リメイク第二章 救援に向かうは異世界の勇者たち
「ふぅ、ご馳走様でござる。さてと話を戻すでござるが、先輩は、この世界を支配してる三上と言う男にこの彼らと共に反旗を翻すレジスタンス組織に入隊、それで拙者は今そのレジスタンス組織に保護される形でここへ来た。そう言う解釈でよろしかったか?」
なーんであんなやり取りしててここは理解できてるんだよ、不思議だなぁ。
「まぁ、そうでもしなければ展開が進まぬではござらぬか」
「いやそうだけどさ・・・って展開ってなんの話ッスか?」
「で、この支配者と反逆者の戦いに拙者は協力するのだな?」
無視された・・・
「そう、君はまだミカミ国王を直に見てはいないから、まだ分からないかもしれないが、それでも協力してくれるかい?」
サムさんは普通に接し始めた。
「合点承知の助、食事中にすら頭にチラつく存在がいる。拙者はそれがいる時点でその三上とは協力なぞ出来はせぬ。拙者はやはり食事は誰にも邪魔されずに食べたいでござるからな」
そして動機はなんであれ、俺たちに協力してもらう運びになった。
「では、レイサワ君、これからよろしく頼む。とりあえずは我々のアジトへ向かおう」
「了解でござる。で、それからの展開は・・・確かもう一人いるのでござったな。このパターン、拙者は誰にも見つかってないとなると、そのもう一人は見つかってしまって大ピンチと言うのが良くある展開でござるな」
「不吉な事言うなよ麗沢、本当にそうなったらヤバいじゃないッスか」
「HAHAHA!現実問題、拙者の予測するラノベ的展開はこれまでに回収が起きたことなど一度も・・・」
「た、大変よっ!!三人目を護送してた車が王国軍に見つかったわ!!」
フラグ回収、頂きました・・・シィズさんが血相変えてやって来た。
「oh・・・」
「麗沢、お前これから予測すんの禁止な?」
さて冗談は冗談にしてくれよっ!?どうすんのさ!!
「シィズ、三人目は何処で見つかった?」
「壁を越えてボーダーに入ってからよ、けど検問に引っかかったらしくて・・・それから連絡がないのよ」
「・・・マズイな、シィズ。君はこの子等を連れてアジトへ帰還しろ、私が救援に向かう!」
「あ、ちょっとサム!!」
サムさんは一人飛び出してしまった。良いのか?あの人もう指名手配か何かされてるんじゃ・・・あ、むしろそれ狙いか?サムさんが囮になって!
「くぅ、よし・・・私たちは一旦アジトに戻らないと、あなたたちはそこで修行でもして待ってなさい。私も準備整えたら向かうわ」
それが一番だな・・・今の俺じゃまだ足手まといだ、それに、軍に見つかっただけならまだなんとかなるかも。三上に見つかったなら絶望的だけど、サムさん多分めちゃくちゃ強そうだし、大丈夫だ。
「うーむ・・・」
と、思ってたのに麗沢が悩み出した。
「おい麗沢、なにしてんスか?早く行くっスよ?」
「いや、誰かを助けに一人ピンチに向かう者が一人、そして他の者は後で向かう・・・これは典型的な死亡フラグパターンではござらぬか!」
言われなくても分かってると言うか、言ったからフラグになっちまったじゃねーか!ここはサムさんを信じる方が良いに決まって・・・
あー!余計な事言うから心配になって来た!!
「ちょっとあなた、サムが負けるとでも言うの?言っておくけどサムはグレイシア様には及ばないものの、この世界屈指の風の魔法の使い手なのよ?」
ほら、余計な事言うからシィズさんも怒っちゃったじゃん、シィズさんは麗沢に少し喧嘩越しだ。
「自らをリーダーと名乗る位の人物でござるからな、相当な手練れと想像はつくのでござるが・・・この妙な胸騒ぎ、風がざわついているでござる・・・これは一体?」
厨二臭い言い回しだけど、要するに麗沢は戻るよりもこのまま追いかけた方が良いと言ってるかんじだ。
「・・・このまま、助けに行くッス!!」
「ちょ!!サクラ君!?」
「こうなりゃぶっつけ本番だ!!」
「同意でござる!拙者、先輩へお供いたす!キリッ!!」
いつになく真面目な気がするなおい、なんだかんだで状況は理解出来てんだな。
「案内も武器も無しに無茶よっ!!」
とは言ったものの、サムさんが何処に向かったかも分からない。セブンスイーグルもアジトに置きっぱなしだ・・・
『キキキキィィィィーーーーッッ!!』
外で車のブレーキ音が聞こえた。そのすぐ後だ・・・
「武器、持ってきたから」
ナイスタイミング!グレイシアさん!!
「グレイシア様っ!?」
「早く、行った方が良い・・・でなきゃレイが来る」
「・・・よしっ!!サムを追うわよっ!!みんな乗って!!」
グレイシアさんが持ってきたのは大型のバンみたいな車だ、運転席にシィズさんが乗り込み発進した。
「サクラ君!セブンスイーグルはある?」
シィズさんは運転しながら俺に質問する。
「あ、はいここに!」
俺は車に積まれていたセブンスイーグルを手に持った。
「使い方は分かるっ!?」
「えっと・・・」
安全装置外して、スライド引いて、引き金を引く・・・と、思ったけどこれさ・・・よく見たらエアガンじゃん!!エアガンってか、あのガス入れてやる、ガスガンってやつだ!
「これ、これ本当に武器なんスか?おもちゃじゃ・・・」
「そう。元はそれ、おもちゃらしいから・・・でも、その銃は魔法が撃てる。少し貸して・・・」
グレイシアさんにセブンスイーグルを渡すと窓を開けて、外に向かって引き金を引いた。すると外に向かって氷の弾丸が発射された。
「おおうっ!?突然ファンタジーでござる!!」
あ、麗沢は今のが魔法初体験か。でも、これで分かった。魔法を使う感じで引き金を引けば良いんだな。
「この銃は魔法を溜め込む性質があるから・・・」
へぇ、すげー便利だな。
「それで、レイサワ君だっけ?君はその剣使って!!」
麗沢には剣が渡された。普通のよく見る感じのロングソードだ。
「お、これでござるな?これは何かあるのでござるか?」
「一応それは魔法族専用装備で、比較的簡単に魔法を剣に纏わせる加工がしてあるの」
「ほーう」
麗沢はひとしきり眺めたら剣をしまった。
「さぁ、着くわよっ!!」
俺たちは目の前にいた軍用車を避けて街の広場に出た。なんとなく状況が見えた。
サムさんはそこの中心に立って一台の車を守るように立っている、アレの中に三人目がいる感じか。
「あれは、焔部隊のワンコ!レイサワ君の予感は的中ね、まさかあいつまで来てたなんて・・・」
麗沢の予感は良いとして、ワンコって犬みたいな名前だなおい。
「救援のつもりか?サム!何人いるかは知らんが、誰一人ここから逃しはしないぞ!!」
そしてワンコは俺たちに向かって大声で叫ぶ。
「サム!」
そしてシィズさんが一人サムさんの横に飛び出した。俺たちはまだ待機だ。
「シィズ、どう言うつもりだ。私はアジトにいろと」
「賭けてみたのよ、それにあなたこそ相手はワンコよ?私たちの手助けが必要だったんじゃない?」
「確かにそうだが・・・」
「何としてもここを突破するわよ、そのためにあの子等も協力してくれるって」
「そうか・・・」
「何をコソコソ話している!そしてその中には誰がいる!?答えてもらうぞサム!!」
ワンコって人は今にもこの車に攻撃するぞと言う勢いで迫ってくる。
「こっちこそだ!!お前こそ何故この街にいる!!お前は中央王国軍の人間だろ!?何故そんな奴がここにいる!!」
「馬鹿か?貴様は?陛下行くところに我有りだ!!」
「あぁ、付いて来ちゃっただけなのね」
シィズさんがボソッと呟いた。
「それの何が悪い、我はミカミ陛下の忠実なる下部。そしてシィズ、サム。我は決してこの国に仇なす存在を許しはせん!『全ては平和の為に』な!!」
ワンコは腕に籠手のような武具を付けた。確かにパンチされたらヤバそうだけどさ、それよりこの世界に普通の銃は無いのか?
『ボボッ・・・ゴゴゴゴ!!!!』
ふぁいっ!?ちょ、何アレ・・・ワンコはその籠手に炎を纏いはじめる。あの炎の大きさとここまで感じる熱、半端な力じゃねーぞ!?
「喰らえっ!!」
え、そっちか!!ワンコはてっきりサムに攻撃を繰り出すと思ったら狙って来たのは俺たちの乗る車だ。右手から繰り出された一発の炎の塊が飛んで来た。
「何っ!?」
「かかったな!?我の任務はお前を倒すことではない!反逆者全てを炙り出す事!!」
「逃げてっ!!」
シィズさんの掛け声で俺たちは飛び出した。
「それも予想の範囲内だ!!」
しまった。飛び出した瞬間、今度は左手に纏っていた炎が間髪入れずに飛んで来た。
『ズバァァァッッ!!!』
しかし、炎は目の前でバラバラに分散した。目の前にはサムさんがナイフのような武器を手に持ち横に薙いでいた。
「ワンコ、お前こそ私をみくびるな?これ以上はやらせはせん・・・みんな、なんとしてもあのもう一台は守れ!」
サムさんの声で察した、あのもう一台に乗ってる三人目は俺と同じ、まだ何も知らない状態だ・・・何も理解されないままいきなり殺されるなんて、俺は絶対にごめんだな。
「そのもう一台か・・・行くぞ!」
ワンコはやっぱり標的をもう一台の車に変えた。
「させねぇッス!!!」
「っ!?」
俺はワンコに向かって引き金を引いた・・・
『パシャン・・・』
「へ?」
俺は確か最初にやったのが電撃の魔法っぽかったから、なんとなく電撃を撃とうとした。
確かに電撃は発射された・・・けど、
フワフワ・・・
ペチン!
フワフワと小さな電気の玉っぽいのがワンコに向かって飛んで行ったら、ワンコはハエを叩くように、片手でそれを叩き落とした。
「なに・・・このしょんぼいの?」
今までの経緯で何となく察してたさ、俺多分・・・めっっっっっっちゃ弱い。チートがうんたらとか言ってたけど、現実問題そんな甘くなかったわ。敵だけがチート持っちゃってるんだ。
「ん?貴様それは!?セブンスイーグル!?何故それを!?」
あ、そう言えばこいつすんごい忠誠心の塊みたいなやつだった。ワンコは俺の持つ武器を見るや否や、完全に俺をロックオンした。
「くっ!!」
俺は咄嗟に引き金を引く。
『ぽっす・・・』
はぁっ!?魔法すら出なかったんだけど!?
「ゥゥゥォォォォォォゥゥゥオオオウウウンンンッ!!先輩ィィィッ!!」
わーっ!!?なんか燃えた塊が飛んで来た!!それはワンコの攻撃を相殺したかと思ったらぽいーんって感じで俺のとこまで飛んで来た。
「ひゅう、先輩!無事でござるかっ!?キリッ!!」
麗沢か・・・麗沢っ!?おま、何でこんな当たり前な感じで炎の魔法使いこなしてんの!?
俺はツッコミを入れたかったが、ショックで声が出なかった。




