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獣人族の直感

ヒェエ…どんどん更新速度が伸びていく…

 海底監獄の探索を再開して、3人で警戒していると再びイーリスの索敵スキルに微弱ながらも反応が現れる。

 

「居ましたね。こ、今度こそ…ワイスの戦闘能力を見させてくださいね」

「は、はい…ッ!」


 ようやく見つけた最初の戦闘の敵は水棲型の魔物の代表の一つ、リザードマンだ。

 一言にリザードマンと言っても地上に適応したタイプや上位種など様々なタイプがいるが、今回はエラ呼吸と肺呼吸が同時にできる両生タイプのリザードマンのようだ。

 

 

 岩場に隠れている上に距離をとっているおかげかこちらには全く気が付いていないらしく、シャアシャアと何やら鳴き声が聴こえているが暢気に水辺を泳いでいたりするリザードマンしか見当たらない。今現在の足場はくるぶしまでしか浸かっていないのでリザードマン達の地の利も生かして反撃される心配も少ないので実験としては最適な魔獣だろう。

 

「今度はちゃんと外して私とヴィヴィアンにだけ注意を向けます。その間にリザードマンを叩いてください。行きますよ!」


 岩場から飛び出し、今度はカスらせずにしっかりとあさっての方向に【ホーリーアロウ】を飛ばす。

 

「シャアッ!?シャアアアアア!!!」

 

 突然の強い光にリザードマンたちは一瞬戸惑うがそれが飛んできた方向に顔を向けてイーリスをみつけるや否や全てのリザードマンが警戒の声をあげて次々と向かってくる。

 

 下級の層ではあるが数だけがとりえのフォレストウルフよりは強いのでいくつかは初級の【ウォーターボール】を詠唱するが、その弾速も威力もそして発動の長さと全てに置いて劣っている攻撃に当たるわけもなく次々とかわしていく。

 

 そんなイーリスに業を煮やしたのか近接戦闘に持ち込むために2足歩行立ちから4足歩行に変えて高速で接近していく。

 そして、自身の間合いにイーリスが入ろうとした瞬間…

 

「やあぁッ!!」


 そんなやや可愛らしい声と共にそのリザードマンの胴体は完全に上下に分断されてしまう。

 

「いい感じです!次もお願いします!」

「はいッ…!」

 

 下級とはいえ、そこそこの硬さを持つリザードマの表皮を楽々と切断してしまう武器自体の威力、そしてワイス自体の強さも相まって、10体も程も居たリザードマンは20秒と持つことなく殲滅されてしまう。

 

「攻撃の重さが凄いですね。地面に深い切れ込みが残っていますよ…流石の私も直撃したらただでは済まなさそうですね」

「あ、ありがとうございます…」


 イーリスの聖騎士パラディンはハルバードや戦槌のような巨大なポール系武器を扱うこともできなくはないが、守護騎士ガーディアン狂戦士バーサーカーの様な特化型のみしか武器自体の重さによるペナルティを受けずに装備することができないので、イーリスが使う武器はもっぱら長剣になっている。

 現実になってからはそれは筋力として出るようになっているが、ワイスの場合は獣人族としての力を遺憾なく発揮できるジョブなので問題なく扱えるようだ。

 

「恐らく一撃の重さに関して言えば私以上だと思います。でもただでさえ打たれ弱いというのにそれを防具で補うこともできないので、絶対に突出しすぎないようにしてくださいね。約束ですよ?」

「…でも私は戦闘奴隷ですよ?」

「最初に言いましたよね?私はあなたとこの世界を見て回りたいと思ったからあなたを買ったんですよ。それに貴女はとっても可愛いんだからそんなに自分を卑下しちゃいけません。もっと自分に自信を持つべきですよ。」

「えっ、あっ、は、はい…わかりました…」

「それではもう少し肩慣らししますよ」

 

 尻尾と毛並みを逆立て恥ずかしそうに顔を下に向けるワイスだが、その時にはすでに背を向けて歩き出していたので目に入っていなかったイーリスはそのまま歩き出していく。

 

 その後も同じく見付けては狩りをするが、案の定相手が弱すぎるせいでワイスの本来の強さを中々見ることができないまま現在のランクでは探索可能なレベルの階層の最深部に到達してしまう。

 

「うーん。やっぱりちょっと魔獣が弱すぎましたね。ここだとこれ以上深い階層に行く事はできないですし、今度私かヴィヴィアンと一度手合わせ…いや、ここはノワールが良さそうですね。」

「ノワールですか…?」

「もう一人の大切な仲間ですよ。ここで呼ぶと混乱を招くので後で人が少ない荒野にでも行ってからになるけれど…どこか良い場所があるかわかりますか?」

「申し訳ありません。まだそこまで把握しきれておりません。」

「そうですか…いえ、大丈夫ですよ。むしろそんな事まで把握していたら明らかにオーバーワークですよ?…というより今思ったけれどヴィヴィアンはちゃんと休憩していますか?」

「はい、毎日4時間以上の睡眠をとるように心がけています」

「…ヴィヴィアン、あなた一日にどれだけの時間を使ってこの王国について情報を集めていますか?」

「だいたい8時間ほどになります。ですが今回の不手際は私の責任です。これからは更に時間を増やして…」


 頭を深くさげて謝罪をしようとするヴィヴィアンだが…


「そういう事を言いたい訳じゃありません。いいですか?ヴィヴィアン、確かにあなたは私の従士として忠誠を誓ってくれて、私もそんな風に着いて来てくれるヴィヴィアンにはとても感謝しています。でも、それと同時にあなたは私にとっての最初の友達の一人でもあり大切な人なんですよ?これは帝都を出る前にも言いましたよね?」

「はい…」

「ヴィヴィアンならこの先の事は言わなくてもわかっているとは思いますが、それでも言います。あなたも自分の事は大切にしてください。呼び名も本当は様じゃなくてもいいんですが、ヴィヴィアンは絶対に譲らないと思って言いませんでした。私はそれくらい貴女の事は大切に思っているんですよ?」

「はっ…もったいなきお言葉です」

「ふぅ…それでも貴女は私のために無茶しようとするでしょう。だから無理にとは言いません。でももう少し自分の時間を大切に使ってくださいね?」

「畏まりました」

「ワイス、これは貴女にも同じ事が言えますよ。」

「…えっ?」


 どういう意味なのか?と問いかけるような視線に笑みを浮かべながら応える。


「色々と事情があるんでしょう。人族の事や私達の事を信じられないのはわかります。貴女が今でも落ち着きないのは目線だけじゃなくて、回りの人族に何をされるかわからなくて怖いからでしょう?」

「ッ……」

「何をされたのかは聞きません。ですが、少なくとも私達は貴女が今までに知り合ってきた人族達とは違うということを少しでも思ってくれたらとても嬉しいです。私は貴女の事が人目で気に入ったから貴女を買い取り、共にこれからの生活を過ごしたいと心から願っています。」

「わ、私…はッ…」

「…?」

「私は…イーリス様の事を信用していない訳ではないんです。私が…いまこうしているのは確かにあの人族の達のせいです…ッ。その後も私を買った人はいつも酷い事をしてきました。そしてその人達の目というのは…とても直視できないものでした…」


(皇帝の言っていた俺の目を見れば裏の者ではない。と信用してくれたのと同じってことか?)


「つまり貴女の人物眼に敵ったということ…?」

「いえ、そういう意味ではなく…私達獣人族は直感的にどんな人物なのかある程度把握することができるんです。妖精族エルフの精霊の力と似た効果ですね。」


(精霊の力…?……あぁ!そういえばエルフは種族スキルの一つに20秒間だけ全ての魔法スキルに10%のクールタイム軽減効果があったな。ゲーム内時間で10時間…リアルで10分のクールタイムも必要だから積極的に使うことはなかったが…)


 なお、イーリスの天人族の種族スキルは翼を持つがゆえの飛行スキルとベースが人族なので人族の種族スキル「超人」を使うことができる。こちらも20秒間全てのスキルリキャスト時間を5%軽減する代わりにクールタイムも10時間(10分)必要になっている。

 

「獣人族の種族スキルといったら確か…獣の本能…でしたね?」

「はい。それでイーリス様とヴィヴィアン様は今までに会ってきた人とは明らかに違うとわかりました」

「そういう事だったんですね。それじゃあひとまずは私達の事を信用してくれているという事ですか?」

「は、はい…!」

「ふふっ、それはよかったです。今ちょうど私達しか居ないからこれも言うけれどその首輪も後でダミーに変えておきますよ。本当は何にもないのがいいのだけれど、この国では獣人族は…酷い扱いと聞きました…。恐らく首輪を付けていないと厄介ごとに巻き込まれるでしょうからもう少しだけ我慢してくださいね?」

「ありがとうございます…!」


 その後、魔法陣を使用して上に戻った後に首輪のダミーを捜すべく街の装飾品店に向かうが、三人共に目立っているために治安と質の信頼度両方の面を考えた結果、上街が一番という事で早速上街で買い物をすることにするのだった。

20日以上も間隔が空くなんて…間隔空きすぎてブクマもじわじわ減っている…w

4月も終わりで多分リアル関係がやっと落ち着くと思います…


5/30 追記

遅れに遅れて申し訳ないです。

正直な話モチベがあがりません。この先の話に詰まっているとかではなく、展開はできあがっていても文章として書き起こそうとする気になれなくて…


ですが、たまに物語のネタに使いたい話や雑学なんかを見たりするときは書きたくなる意欲は沸くのでもう少しお待ちいただけるとありがたいです…!

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