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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第二幕 The Bad end game (バッドエンドゲーム)
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リメイク第二章 道中に知るは天賦の才を持つ少女

 「ランディ!!」


 「やぁサム先輩、相変わらず真面目そうな人ですね、足の具合はどうです?」

 

 ランディはサムさんを軽くおちょくる感じで応えた。


 「少しずつなら歩けるように回復したさ」


 「拙者はもうピンピンでござる!」


 麗沢も来てたが、さっき肩に銃弾喰らったのに、何事もなさそうだ。


 「不思議ねぇ。レイサワ君の回復速度、数分で完治しちゃったのよ」


 やっぱり俺たちは三上同様に怪我はすぐ治るのか?嬉しいんだか。とは言え、三上の回復速度は尋常じゃなかった。


 「ランディ、途中から少し話を聞かせてもらった。だから言うが、済まなかった。かつての先輩としてお前の事をもう少ししっかりと見ておけば・・・」


 「謝る必要はないですよ」


 「いや、お前の成績を捻じ曲げたのは私なんだ」


 え、サムさんが?そんな風な性格には全然見えない・・・


 「あの日、臨時で行われた能力テスト。あれは成績優秀者のみを集めた作戦があった為だ。作戦内容は武装集団の殲滅、近々そいつらが行動を起こすと言う情報を得た。それの殲滅にあてがうのが成績優秀者たち。しかし、その任務はあまりに危険だった。私はその作戦にお前を加えたく無かった。だから成績を捻じ曲げたんだ」


 「そう言う事・・・だからか・・・サム先輩、今更それ言っても僕はその事なんか気にしてませんよ。気にしていたのはもっとしょぼい、気に入らない奴が僕にその極秘作戦に抜擢された事を後から自慢して来たからだ。結局チビで女みてーな奴はどれだけやっても俺には及ばないってな。それに僕はムカついたんだ」


 あー、それはムカつく。勝手なレッテル貼りする奴は本当腹立つ。


 「彼は目立ちたがりだったからね。今にしても思うよ。お前を連れて行くべきだった。あの作戦、お前を連れて行けば、もっと負傷者を減らせた・・・彼は作戦当日、ずっと隠れていたからね」


 サムさんは苦しそうな顔を浮かべ、後悔してるみたいだ。


 「ふっ・・・ふふっ、サム先輩。今、何て言いました?」


 と、思ったらランディは笑い出した。


 「ん?何がだ?」


 「あいつ、作戦の時どうしてたと?」


 「・・・あぁ、腰を抜かして木の影にずっと隠れていたよ」


 「いい事聞いた。今度会ったら、ようやく仕返し出来る・・・ククク」


 ランディ、結構ねちっこい?笑い方がくら〜い感じで笑う。


 「ランディ、今からでも良い。もう一度警察に戻らないか?君の実力ならば国王に下り、堕落した今の警察組織を変えられる」


 「サム先輩、僕は警察に戻る気はありませんよ。確かに今の警察は陛下のおかげで犯罪率が激減して、組織の改変が要るとは思いますが、僕はアダムス王国軍の狙撃手。一軍人としてこの国の為に戦う。それがいつか、平和に繋がると信じてね。全ては平和の為にさ・・・ほら、これが装置だ」


 ランディは遂に装置を取りだした。そして持っていたライフルのスコープとサプレッサーを取り外した。


 「ん?何するんスか?」


 「サクラ、こいつをぶん投げてみろ」


 ランディは俺に装置を渡した。成る程、理解した。


 「せーの!せいっ!!!ってあ!?屋根の方に飛んでったぁ!!」


 俺が投げたら真上に飛ばす筈が、建物の裏の方に飛んでいってしまった。


 「いや、ここで良い」


 『ズドォンッッッ!!!』


 ランディはほぼ真正面にライフルを撃った。すると弾丸は跳ね上がり上の方で『グシャッ』って音が聞こえた。跳弾かよ・・・すっげーな。


 「さ、これで終わり、君たちの勝利だ」


 「ありがとう、ランディ。それにしても、君の手加減が無ければ負けていたな。最初私を撃ち抜いた時、本気だったら私の脳天を撃ち抜けただろ?」


 「え、僕はそんなつもりは」


 「何を言ってる、かつての後輩だぞ?お前の腕前はよく知ってる」


 サムさんはしみじみと答えた。ランディは少し恥ずかしそうに顔を下に向ける。


 「見てる人って、自分の思ってる以上に自分の事を見てるもんッスよ」


 世の中そんなもんさ、確かに嫌な奴もいるけど、自分では見れない自分を見てくれる人は必ずいる。


 「らしいね、僕もそれなりに本気だったんだけどな。サム先輩を仕留めきれなかった時点で、僕は負けていた訳か。それより、ボーダーと連絡をしてみては?恐らく情報は行った筈」


 俺はサムさん無線機を渡して、周波数を合わせた。


 「ジョシュ、ランディは無事に倒した。次の情報は来てないか?」


 『おう、今しがた届いたぜ、しかも二ヶ所だ。えっと・・・一ヶ所目はライス地区のタナエ村、米農家の集落じゃん。で、肝心なリーダーの名前はエミリアン・ムゥ』


 「エミリアン?確か、グレイシア様たちが学生時代教師をしていたと言う」


 『あぁ、それでもってあのビーン・ムゥの親族。これは苦戦するかもな』


 あの銅像の人の親族か・・・


 「それよりもう一ヶ所はどこのだ?中央方面か、北のコールド方面か?」


 『いや、更に南、北ウィート地区だ・・・変だな、なんでこんな跨いで情報が来た?サム、確かミカミの話では解放すれば隣接する地区のリーダー情報が来るんだよな?』


 「らしいが、彼とて不具合は起こす。西ボーダーのノイズとかもあったからな」


 『あー。ま、ラッキーって事にしとくか。それより、リーダーだったな。待ってろ・・・って、あ?   あ?あっ!?』


 突然ジョシュさんが大声を上げた、ただならぬ感じの声だ。


 「ど、どうした?」


 『おい、なんだよこりゃ・・・嘘だ、ミカミ、間違えるにしてもこれはねーだろ』


 「どうしたんです?」


 ランディも何事かと無線に近づいた。


 「おい、ジョシュ!?」


 『名前・・・アレックス アダムスだ』


 ・・・は?


 「なんだと?ジョシュ、もう一度頼む」


 『アレックス アダムスなんだよ。北ウィート地区のリーダーは、かつてのこの国の王の名前だ!』


 「どういう事だっ!?ランディ、お前は他のリーダーの事を知っているのか!?」


 サムさんはランディの問い詰めた。


 「いえ、リーダーには他の誰がリーダーであるとかの情報は与えられない、だから僕にも見当がつかない」


 「身内でも何も知らせないか・・・ミカミらしい。仕方ない、まずはライス地区のリーダーを攻略しよう。そうすればまた新たな情報を得られるかもしれない」


 「そうッスね、今考えても分からんッスから。ってか、ランディはこれからどうするんスか?」


 そう言えば敗北したリーダー達はどうするんだろ、俺は気になって質問した。


 「陛下から任務終了後に休暇を頂いてる。だから実家の方に帰るとするよ。東のケンソウ岳ってこの国の最高峰の山、その中腹にある農村、僕の実家はそこにある。運が良ければまた会えるかもしれないな」


 そう言うとランディは近くに停めてあったバイクに乗り込んで走り出した。




 (・・・・・・・)


 ん?


 なんだ?誰か何か言った?気のせい?今、空飛んでるカラスの声に変な声が混じって聞こえた気が・・・てか、カラスいっぱい不気味〜・・・


 「先輩?何してるでござるか?早く行くでござるよ〜、そろそろ昼食の時間でござる」


 あれ、麗沢たちももう行っちゃってる。




 

 さてと、サムさんはあともう数時間様子見すれば完治するらしい、その間シィズさんが運転するんだって。


 にしても、俺たちの怪我の治りがとんでもなく早いのも凄いけど、普通にこの回復の魔法の効果もめちゃくちゃすげーよ。折れた骨も数時間で治せるって、これ俺たちの世界の医療現場に持って行ったら医者いらずになるじゃん。




 俺たちは車まで戻って来た。


 「あ、みなさん!ご無事でしたか!?」


 零羅ちゃんが心配そうに駆けつけてきた。


 「無事みたいだから・・・けど、怪我は問題ない?」


 そしてグレイシアさんはサムさんを見てつぶやく。


 「しばらく休めば治るさ」


 「なら、行くの?」


 「そうですね、とりあえず次はライス地区に行こうと思う。相手はエミリアン・ムゥ、まずは彼から攻略しましょう」


 「エミリアン先生・・・分かった、行く」


 サムさんはとりあえずその先のアレックス前国王の事は言わなかった。確かに今はそれの方が良いのかもな。


 そして俺たちは車に乗り込みライス地区へと向かう。





 しばらく走ると景色は工業地帯から永遠に続く田園に変わって来た。


 ここはライス地区、その名前の通りお米が有名らしくてボーダーとかの米文化はここが発祥なんだとか。それで立ち寄ったガソリンスタンド内にあるレストランも米料理が多い印象だ。


 と言うか、ガソリンスタンド内にレストランって・・・この雰囲気はむしろアメリカンな感じするんだけど。内装も、赤いレザーみたいなソファとカウンターテーブル、それから端っこにあるジュークボックス、ダイナーだな。


 「拙者はハンバーグ定食と、米特盛で・・・あと、米粉パンと・・・etc」


 麗沢は馬鹿みたいに注文してるけど、予算はグレイシアさんの持ってる三上の財産もある程度使えるみたいだし、サムさんやシィズさんの貯金もあるから、一カ月ならこの頻度で頼んでも問題ないらしい。


 「サクラ君はどれにするの?」


 シィズさんがメニューを見せて来た。えっと・・・


 「なに?この、じゃんばらや?って?」


 「む?ジャンバラヤでござるか?その料理はスペインのパエリアを起源とする料理で、大きな違いは魚介メインではなく肉と香辛料を多く使っているのが特徴でござるな、その為パエリアと違いチリソース系のスパイシーさのある炊き込みご飯って感じでござる」


 ふーん、俺辛いのは苦手なんだよな・・・


 「先輩はそれでござるな、いやー拙者もそれを注文すれば良かったでござる」


 あ、あれ?いつの間にオーダー通った?しばらくしたら俺の前に赤い炊き込みご飯みたいな奴が出されていた。


 来ちゃったものは仕方がない、食べよう。


 「ぶふっ!!!ごほっ!!か、からっ!?」


 むせた、意外とスパイスが鼻に効いた・・・あれ、けどこれ、結構いけるかも・・・うん、いけるなこれ!!俺生まれて初めて辛い料理が美味しいって感じた。なんだろ、チリ系の辛さはあるんだけど、雑に切ってあるパプリカの甘さが上手く帳消してる。


 「あ、先輩辛いの苦手だったのでは!?」


 「そうッスけど、これは意外といけた。てか、美味しかった」





 さてと、食事を済ませて俺たちはこの場でそのまま軽く作戦会議を始めた。


 「さてと、エミリアンについて少し作戦を練ろう、まず彼についてだが、グレイシアさん」


 サムさんはグレイシアさんに話を振る。


 「彼は私が高校の時の教師で、主に『魔法技術』の授業をよくやってた。あの人は名前の通り電撃の魔法を使う。昔一度学校近くに出た不審者を捕えるのに使ってたけど、先生は魔法の細かな動きが得意だったから・・・例えば手元の稲妻を変形させて武器にしたり、放電を自在に好きな方へ飛ばしたりとか」


 なーる、俺が今一番得意な魔法は電撃。鍛えれば武器に纏わすとかじゃなくて色んな方法がとれるのか。


 「そう言えば、サクラ君は電撃の魔法をよく使うわよね。何でなの?」


 シィズさんが率直に聞いてきた。


 「何でって言われても、何でッスかね?何となく魔法を使おうとすると電撃が一番しっくりくると言うかで、他の魔法はしっかり意識しないと使えないんスよ」


 そう言えばこの世界の人たちは魔法が使えるのはごく一部だし、何なら使えても一つまでしか使えないんだよな。


 「拙者もそれでござるな、拙者はむしろ炎を操るのは何となくでやれるのでござるが、他の魔法を適当に使おうとしても難しいのでござるよな。つまりRPGに例えるとメ○ゾーマは使えるのにヒ○ドまでしか使えないと言った感じでござる」


 分かりやすいんだか分かりにくいんだか、そもそもこの世界にドラ○エは無いだろ、と言うか俺はそもそも最後の幻想的な方しかプレイしてないんだよ。


 「成る程!よく分かりました!!」


 逆に零羅ちゃんは合点承知したみたいに手をポンと叩いて納得してる。この子本当普段何して生活してるんだ?


 「つかさ、零羅ちゃんは得意な魔法とかってあるの?まだろくに戦ってないからどうとも言えないけどさ」


 俺は零羅ちゃんの事を少し知ろうと思って質問した。


 「えっと・・・こうやるのでしょうか?」


 「わっ!?」


 突然風が吹き零羅ちゃんは浮かび上がった、そしてそのまま右手に炎を出して左手には水を纏ってる。


 「同時に・・・使いこなしてる・・・」


 「え、あの・・・ダメですか?何となくで魔法のイメージはこうかなーと、思ったのですが・・・」


 ダメじゃないけど・・・どうやるのそれ?


 「零羅ちゃん、才能はミカミ国王より上かもね・・・」


 シィズさんですら、若干引いてる・・・


 「レイラさん、とりあえずその辺で。店の中だと迷惑になってしまいますよ」


 「はっ!?あ、す、すみませーん!!」


 零羅ちゃんは魔法を解除してポカーンとしてる店員達に謝ってた。


 (魔法の才能もここまでとは・・・)


 ん?何だかサムさんが少し真剣な顔で零羅ちゃんを見てる。魔法の技術力なら多分サムさんの方が上だろうに。確かに俺も驚いたけど、そんなに感慨深そうに見なくても・・・


 「あ、ちょっと俺もやってみるッスそれ。えっと、風と炎と・・・え、水・・・ん?あ、あれっ!!?どへっ!!」


 俺も零羅ちゃんを真似てみようと思ったら頭で整理が追いつかなくて俺の体は店の外まですっ飛んだ。


 「おー、大丈夫でござるか?」


 「いててててて・・・魔法の同時使用ってこうも難しいのかよ・・・零羅ちゃんマジで天才じゃん・・・って、何これめっちゃ疲れた・・・」


 身体が異常に重たい、そう言えばただでさえ魔法は体力、気力を消耗する。それを同時にやればこうもなるのかよ。なら、零羅ちゃんよ体力ってどうなってるんだ?


 「あの〜、良かったらここで泊まっていきます?ここの裏にモーテルありますんで」


 店員さんが俺たちに気を利かせてくれた。


 「タナエ村までは後数時間だからな、そうだな。ここで身体を万全にしてから向かっても良いだろう。済まないが使わせて貰っても良いですか?」


 「あ、はい。六人なら五千七百円で〜す」


 あ、お金はちゃっかり取るのね・・・


 俺たちはとりあえず今日はここで休むことにした。

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