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Re: 平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ! 第二章  作者: 冠 三湯切
第二章 第一幕 The New braves (新たなる勇者達)
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リメイク第二章 追いつくは覚悟すべき己の善

 俺たちはアジトへと戻った。零羅ちゃんはとりあえず落ち着かせる場所が必要だからとグレイシアさんと一緒にアジトの休憩所に向かった。


 「さて、とりあえず何とか戻ってこれたな・・・シィズ、私はこれから国立図書館へ向かう」


 サムさんはまた出かける気だ、リーダーは大変だな。


 「今更図書館って、あそこは昔調べ尽くしたじゃない。ミカミの事はあそこにはこれ以上何も無いわよ?」


 「いや、少しだけ気になる事があってな。ミカミの事ではなく別の事だ。もしかしたらそれが解き明かされれば、覚醒の意味が分かるかも知れない。ではここは任せたぞ」


 サムさんはささーっと行ってしまった、シィズさんが何か言いかけてたけど、まぁいいみたいだ。


 「やれやれね。まぁサムだからよっぽど大丈夫だとは思うけど。そうだ、サクラ君。あなた多分魔法が苦手みたいよね」


 いきなりどストレートに言わんといて下さい。今丁度それを気にしてこれからどうしようかと思ってた所だ。


 「まぁ、ワンコ相手に至っては出すことも出来なかったッスからね」


 「そう落ち込まなくていいわよ、魔法技術は結構人それぞれだからね。この奥に魔法の練習できる場所があるわ、そこでトレーニングしてみても良いんじゃない?」


 練習か、そういえばグレイシアさんとの修行の途中だったな・・・けど、なんだかんだでしっかりと特訓出来てないや。


 「なら早速使わせて貰います」


 「お?先輩も行くなら拙者もー」


 麗沢も付いてきた。まぁいいや、一人で修行してもあんまし良くないだろうし。けど、とりあえずはまず魔法のこの銃をしっかりと使える所から始めないとな。とりあえずは射撃訓練だ、魔法の。


 



 訓練場は広い広間のような場所にあった。真ん中に魔法を当てる為の人形が置いてある。あちこち焦げたりして結構ぼろぼろだ。


 俺はそいつの数メートル前に立ち銃を構えた。あの感覚、俺は咄嗟の感覚では電撃を放ってた。って事は多分、俺の得意な魔法は電気だ。それを極めよう・・・目指すのは炎で破壊光線みたいなやつを出してたアレだ。要するにプラズマ砲みたいのを撃てるようになれば良い。


 「よし、いっちょやるッスか!!うりゃ!!」


 『バァァァァンッ!!』


 よし、流石にあんなポスン・・・みたいな魔法にはならなくなってきたな。俺の電撃は人形に当たりぐわんぐわん動いたと思ったら、クルクルと回転してまた立った。起き上がり小法師か。


 とは言え、まだまだだな。とりあえずはこいつを消し飛ばすくらいまで威力を上げたいよ。


 「びょおおぉぉぉぅぅ!!」


 隣で麗沢が一人突進の練習をしてる。にしても奇声を発するな・・・あいつ。けど、あの野郎着実に魔法が上手くなってきてる。


 既に当たり前のように剣に炎を纏わせて、今度は舞を踊り始めた。


 「ひょーうひょひょっひょひょーうっ!!ほいほい!」


 ムカつく・・・とりあえず俺は基礎をしっかりやります。


 『パァァァンッ!!!』


 ガッシャン!!ガシャガシャ・・・


 くー・・・、なんかさっきより弱い気がする。何クソっ!!集中しろよ俺っ!!よっしゃもう一度!!


 ツンツン・・・


 「うわぁぅ!?」


 『ぽへっ』


 俺は上に飛び上がって驚いた。そして魔法は変なオナラ見たいな音を立てて銃口から煙が出た。


 「集中するのは良いけど、敵に囲まれてたら、それは使えないから」


 「あ、グレイシアさん?零羅ちゃんは?」


 グレイシアさんだ、全くこの人ほんと気がついたら後ろに立ってるんだけど・・・


 「疲れてたみたいだから、寝かせてきた。それより戦いでは魔法への集中も大事だけど、周囲にも常に集中を張り巡らさなきゃ簡単に後ろを取られるから」


 おっしゃる通りです・・・この先は、今日みたいな一対一の対決ばかりじゃない。相手にするのは三上を含めたこの国の軍だ。


 「ッスよね・・・どうしたもんかなぁ」


 「魔法の扱いは人それぞれ得意不得意がある。レイは元から魔法が上手かった。それに私も昔は魔法が下手だったから」


 グレイシアさんも下手だったんだ、今は氷の魔法をホイホイと使ってるけど。


 「さっきの戦い・・・サクラはレイの剣を弾いた」


 「あぁ、ヤケクソでやったら何とか。けど、またすぐに奪い返されちまったッスけど」


 「でも、君はそれが一番良いかもしれないから、不意打ち・・・それが今のサクラの最も強い武器」


 不意打ちか・・・確かにそれが一番かも。真正面からじゃ勝てない。いくら覚醒ってのになれたとしても、多分俺元々のセンスが無い、麗沢見りゃすぐわかる。


 けど、それでも尚あいつに勝てるか?あいつ見てたら人間を感じないんだよな・・・覚醒は、人間性が無くなっちまうのか?


 「サクラ  私と戦え」


 「へ?」


 グレイシアさんは急に構え出した。俺は咄嗟の事で反応出来なかった。


 「行く・・・」


 「え、あちょ!!まっ!!?どへっ!!!!」


 グレイシアさんの蹴りがクリーンヒットした。衝撃で10メートルは飛ばされたぞ・・・


 「次・・・」


 グレイシアさんは氷の剣を作り出して俺に間髪入れずにやって来た。


 「ぎゃぁぁっ!!あぶねー!!グレイシアさんっ!?ちょい手加減!!」


 「今日はスパルタでやってみるから」


 そー言う事ねーっ!!確かに俺のセンスの無さったらありゃしないけどさ!!魔法もダメ、基本の剣術も素手で止められるレベル。それを叩き直すならこう言う荒療治が良いってわけね!!


 「にしても!!攻撃早すぎッス!!反撃が!!」


 「甘いから  それ」


 「ひぃぃっ!!」


 俺は何とか避け続けた。


 「はぁ・・・はぁ・・・」


 「ふぅ・・・」


 1時間くらいか?グレイシアさんはずっと間髪入れずに攻撃された。お陰で避けるのは上手くなったかもしれないけど、もうくたくただ。

 

 「サクラ・・・何で攻撃しない?」


 「何でって、こんな猛攻されたら反撃もクソも無いッスよ」


 グレイシアさんは何でこうも動けるんだ?


 「違う、サクラはまだ本気になれてないから。逃げてる、逃げてたから反撃出来ない」


 グレイシアさんの指摘で俺は少しビクっとなった。逃げてる・・・俺、三上に歯向かうって決めたはずだよな。


 「サクラ、私に攻撃して。何でも良いから・・・」


 そうだ、俺は三上と戦って勝たなきゃならないんだ!!俺は銃を取り電撃をグレイシアさんに向かって撃った。


 『バシンッ!!』


 「なっ!!」


 結構な威力で撃ったと思った。けど、グレイシアさんは俺の電撃はまるでハエを落とす様に弾いてしまった。


 「君の攻撃には何も籠もってない。だからこうやって弾かれる。魔法は技術以上に心がものを言うから。君のはただやってみただけ。それが君の逃げ、心が何処かへ逃げてしまってる・・・少し、昔を思い出した。サクラは少し私に似てるかもしれない。


 サクラは優しい、けど優しすぎるから・・・いくらレイに怒りをぶつけても、君の心は誰かを傷つける事を拒んでる。拒んでるから魔法は答えてくれない、怒ったふりをしてもダメ、レイが昔私に教えてくれた事。人は常に誰かを傷つけて生きてるって、傷つけずに生きる事は出来ないって。絶対の悪はこの世界に存在しない、あるのは己の中にある善の心、自分の善の為に人は悪となり誰かを傷つける・・・


 サクラ、私は君にレイを倒して欲しいって言った。けど、君はそれに応えるつもりは無いみたい。サクラ、まだ逃げる?逃げるのなら私は君を殺すかもしれないから。だって邪魔だもの、今の君ではみんなの足を引っ張って、そのせいで誰かが死ぬ。私は嫌だ、だから私は私の為に君を殺すから」


 グレイシアさんの目つき、今までと段違いだ・・・顔がビリビリする。喉が渇いた・・・そして頭の上から足と手の先にまで電気が走った感覚に襲われた、怖い・・・


 これが、これが殺気ってやつなのか?


 「どうするの?サクラ・・・」


 どう答えれば良いんだ?分かってるんだよ、今三上を絶対に倒すって言っても多分それはグレイシアさんの求めてる答えじゃない。口先だけだ、今行動で示さなきゃダメなんだ。俺の俺に対する答えを、俺はどうしたいんだ?どうすれば逃げずに済むんだ?この状況を打破する方法は・・・


 「はぁ、もういい・・・私は君を買い被り過ぎたから、後はあの二人にお願いする。そして、君はここで死ぬから」


 本気だ・・・グレイシアさん、マジで俺を殺す気だ。


 誰か教えてくれよ、俺の逃げってなんなんだ?それでどこに行けばいいんだ?俺は逃げてるつもりなんか無いんだ。三上は許せないし、倒したい。けど、何か俺には足りないらしい。それが一体なんなんだ?


 グレイシアさんは剣を構えて俺に攻撃してきた。怖い、これ本当に死んでしまう・・・怖い。そうだ、思い出した・・・俺が三上と戦った時、俺はあいつを倒す以上に恐怖が俺を包んでた。それがピークになったのは三上が自分の身体に穴を開けた時だ。誰かが死ぬ、殺す感覚が俺を更に怖がらせた。


 それが俺の逃げだ・・・『殺す』と言う言葉に俺は逃げたんだ。そしてグレイシアさんはこの『殺す』の意味を知っている、この言葉の重さを・・・そして乗り越えてるんだ。それから逃げてる俺はどの道すぐ死ぬ。グレイシアさんに殺されても、俺には文句言えねぇ・・・


 理解しろ、人は常に誰かを傷つけてる・・・そんなの、当たり前じゃないか。それどころか常に誰かを殺してるだろ?俺の何気ない日常も、巡り巡って誰かを殺してる・・・


 俺はさっき、目の前で起きた出来事だけを見て『感想』を言っただけだ。理解し覚悟を決めた行動をしてなかった。だから勝てないんだ、弱いんだ。





 ・・・まずは恐怖を捨てろ、次に『覚悟』しろ。後の事は考えるな・・・今を『理解』出来れば十分なんだ。そして!!二度と逃げようとするな!!!


 「俺は!!」


 気が付けばグレイシアさんの攻撃は俺の目の前まで迫っていた。


 「もう・・・()()()()()ッスよ!!」


 グレイシアさんの攻撃は空を切った。


 「・・・・・ふっ」


 俺は寸前で銃の反動を利用して、横へと緊急回避していた。後は!!もう一度引き金を引け!!


 「見えた!!」


 『バガァァァァァァンッッッ!!!!!』


 「んっ!!」


 強烈なのが撃てた・・・グレイシアさんは衝撃で吹っ飛び、壁にぶつかった。


 「あ、ぁあっ!!!やっちまったぁっ!!?」


 俺は今しでかした事を思い出して、頭を抱えて大声を出した。


 「せ、先輩・・・やり過ぎでござる」


 「ぐ、グレイシアさぁぁんっ!!大丈夫ッスかぁぁぁっ!?」


 俺は飛んでいったグレイシアさんのとこへ走って行った。


 「問題ないから、瞬間に防御した。思ったより衝撃が強くてびっくりしただけだから」


 さ、流石・・・今のでも無傷だ。今の完全に殺してしまうかもしれない勢いだったのに。


 「けど、今のでいいから。今のが逃げない人の力」


 「どもッス、グレイシアさん。やっとこせ道のりが見えた・・・俺、三上に正義の鉄槌を下してやるなんて思ってたッスけど、それじゃ駄目だったんだ。今の俺がやるべき事は三上に追いつく事ッス。俺、あいつを倒したい・・・正直言うと少し憧れた、あの強さに・・・けど、俺は絶対に許さない。必ず倒す!!俺、ようやく『反逆者たち』になれた気がするッスよ」


 「そう、なら今こそ君にこう言うべき?ようこそ『異世界の勇者さん』異世界の地、アダムス連合王国へって」


 あぁ、俺はようやくこの地に足が着いたみたいだ。




 The New braves 完

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