表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/21

第8章 — 文学と嘘

学校の図書室の壁にあるデジタル時計は、午前4時12分を指していた。

天井の高い広大な空間は、古紙と埃の匂いで満ちていた。窓の外、夜明け前のロサンゼルスは、時折聞こえる道路清掃車の遠いハミングを除けば、完全に静まり返っていた。

イーサンは書架の間を移動し、小型ペンライトの光で暗闇の中に細い道を切り拓いた。慎重に一歩踏み出すたびに肋骨が悲鳴を上げたが、彼の意識は研ぎ澄まされていた。

立体駐車場を脱出する直前、彼は奪ったレオ・ルイスの携帯電話を短時間だけ起動させていた。ギデオンの追跡ソフトウェアは即座にデバイスのセキュリティをバイパスし、キャッシュされたメッセージを抽出した。副校長ハラルド・ウィットモアとの暗号化されたチャットの中には、3日前の半狂乱なやり取りが含まれていた。

ウィットモア:「トレスの娘が気づいた。私のオフィスを嗅ぎ回っていた。昨学期の現物名簿を持ち出したようだ」

ルイス:「どこにある?」

ウィットモア:「図書室に隠したに違いない。あの子は空き時間をすべてそこで過ごしている。喋られる前に見つけ出せ」

連中は見つけられなかった。だがイーサンは、レナの習慣を誰よりも熟知していた。彼女はありきたりな場所に物を隠したりはしない。自分の思考回路を理解している者にしか分からない場所に隠すのだ。

彼は歴史のセクションを通り過ぎ、科学の棚を越え、フィクションの通路で足を止めた。古典文学が並ぶ棚に光を当てる。

デュマ。オーウェル。シェリー。

イーサンは、革装の重厚なヴィクトリア朝文学選集に手を伸ばした。平均的な生徒なら、まず手に取ることもないほど難解で退屈な本だ。彼はそれを引き出した。

本棚の隙間に、一冊の使い古された青い学習ノートがきちんと押し込まれていた。

イーサンはそれを取り出し、代わりに選集を戻した。木製の学習机の一つに座り、ペンライトの光が漏れないよう手で覆いながらノートを開いた。

それはレナの日記だった。だが、そこに綴られていたのは10代の悩みではなく、冷徹なまでに詳細に記録された腐敗の台帳レジャーだった。

過去18ヶ月の間に、リンカーン高校から他に5人の生徒が消失していた。どの場合も、学校の公式ファイルが改ざんされていた。レナは元の出席記録をプリントアウトし、改変されたバージョンと並べて貼り付けていた。

ある3年生の生徒、マーカス・バルガス(ヘクターとは無関係)は、最終的に中退した慢性的な不登校児として記録されていた。だがレナのメモによれば、彼はバス停から姿を消したその日まで、無欠席だったことが示されていた。

各生徒のプロフィールの下には、管理権限による上書き(オーバーライド)の伝票のコピーが貼られていた。そのすべてに、ある一人の人物のデジタルセキュリティキーによる署名があった。ハラルド・ウィットモアだ。

ウィットモアは単に情報を漏らしていたのではない。彼は組織的にこれらの子供たちを学校の名簿から抹消し、単なる家出や学業放棄に見せかけていた。警察が本格的な捜査を始めないよう、あらかじめ手を打っていたのだ。

イーサンはページをめくった。次のプロフィールはレナ自身のものだった。シートの最後に、彼女の震える筆跡で一言だけメモが記されていた。

《彼が、私が台帳を持っていることに気づいた。スモークガラスの黒いSUVが、もう2晩も私の家の通りにアイドリングしている。昨日、放課後に図書室へ歩いた時も後をつけてきた。時間がなくなっていくのを感じる。もし私の身に何かが起きたら……もし私がクラスに現れなかったら……台帳は『伯爵』の後ろに隠してある。》

図書室の反対側から、微かな、金属が擦れる音が響いた。

イーサンは硬直した。即座にペンライトを消し、図書室を絶対的で窒息するような暗闇に沈めた。

青いノートをジャケットのポケットに滑り込ませ、手は自然にポケットの中のタクティカルナイフへと伸びた。音を立てずに椅子から立ち上がり、重厚な木製の支柱の影に身を隠した。

再び音がした。足を引きずるような足音と、ジッパーがかすかに触れ合う音。

イーサンは目を閉じ、聴覚を研ぎ澄ませた。侵入者はフィクションのセクションに向かって移動しており、その呼吸は浅く、速い。ヴァンガードの工作員のような、訓練された静かな足取りではない。不器用で、ひどく緊張している。

イーサンは、その影が自分のいる柱を通り過ぎるまで待った。

流れるような素早い動作で、彼は闇から踏み出し、侵入者の肩を掴んだ。そのまま本棚に顔を叩きつけるように押し付け、前腕で頭部を固定した。

「動くな」イーサンが囁いた。その声は冷たく、恐ろしいほどに鋭かった。

「ベイル先生! 待って! 僕だ!」

声はパニックに陥り、押し殺された喘ぎだった。

イーサンは手を止めた。拘束を解いて一歩下がり、ペンライトを点けると、相手を眩惑させないよう光を下に向けた。

そこに立っていたのは、自分の肩をさすりながら、大きく見開いた恐怖の目で教師を見つめるマーカスだった。彼は黒いフーディーを羽織り、片方の肩にスクールバッグをかけていた。

「マーカス?」イーサンは眉をひそめた。その声には衝撃と、即座に湧き上がった怒りが混じっていた。「ここで何をしている? どうやって入ったんだ?」

「……後をつけたんだ」マーカスは肩を揉みながら口ごもった。「先生の車が通りの向こうに停まるのを見た。ボイラー室の横にある古い窓を使ったんだ。ラッチが壊れてるから、みんなあそこから忍び込むんだよ」

「首を突っ込むなと言ったはずだ」イーサンは厳しく、押し殺した囁き声で言った。「これがどれほど危険なことか分かっているのか?」

「黙ってろとは言われたけど、先生が午前4時に学校に忍び込むなんて聞いてないよ!」マーカスが言い返した。興奮して声が上がりそうになり、慌てて抑える。彼は震える指をイーサンに向けた。「それにさっきのは何だよ? 先生はまるで……警察か軍人みたいに僕を押さえつけた。それに先生の手を見たよ。タクティカルグローブをはめてる。ナイフだって持ってるじゃないか」

マーカスは一歩下がり、まるで幽霊でも見ているかのような目で教師を見つめた。

「先生は、ただの教師じゃない。一体何者なんだ? その頭の傷はどうしたんだよ? 誰と戦ってたんだ?」

イーサンは目の前の少年を見た。二つの生活を隔てていた脆い壁が、今、崩壊したことを悟った。午前4時の暗い図書室で、自分の戦闘能力を目の当たりにしたマーカスに対して、もう嘘は通用しない。

イーサンはゆっくりと革手袋を脱ぎ、ポケットに突っ込んだ。そして、静かで厳粛な面持ちでマーカスを見据えた。

「私はレナを見つけ出そうとしている人間だ」イーサンは静かに言った。「だがそのためには、警察が踏み込めない場所へ行く必要がある」

「……賞金稼ぎなんだね」マーカスが囁いた。その事実が腑に落ちたようだった。「噂……近所に自警団がいるって、年上の連中が話してるのを聞いたことがある。逃げた賞金首を捕まえてくる奴がいるって。それが先生だったんだ」

「マーカス、よく聞け」イーサンは歩み寄り、少年の両肩を掴んだ。「これは遊びじゃない。レナを連れ去った連中は、今週既に一度私の命を狙ってきた。彼らはこの学校を監視している。もし君が私と一緒にいるところを見られたら、あるいは君が何かを知っていると思われたら、次は君が標的になる。今すぐ家に帰るんだ」

「嫌だ」マーカスは頑なで無鉄砲な決意を込めて顎を引いた。「どこにも行かないよ。レナは僕の友達だ。あいつのことを誰も気にかけちゃいない。先生に見つける方法があるなら、僕も手伝う。もし無理やり追い出そうとするなら、警察に行って僕が見たことを全部話してやる」

稚拙な脅しだったが、その瞳には純粋で必死な忠誠心があった。マーカスは恐怖に震えていたが、レナを救えなかったことへの罪悪感がその恐怖を上回っていた。

イーサンは目を閉じ、鼻からゆっくりと息を吸い込んだ。折れた肋骨がその動きに抗議した。マーカスを一人で歩かせるわけにはいかない。それはこの少年を死に追いやるのと同じだ。彼を安全に保つ唯一の方法は、自分の目が届く範囲に置いておくことだった。

「わかった」イーサンは目を開けた。「だが、私のルールに従え。私が言う通りに、言った瞬間に、疑問を持たずに行動しろ。いいか?」

マーカスは即座に頷いた。怒りは消え、緊張感のある集中力に変わっていた。「わかった」

イーサンはポケットから青いノートを取り出し、マーカスに見せた。「レナがこれを残していた。ウィットモアが誘拐に手を貸した全生徒の記録だ。証拠は揃った」

マーカスが答えようとしたその時、イーサンのポケットでプリペイド携帯が震えた。彼はそれを取り出し、ギデオンからの新しいテキストメッセージを読んで表情を険しくした。

《ヴァンガードがウィットモアを隠れ家から連れ出した。後始末(口封じ)を始めるつもりだ。ハリウッド・ヒルズの住所を特定した。今すぐ行くぞ。》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ