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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第二幕 The Bad end game (バッドエンドゲーム)
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リメイク第二章 旅の始まりは締まらない門出

 「あ、ちょっと行くの待ってくれる?」


 いざ出陣!!と思った矢先、シィズさんが止めてしまった。


 「どうかしたか?シィズ」


 「ちょっと化粧ポーチ忘れちゃってね。私唇乾きやすいからポーチに入ってるリップがいるのよ」


 「あ、そう・・・」


 あらら、それは仕方ない。シィズさんは一度アジトに戻った。


 「ごめん、便所行くから・・・」


 それに便乗するかのようにグレイシアさんもてってってーと、走っていった。女性が便所言うなよ・・・


 「お!ならばサム殿!!確か変装道具があると言っておったでござるな!!食事処の裏の倉庫にあった筈!!」


 「あ、どうも・・・」


 麗沢の奴、変装道具見たかったのか?やれやれ・・・みんな自由な人たちだなぁ。


 「大丈夫ッスかね・・・」


 「大丈夫ですよ、きっと・・・たぶん、おそらく・・・・・・」


 俺がぼやいたら零羅ちゃんが相槌を打ってくれた。けど、少し苦笑い気味だ。


 「あはは〜・・・」


 俺も苦笑するしかなかった。そして、出発時間が迫る・・・





 「ぎゃー!!列車動き出してるー!!急げー!!」


 結構自由なシィズさんとグレイシアさんが準備でやりたい放題してたせいでもう貨物列車は出発していた。


 俺たちは急いでそれに飛び乗ろうとしてる。


 「どほぅっ!?」


 「ちょっ!!麗沢!!コケんなッス!!」


 麗沢が線路の枕木につまずいてコロコロ転がってる。


 「ほ、」


 ぽいーん・・・そしてその麗沢を後ろから走ってきたグレイシアさんがネイ○ール並みの綺麗なシュートで貨車の中にゴールさせた。


 「お!ナイス着地」


 「んしょ・・・」


 そしてなんとか全員が乗り終えた。


 「・・・なぁ、シィズ。どうしてこうなった?」


 「出発しちゃったからね」


 「うん、そうだ。そこが問題だ、何故時間は待ってくれないのだろうな・・・」


 サムさん、ここは遠回しにせずにちゃんと言ったほうが良い気がするけど・・・俺もガツンと言えないな。


 「拙者は好きでござるよ?スリリングで」


 麗沢、お前が一番駆け込み乗車しちゃダメな奴だ。普段の電車であんな風にズッコケてみろ、ダイヤ乱れるだろうが。


 「鉄道って、なんでいつも同じ時間に動く?」


 グレイシアさん・・・もう、何処からツッコむべきか分かりません。


 「はぁ・・・」


 旅の始まりにしては、締まらないなぁ・・・ここの常識人は俺とサムさんだけか?次に、零羅ちゃんか。


 「・・・? 桜蘭さん?わたくしの顔に何が付いていたでしょうか?」


 「いや、ちょいと考え事ッス」


 「・・・なんだか大変そうですけど、楽しい旅になってくれそうですね。たとえこの旅が世界の命運を懸けた旅だとしても、笑顔のない旅ではわたくしたちは何も強くなれないでしょう。だから、わたくしはこれで良いと思います」


 零羅ちゃん、まだ10歳くらいっぽいのに大人っぽい事言うなぁ。けど確かにそうだ、旅には違いない。例えこんなクソゲーでも楽しみはある筈だ。そうしなきゃやってられないよな!


 「って、この貨車の中のこれってアレじゃないッスか!!あのアレ!!干草ってやつ!!ダイブしてやろ!!」


 「お?先輩それは・・・」


 俺がなんとか場を和ませようと貨車の中に山積みになった牧草に突っ込んだ。けど・・・


 「いた!いたたたっ!!突き刺さるー!!」


 意外と硬くてチクチク刺さってくる。


 「先輩?それ、干草じゃなくて麦でござるが?」


 え、違うの?


 「あ、あの。確かスイスには干し草を使ったベッドが実際にあるみたいですよ?寝心地は、あまりあのようにはいかないらしいのですが・・・」


 零羅ちゃんが俺をフォローしてくれた。お恥ずかし、馬鹿な事しないとこ・・・


 「お!詳しいでござるな!零羅殿!!因みにその干し草ベッドがあるのは・・・」


 あーまた始まった、麗沢のうんちく。


 「そうですね、それにしても麗沢さん、スイスにお詳しいのですね」


 「一度だけ、行く機会がござりましてな!いやー、あれはまさに拙者の夢!次元の異なる世界であった!」


 「わたくしも何度か訪問しましたが、あそこの景色はわたくしもお気に入りです」


 俺は聞く耳を持っていなかったが、零羅ちゃんは話を合わせてくれたのか、いや、普通に会話が成立してるな。


 「な、なぁ。話に水を差すようで申し訳ないが、聞いて良いかな?すいすとはなんだ?地名?」


 「お?スイスといえば我が国、日本国から約9700キロほど離れた国であり、様々な国際機関の本部がある永世中立国でござる。そしてスイスと言えばアルプスを臨む大自然があり、その景色は・・・」


 そして今度はサムさんにうんちくオンパレード。


 



 「成る程、てっきり君たちの世界はニホンと言うのが中心と思っていたよ。何十もの国が存在してるなんて、私たちの世界とはかなり違うんだな」


 「拙者からしてもこの世界は不思議でござる。これほどの広大な世界で何故これほどまでに統一されたのか不思議でござる」


 サムさん、結構この話に興味深々だ。話の内容がどんどん濃くなって来てるのは何となく伝わる。


 「すー・・・すー・・・」


 それで流石にこの小難しい話は零羅ちゃんには早かったかもね。麦にもたれかかりながらも、お上品に寝ておられる。西ボーダーは結構遠いらしいし、この先ロクに寝れるか分からないからな、俺も今のうちに仮眠するか。


 と、思うんだけど・・・中々寝付けねー、チクチクするし、良い場所が見つからない。俺はモゾモゾと動き回る。


 「サクラ、寝たいのなら何も考えずに目を瞑れば良い、そのままじっと・・・今は安全だから」


 グレイシアさんからアドバイスを貰った。何も考えないって難しいなぁ。







 『ガッタンッッッ!!!』


 「んへぁっ!?」


 突然列車が停止した、結構うるさくてビックリして跳ね起きた。って、なんだかんだ寝てたのか。なんか寝た気がしねーなぁ、夜行バス乗った時みたい・・・


 「しー!でござる!」


 気が付けば麗沢も起きてるし、なんならみんな結構表情が険しい。


 「グレイシアさん、外なんかあるんスか?」


 「敵。ただちょっと想定外の敵の数だったから・・・」


 どう言う事だ?


 「これは、変装道具持って来て正解だったわね・・・」


 「シィズさん、変装道具使うって事は・・・」


 「そうよ、西ボーダーは私たちのいたボーダーとは真逆。住民はこぞって私たちを探してるわ」


 たった一つの区をズレただけでこうも違うのかよ。


 「どうしてこうなったんスか?ここの人たちも三上の圧政に苦しんでた筈」


 「どうにも、我々がこの列車に乗ってる間にミカミによる例の詳しい発表があったらしい。それがおそらくあの男に寝返るに足る出来事があったようだ。詳しく聞く必要があるな。変装道具は全員分あるが、そこまで品質の良い変装は出来ない。あまり目立つに行動しよう」


 あぁ、変装道具の中身は流石に変装マスクとかは入ったなかった。ウィッグやサングラスとかで誤魔化すしか無いのね。グレイシアさんはグラサンにフードを被ったけど、これ逆に目立つ気が・・・


 「ここは一度散開した方が良いわね、リーダーが誰かも分からないのなら、分散して情報を集めましょう。一時間後にまたこの貨車に集合で」


 「了解だ。情報収集は念のため二人一組で行おう、レイサワ君。君は私と来てくれ」


 「お、ガッテン承知の助でござる。キリッ」


 麗沢はサムさんと一緒に出て行った。


 「零羅ちゃん、私から離れないでね」


 「わ、分かりました」


 シィズさんは零羅ちゃんを連れた、って事は。


 「俺たちは何処へ行くんスか?グレイシアさん」


 自ずとグレイシアさんとだ。正直言うと俺あんましグレイシアさんが得意じゃないかも。バランス的には丁度良いのかもしれないけど、どことなく天然と言うか電波と言うか、どうにも読めなくて疲れる。


 「お腹すいたから、ご飯」


 ほら、この状況でご飯とか言い出すもん。って、


 「ご、ご飯!?今俺たち隠れてるんスよね!?」


 「うん。けど、ジョシュの言ってたステーキ屋。美味しそうだなって思ったから・・・行く」


 「ちょ、ちょ、ちょ!!」


 俺は無理矢理腕を掴まれて外に連れ出された。


 「堂々と歩いて、逆にバレないから」


 「そ、そんな事言われても・・・」


 ここは言われた通りにしよう。こうなったからには、変装を押し通せ。


 外を眺めるとあちらこちらに『英雄祭』と書かれたのぼりや、垂れ幕があった。死人を弔う日なんだよな?派手じゃね?


 「ビーンは生前に、俺の葬式やるときぱーっとやれとか言ってたらしいから」


 成る程、派手好きな人だったのね。ほら、あんなとこに銅像が立って・・・って、あれ?




 「何してる?行くから」


 「あ、すんませんッス。って、わわ!」


 俺は銅像をしばらく眺めてたらグレイシアさんに腕をぐいっと持って行かれた。


 あの男がビーンって人なんだよな、どっかで見たような・・・ま、銅像なんて似たような顔ばっかりか。


 数分歩くと目的の店が見えた。『西ぼ〜だ〜』と書かれている、小洒落たステーキ屋と言うよりは熱気溢れる居酒屋って言った方が正しい気がする。入るや否や元気に


 「らっしゃぁぁぁいっ!!二名様でぇぇすっ!!」


 って、案内されたもん。


 「カウンター席で」


 「あいよ!カウンター二名はいりまぁぁぁすっ!!」


 俺とグレイシアさんはやたらと座高の高い椅子に座った。


 「ここは、色んな人が来るから・・・情報が飛び交う。耳を澄ませて」


 グレイシアさん、何も考えなしじゃなかった。ここが一番情報を掴みやすいからここに来たのか、俺は感激していた。


 「サクラ」


 「何か、分かったッスか?」


 「一ポンドステーキ・・・」


 俺はチラッとグレイシアさんを見た。グレイシアさんの目線は、思いっきりメニューの一番上にあるおすすめ『一ポンドステーキ』だ。この世界にポンドって単位あんのかい。


 それでグレイシアさんはそれを見てから俺を見て、ヨダレたら〜、そんなに食べたいの?


 こくり・・・ゴクッ!


 めっちゃ唾液飲み込んだ音したな。因みにボーダー出発の時にある程度のお金を貰っていた、だから買えるんだけど。


 「俺は別に、食べたかったら食べれば良いと思うッスけど」


 「ふっ・・・一ポンドステーキ二つと、コーラ二つ」





 ・・・俺も食べるの?

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