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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第二幕 The Bad end game (バッドエンドゲーム)
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リメイク第二章 小さき村に居るは滅亡の中に眠る四人目

 そして夜が明けた、今日の俺は大寝坊だ。どうやら昨日の戦いに加えて、興味本位で慣れてもいないのに魔法の同時使用したのが応えたらしい。


 俺は大急ぎで支度した。例のエミリアンってのがいる場所はタナエ村って小さな村だ。本当に農業しか何もないらしく、なんならこのゲームにも関心はないなんて話も聞く。


 実際ここのガソリンスタンド兼モーテルの店員も、俺たちの正体を知ってても特に普段と変わらない接客って感じだった。この一応大通りのガソスタでこの対応だ、もっと小さな村なら異世界の住人とかどうでも良いっぽい。


 そして車は数時間でタナエ村に近づく。


 「あれ?向こうの方やけに煙たいッスねぇ。野焼きでもしてるんスか?」


 遠くの方に煙が見える、秋ぐらいの田舎ってあちこちで野焼きするよね。


 「煙?本当だ、何だあれは・・・いや、あれはまさか、火事か!?」


 ほへっ??火事?


 「間違いないわサム!!あれ!タナエ村が火事になってる!!これリーダーがどうこうしてる暇無いわよ!!早く行くわよっ!!」


 車は一気に加速した、村に近づくに連れて煙の臭いが車の中にも入ってくる。確かに変だ、野焼きにしてはこの匂い・・・なんか、焦げ臭い感じがする。


 車は藪に覆われかけてる道を抜けて村に入る。するととんでもない景色が俺たちの前に飛び込んできた。


 焼き尽くされてる、ここには確かに焼けこげてはいるが『タナエ村へようこそ』と書かれた看板がある。しかしここにあるのは焼けこげた家と大地。そして何より気になったのは人の気配が全く無い事だ。


 「なんッスか?コレ・・・待てよ、昨日2つの情報が来た原因って・・・」


 「昨日の間にエミリアンは負けていた?」


 「な、ならエミリアンは何処にいるのよっ!?」


 シィズさんが大声を上げた。俺も知りたい、てか誰もいないのか?なんで誰もいない?


 「・・・サクラ君、少し嫌な気分にさせるかもしれないが、言っていいかい?」


 サムさんが重苦しそうに言葉を紡ぐ。


 「良いッスよ・・・」


 「この燃え方は自然の火事では無い、誰かが故意に火をつけている。このゲームの参加者は国民全員・・・と言う事は我々が戦わなくても、リーダーの場所さえ掴めれば、倒しに向かう事は出来る」


 納得してしまった。この国に三上に恨みを持ってない奴の方が少ない。そしてその悪に立ち向かってる俺たちは正義だ。なら、それに便乗する奴らも現れてもおかしくない。


 「・・・だからって、村を丸ごと焼き払う必要は何処にあるのよっ!!」


 「あぁ・・・その通りだ。こうなった責任、必ずあの男に付けさせる、だがその前に気掛かりだ。死体が何処にも無いのはどう言う事だ?」


 「お?もしかして、何処に隠れてあるのではないか!?」


 麗沢が一つの希望を見出した。


 「そ、そうですよきっと!!探しましょう!!今は誰と戦うとかは関係ありません!!」


 そして零羅ちゃんが便乗する。俺も探そう、そしてこんな事二度と起こさないようにさせなきゃ。


 何処だ、何処にいる・・・


 スンスン・・・


 「はっ!?これは!!」


 「レイラさん!!一人で行っては危険です!!」


 零羅ちゃんが何故か鼻を動かして何かを察して走り出した、その後をサムさんが追いかける。


 「いた!!いました!!見つけました!!」


 マジかっ!!なんか小動物みたいな事するなと思ったら!!凄いな!!


 俺は零羅ちゃんたちの元へと走った、そしてそいつは俺も見つけた。ナイフが腹に刺さり、木の根にもたれかかっている。


 「ぅっ・・・なんだ・・・誰だ?」


 若い男だ、とは言ってもどう見ても20歳は超えてる。25位か?


 「落ち着いて下さい、話せますか?」


 シィズさんは早速この男の人の手当てをしている。


 「あぁ、何とかな・・・」


 「一体、何があったんスか?」


 「分からない・・・そもそも俺は何でここに居るのかも知らないんだ。ここが、何処なのかもな・・・」


 記憶無くしちゃったのか?


 「ここへは、彷徨っていたらたまたま辿り着いたんだ。そしたらここの村長に拾われてな・・・しばらく世話になっていた。が、昨日の事だ。突然この村に見たことのない集団がやってきて、ここの村の連中を皆殺しにした。その時に俺は刺されてしばらく気を失っていたんだ。


 そして目が覚めたら俺以外全員死んでいた。俺はなんとか村のみんなを埋めた、そこだよ」


 男の人は指差した。土の山が築きあげられた場所がある。あそこか・・・


 「何で、こんなことに・・・済まないが、このままにしておいてくれ。何もしてやれなかった・・・」


 「馬鹿言ってるんじゃないわよっ!!ナイフは急所外れてるわ。あなたは生きてる、せっかく助かった命なんだから、粗末にしちゃダメ!村のみんなの為にも生きなさい!ほら、歯を食いしばって!!ナイフ抜くわよっ!!」


 「ぐっあっ!!」


 シィズさんが説教しながらナイフを一気に引き抜いた。男の人の腹から血が吹き出す、それを一気に止血していた。


 「よし、これなら大丈夫ね。あなた、名前は何て言うの?それも忘れちゃった?」


 「いや、記憶喪失ではないんだ・・・俺はここを、いや、この世界を知らないとでも言うんだろうか。俺の知ってる場所が、ここには存在してない」


 え、まさか。それって・・・


 「もしかして・・・あなた生まれはニホン?」


 「な、知ってるのか?そうだ、俺の出身は日本・・・お前たちは何なんだ?」


 まさか、こんな所で4人目に出会う事になるなんて・・・


 「な、なぁ・・・ならさ、あんたの怪我は」


 だとしたら、この人の傷はもう無いはず。


 「怪我?  な、何だ・・・傷口が、どんどん塞がって・・・」


 やっぱりだ、この人は俺たちと同じ飛ばされた人だ。こんなとこにも居たなんて。確かに村の壊滅は苦しい出来事だけど、これに関しては喜びたくなった。


 「この世界だと俺たちは多分怪我がめちゃくちゃ早く治るんスよ」


 「俺たち?」


 「そッス、俺は坂上 桜蘭、出身は日本で、千葉に住んでた」


 「それって、まさか君たちも?」


 「いや、全員じゃなくてこの3人だけッスけどね。あいつが麗沢 弾で、この子が神和住 零羅ちゃんッス」


 「俺は、睡蓮・・・天神 睡蓮(あまがみ すいれん)だ」


 睡蓮はゆっくりと立ち上がった。


 「立てる・・・何なんだこれは?」


 「魔法ってやつッス、この世界だと俺たちはコレを使えるみたい」


 「魔法・・・教えてくれ、何が起きてる?お前たちは何を?」


 俺は睡蓮に色んな事を教えた、俺たちの事、反逆者たちの事、そして三上の事も。




 「そんな事が・・・そう言えば、確か昨日襲ってきた連中もリーダーがどうとか、そして村にいたエミリアンって男は今日はリーダーの務めがあると言っていた・・・まさか?」


 睡蓮の話を聞く限り、どうやらサムさんの予測が大当たりしてるみたいだ。この村をリーダーを狙った誰かが襲った。


 「なら、スイレンさん・・・その襲った連中は何処へ?」


 サムさんが睡蓮に問いかけた。


 「突然の事だったからな・・・連中はリーダーを出せと村中を荒らしまわって、俺はこの村の為に戦ったんだ。エミリアンも一緒だったんだが・・・あの人は殺されて、俺は無我夢中で襲ってきた奴らを・・・」


 睡蓮は手をついて倒れると体が震えていた。そうか、この人が・・・ここの為に。


 「成る程、それで君はここの村の全ての人を埋めたのか」


 「そうだ・・・っ、なぁ!あんたらこの原因を作った奴らを追ってるんだろ?俺も連れて行ってくれないか?殺されたここの奴らの為に俺は、償いと復讐を果たしたい」

 

 睡蓮は力強い目で俺たちを見た。


 「七人目、まだあの車に乗れるわね・・・それに、ミカミに対抗出来る力は多い方がいいわ。それに、こんな所に一人置いていく訳にもいかないでしょ?サム、大丈夫?」


 シィズさんがサムさんに聞く。サムさんはしばらく悩み、答えを出した。


 「済まないが、頼んでも良いか?君はあくまで人を殺してしまった、例え正当な理由があったにせよだ・・・だから・・・」


 サムさんは睡蓮に小さく耳打ちした、何を言ったのかは分からない。睡蓮はそれを聞くとゆっくり頷いた。


 「なら、宜しく頼むよ。アマガミ スイレン君」


 「な、なんだか(くん)って呼ばれるのは恥ずかしいものですね。一応俺、36歳なんですけど・・・」


 さ、36?この見た目で?確かにガタイのいいお兄さんって感じはするけど、どう見ても俺の少し上の先輩とかが良いところだろ・・・



 俺たちはそれから睡蓮が埋めた場所へ向かった。俺たちはみんな無言のまま頭を下げた。どうにも、こうなった原因が三上のせいだけとは思えなかったんだ。誰が悪いとかは言えないけど、俺たちはここの人たちへ頭を下げていた。


 こうして新たに睡蓮を仲間に加えて俺たちの旅は進む。

 

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