海底監獄探索
また遅くなりました…申し訳ないです…
店主から買い取った巨大なハルバードを背中に背負うカバーを同時に購入するが、女性の獣人族が巨大なハルバードを背負っているという光景はかなりの視線を集めている。
(やっぱかなり目立つな。もうこの際フードを取って視線を分散させちゃうか?ワイスにもローブとフードを着せる手もあるけどフードを被った3人組って相当怪しいしなんとかしたいもんだなぁ。)
「ねえヴィヴィアン。もうこの際いっそのことだからフードは取っちゃいますか?ワイスにばかり視線が集中してしまって落ち着きないみたいですし…私はこのローブは取れないけどヴィヴィアンもローブはどうせなら取っちゃいましょう。」
「そうですね。その方がよろしいかと思います」
さっそくヴィヴィアンはローブを脱ぎ、イーリスはフードを取って海底監獄ダンジョンに向かうが、当然の事ながら凄まじく目立っており、通る人々のほとんどの視線を独り占めしていく。
まず見たことのないレベルの美人が2人だけでもそれなりに目立つが、ここらでは珍しい獣人族なうえにその美しい毛並みと特徴的な髪色をしているので更に目を引く存在なので当たり前といえば当たり前だろう…
「さすがに目立ちますね…私達はもうなれているけれどワイスは大丈夫?」
「は、はい…ま、まだ少し視線が気になりますが私だけに目線が言っていないので大丈夫です……」
「それはよかったです。それじゃこのまま向かいますね」
こうして会話しながら歩く事数十分。異質過ぎたせいなのか絡まれることもなくダンジョンに到着した彼女達はさっそく潜ることにする。
「さてと、ギルドカー…っと!そういえばワイスはギルドカードがありませんでしたね。すっかり忘れてました…戻りましょうか。」
「イーリス様。戦闘奴隷は冒険者と同じランク扱いとなるのでギルドカードを申請しなくても一緒に潜る事が可能となります。」
「そうなんですか?人手間省けてよかったです。今度こそ行きましょう。」
入り口付近にある受付にカードを見せて同時にワイスの説明をすると特にとめられることもなく通過するのでさっそく内部へと入っていく。
このダンジョンはハイヤル山脈で見た広大な敷地が広がる迷宮ダンジョンと違い、複雑に入り組んでいて、天井は高いが通路はまるで迷路のようになっているため死角からの魔獣の攻撃と同時に罠も警戒してなくてはならない。
更にダンジョン内は水浸しになっているところ所も多い為に足場もあまりいいとはいえないのでかなり危険度が高い場所だ。
このダンジョンにも監獄時代に残っていた転移魔法陣が存在しているが、今回はワイスの実力テストと様子見のために一番上から順々に探索することにする。
「じめじめしている上に視界が非常に悪いですね…ヴィヴィアンはここのダンジョンについて何か知っていることはありますか?」
「ここも定期的に内部構造が変化する迷宮ダンジョンなので地図が低層、中層以外充実していません。更に1週間ほど前に変化したばかりらしく、低層ですら危険地帯の把握があまりできておらず、危険度がかなり高くなっているとのことです。」
「わかりました。気をつけて進みますよ。」
「は、はいッ!」
「畏まりました」
索敵スキルを同時に使用しながら辺りを探るがやはり盗賊のアジトを探ったときと同じく非常に狭い範囲しか把握することができないようだ。
「ううん…予想通り私の索敵スキルでは全然周囲を探れませんね。ワイスはどうですか?」
「わ、私も…得意ではないので全くわかりません…」
「となると、周囲の警戒の徹底しかありませんね。低層なので魔獣はともかくとして罠の危険度が全くの未知数ですし油断は禁物ですね。ヴィヴィアンは何かここの罠の事で知ってることはありますか?」
「深い階層にもなると魔獣が大量に押し込められた部屋に転送される魔法もあると聞きました。ただ全滅させれば強力なこの海底監獄固有の強力な装備が手に入るとも聞いているのでそれを狙ってわざと罠にかかる冒険者も居るようです。」
「なるほど…私達は今の所はお金も装備も困っていませんし、それは避けて行きましょう。」
(というかそれってモンハウだよね…アディ時代でも月2で出現場所が変化するインスタンスダンジョンや迷宮ダンジョンのトラップにたまにあったな。しかもあれ回避も探知も不可能なのに陣形をぐちゃぐちゃにされて転送されるから指揮系統がしっかりしてないと大乱戦になって全滅になるくらい危険なトラップでアレに何回殺されたことか…)
なおインスタンスダンジョンというのは現実となったアディでも存在していて、こちらは3ヶ月に1回のペースでダンジョンの出現場所が変化するようになっている。何故か街の中にはできないが、街道のすぐそばや農村や衛星都市付近に現れる事もある為、ダンジョンの位置が変化した場合は一斉捜索が行われたりもするようだ。
こうして探索していくと、狭い範囲ではあるが全く探索できないわけではなかった索敵スキルに反応が現れる。間違いなく魔獣だろう。
「居ました!この先です。それじゃあワイスの初戦闘ですね。行きますよ!」
さっそく魔獣の居る所に向かうとそこに居たのは海底監獄らしく水棲型の魔獣が泳いでいた。
今居る場所は数cm程度しか水が張っていないために特に問題ないが、そこからだんだんと膝まで浸かるほどの深さになっているので水の重さに足を取られてしまい、回避が難しい地形だ。
「こちらに一度おびき寄せてから戦いますよ。わざわざ相手の有利な戦場で戦う理由なんてありませんからね。」
「畏まりました。」
「はいッ…!」
二人の返事が返ってきたところでイーリスが初級の聖魔法である【ホーリーアロウ】を唱えて魔獣に向かって放つが、挑発程度にカスらせるが被弾した箇所が完全に消し飛んでしまい、そのままその魔獣は土左衛門状態になってしまう。
「あ、あら…ちょっと威力高過ぎでしたね…あ、あはは…」
「イ、イーリス様のジョブって一体なんですか…?」
「そういえば話していませんでしたね。聖騎士ですよ。ヴィヴィアンは機動兵です。」
「イ、イーリス様もヴィヴィアン様も最高位ジョブだったんですね…」
「あとこれは内緒ですがこれでもカンスト…じゃなくて250lvなんですよ。他にもあるんですが、それはまた今度にしましょうか。」
「250…!?でもイーリス様のランクは…」
「えぇ、一般的なランクとされるDランクですね。というのも登録をしたのは最近だからですよ。」
「そうだったんですか…」
「補助は任せてくださいね?さてそれじゃあ次の魔獣を探しましょう。…今度はちゃんと手加減しますね…」
こうして海底監獄の探索を開始するのだった
うわあああああまためっちゃ遅くなった上に全く話が進んでいない…申し訳ない…3月はやっぱり忙しいですね…春休みなんてなかったんや(白目)
4/13追記
全然更新できていなくて本当に申し訳ないです…4月の忙しすぎてわけわからんです…w4月以内には更新できると思います。
5月に半ばになれば落ち着くと思うのでそこで3日、2日更新に戻れたらいいなぁ…(白目




