↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化決定】コミュ障の天才魔法使いは、王都の片隅でのんびりお店経営はじめます~魔法学園主席の少女は実力を隠して静かに暮らしたい~(旧タイトル:厭世の魔法人形屋)  作者: 八星 こはく
第四章 フィーネ・フェルナーへの依頼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
70/80

第70話 危機的状況

「予想以上に大量にきてる……なんで……?」


 洞窟を出ると、周辺には大量の魔物が集まっていた。

 ブラックドラゴンが魔物を呼ぶことができるとはいえ、想定をかなり上回る数である。


「とりあえず、低級の魔物を一斉に……」


 街へ向かって走りながら、軽い光属性魔法の雨で雑魚を一掃する。

 だが、それでは倒れない魔物もかなりの数がいた。

 一体一体相手をするよりもまず、街へ向かうべきだろう。中級の魔物が一体でも街へ入ってしまったら大変なことになる。


「フィ、フィーネ、あれ、うっ、上見て……っ‼」

「上⁉」


 走りながら、ユーリアの言葉に従って空を見上げる。

 その瞬間、フィーネは驚きのあまり足を止めてしまった。


「ブラックドラゴン……⁉」


 空をブラックドラゴンが飛んでいる。洞窟にいた個体ではない。

 別個体のブラックドラゴンが、街めがけて飛んでいた。


(まさか、ブラックドラゴンを呼ぶなんて……だから、他の魔物もいっぱいきてたんだ……)


 ブラックドラゴンは通常、人を襲うことは少なく、街や村へ自ら赴くことはないはずだ。

 なのになぜ、ブラックドラゴンが街へ向かっているのか。


(分からない。分からないけど、とにかく急がなきゃ……‼)



◆



 風魔法を用いた全速力のフィーネが街に到着したのと、ブラックドラゴンが街へ到着したのはほぼ同時だった。

 ブラックドラゴンが闇の炎を吐いて、街を囲む壁の一部を破壊する。

 壁が崩壊した瞬間、人々の悲鳴が空に響いた。


「ぎゃ、ぎゃああああああああああああっ‼」

「魔物、魔物がっ‼」

「ドラゴン……⁉」


 一瞬にして街が混乱状態に陥る。

 ブラックドラゴンは爪を伸ばし、近くにいた女性を掴もうとした。

 慌てて間に入り、杖で爪を受け止める。


「ユーリアっ! 街の人達を一か所に誘導して! 巨大な結界を張るから‼」

「わ、分かったって、言いたいところなんだけど……っ‼」


 爪を薙ぎ払い、一瞬だけ視線を街の中へ移す。

 人々は奇声を放ちながら逃げ惑い、とても避難誘導の声が届く雰囲気ではない。

 加えて、ブラックドラゴン以外の魔物も街へ向かいつつある。

 ブラックドラゴンと他の魔物を同時に相手にしつつ、さらに街の人々を守るのは不可能だ。


(……だったら)


 残された解決策は一つだ。

 街の人全員を操って、一ヶ所に誘導する。そして結界を張るのだ。


「ユーリア。今から一か所にみんなを集めるから、その周りにこれを置いてきて」


 念の為に用意しておいた結界用の魔法具をユーリアに渡す。

 これがあれば、離れた箇所に結界を張ることができるのだ。


「みんなを集めるって……もしかして⁉」

「うん。これしかない」

「で、でも、さすがに数が多過ぎるわよ‼」

「分かってる。でも、やるしかないから。……ユーリア、お願い。時間がないんだ」

「……分かったわ」


 ユーリアが走り出した瞬間、最大火力の炎をブラックドラゴンにぶつける。

 鱗のせいでダメージを与えられないことは分かっているが、数秒間は時間を稼げる。それで十分だ。


(こんなに大量の人を操るのは初めてだけど……でも、単純な操作でいいから、いけるはず……‼)


 魔法陣を描く。魔法を発動した瞬間、膨大な魔力が身体の外から出ていくのが分かった。


 モンドに暮らす住民全員を操作する必要があるのだ。

 正確な人数は把握していないが、五万人はいるだろう。

 繊細な操作の必要はなく、ただ一か所に集めるだけ。


 だがその後、彼らを守る為の結界魔法も張らなければならない。

 不安はある。しかし、やるしかない。

 フィーネが失敗すれば、大量の人々が命を落とすことになってしまうのだ。


 ブラックドラゴンが動き出す度に炎をぶつける。

 人々の避難が終わるまでの間、どうにか時間を稼がなくてはならない。


 数十発の炎を放った後、ようやく人々の避難が完成した。次は結界だ。

 無傷のブラックドラゴンが高らかに叫ぶのが憎らしい。


 結界魔法を完成させた途端、フィーネは思わず地面に手をついてしまった。

 その瞬間、ブラックドラゴンの爪がフィーネの眼前に迫る。


(まずい……っ!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。