイム鳴らすかっ!?」


 「ここで鳴らしてるよ?」


 どひーっ!!天然と言うかなんて言うかっ!!三上・・・この人が嫁さんって案外疲れるかも。って、何俺はあいつに同情してんだっ!!


 俺とグレイシアさんは門の前でわちゃわちゃやってた。他のみんなは警戒して隠れてる。馬鹿みたいにここに突っ立ってるのは俺たちだ。だから・・・


 「み〜つ〜け〜た〜わ〜よ〜っ!!!チェェストォォォッッ!!!」


 『ひゅっ・・・ズドォォォォン!!!』

 「うおわぁぁぁぁぁっ!!?」


 俺の目の前に突然薙刀の刃が振り下ろされていた。けど、グレイシアさんの氷で剣を作ってそれを受け止めていた。


 「あ、エルメス」

 

 「随分なご挨拶じゃないのよグレイシア、あの時の恨み!!ここで晴らさせてもらうわっ!!」


 女の人だ、金髪のクルンとしたサイドテールの髪型で青い目をしてる。年齢的にもこの感じからしてグレイシアさんと同じぐらいか。


 にしても、この人・・・全く俺を認知してない。グレイシアさんばっかり狙ってる。


 「会うのは二年ぶりだね、元気だったから?」


 「何よその疑問系はっ!?こっちこそ二年振りじゃない!!それにしてもまー、相変わらず綺麗な顔のままでさー!って、それじゃないわよ!!二年前の恨みを今ここで晴らすわよっ!!グレイシアッ!!」


 「・・・なんだっけ?」


 「ズコーーーーーッ!!!忘れんじゃないわよっ!!あんたの旦那に世界乗っ取られたのよっ!!そんな事も忘れんなーっ!!」


 テンション高いなぁ。最初は驚いたけどこの人、多分そんな悪い人じゃない。薙刀は確かに危なっかしいけどその攻撃に別に殺意とかは無さそうだし、グレイシアさんも戯れてる小動物をなだめる感じの対応してるし、大丈夫そうだ。

 

 「忘れてはないから」


 「なら話が早いわねグレイシア、決着つけましょうよ」


 「勝負なら、構わないから」


 グレイシアさんとこの人が睨み合った、その時だった。


 「行くわ・・・」

 「こらっ!!やめなさい!!」


 「ふえっ!?わ、ととっ!!」

 「へっ?」


 『ゴッチン!!!』


 突然静止の声が響き、勢いよく踏み出していた女の人はバランスを崩して俺に突進してきた。俺は少しボケーっと見てたから思いっきり激突した。な、なんだこの石頭・・・


 「いたた・・・お、お父様?」


 「エルメス、敵は彼女では無い。それは分かっているだろ?グレイシアちゃん、済まなかったね。うちの娘が失礼した」


 「いえ、久しぶりに遊んだの楽しかったから」

 「あ、遊びじゃないわよっ!!」


 「エルメス、言うのは勝手だが私の目から見てもお前のそれは建前だ。本心はちがうだろ?必死なのは解るがそのせいで見失ってるじゃないか。ほら、今も下・・・」


 「え?ん?あ・・・」


 この人、エルメスさん?ずっと俺を椅子にしてた。俺はぶつかった衝撃で少し気を失ってた。


 「わ、だ、大丈夫っ!?ぜんっぜん気がつかなかった!!まるでずっとそこにあった銅像みたいなレベルで気がつかなかった!!」


 ごめん、ちょっと失礼だよ?俺は空気か?


 「いえいえ、俺は大丈夫ッス」


 「良かった、君がサクラ君だね。話は聞いてるよ、私がかつての彼の国の王だった男、アレックスだ。よろしく」


 この人が・・・物腰の柔らかそうな人、白髪が多いから多分60代なんだろうけど、まだ背筋もしっかり伸びててキリッとしてる。貫禄ある人だ・・・これが、アレックス アダムスか。


 「それで、確か君がレイサワ君で、あなたがレイラちゃんだったね」


 「うむ!」

 「は、はい!」


 「とりあえず皆が聞きたい事は分かる。私がリーダーをやっている理由だね、まぁ、正直に言えばミカミ君による脅しだよ。彼が私にリーダーをやるように命じたから。それが大まかな理由だ。とは言っても、私は君たちと戦う気はない。君らがここに来た、この時点でこの地区の勝利は決まったも同じさ。つまり、私は君たちの味方だ」


 マジでか、はへ〜・・・変に戦いをしなくて済んだよ・・・


 「確かに私はあなたたちの敵では無いわ。けど、この先に進みたいなら私と勝負しなさい。私もミカミのやつにギャフンと言わせたいの、それをあなたたちだけでこなせるのかいささか疑問なのよ。私に勝たなきゃミカミには勝てないわよ」


 成る程、リーダーはアレックスさんで戦うのは娘のエルメスさんって訳ね。


 「やれやれ・・・済まないが誰か彼女の相手をしてくれないか?それに私としても君たちの力を見ておきたいのはある。私が審判をする、一本勝負で構わないか?」


 まぁこの感じなら気負い無く戦いに集中出来るかも。変に生き死にを懸けなくていいのは有り難い。


 「いいわそれで、で?誰からやるの?  いないなら私が指名するわよ?ほら、えっと・・・あんたよ。さっき下敷きにしてた」


 「あ、俺ッスか?」


 えー・・・ポンサンと言い、ランディと言い、俺ばっかりやってたからたまには麗沢行けって思ったんだけどなぁ。けど、指名されたからには俺が行かざるを得なかった。


 「あ、ども。坂上 桜蘭ッス。よろしく」


 「エルメス アダムスよ。なんか、パッとしないわねあんた。もっとシャキッとしなさいよ」


 うっせいやい。

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